松岡洋右 著

  青年よ起て 世界変局と大和民族の使命

日本思想研究会発行

 

 本書は、松岡先生帰朝以来今日までの講演及び叙述の殆んど各部を蒐集せる
もので、特に本会が乞ふて出版せるものである。
 内外の急迫せる状勢に黙止しがたく、つひに先生は今回決然として政友会を
脱党せられ、国家革新の壮途に就かれようとしてゐる。
 そして一切の褒貶を他所(よそ)に、躬を以て国に殉ずる決意の下に、進んで荊棘の
道を択ばれたのである。
 本書は、先生の国家革新運動の思想的、政治的、経済的の基調たるものであ
つて、八千万国民の必読含味すべき経典であると確心する。
 われ等は本書の校正に際し、至誠の人松岡先生の胸奥より迸り出でし警世憂
国の大文章に感激して、朱筆を投じて嗟嘆せるもの、実に一再ではなかつた。
 新日本の黎明を告ぐる暁鐘として、この一篇を全日本国民に贈りうることを
われ等は光栄とするものである。

昭和八年十二月十四日

                         日本思想研究会

 

目次

 

(1) 脱党声明
(2) 革新断行の秋
(3) 日本国民の新目標
(4) 世界変局と帝国の地位
(5) 青年と語る
(6) 沈黙を破りて
(7) 少年少女諸君へ
(8) ジュネーヴより帰りて
    [附] ジュネーヴに赴くに際して
(9) 満洲事変記念日に際し国民に愬ふ