第四四六号(昭二〇・六・六)

 戦時教育令の解説         文 部 省
 七生報復あるのみ         下村 宏
 国民義勇隊問答
 農村防空体制の確立        農 商 省

国民義勇隊問答

生産と防衛と直
結する行動隊
 

 問 聖戦完勝への最後の国民組織として国民義勇隊が編成されるやうですが、その目標と、従来のこの種の運動との特異な点をお聞かせ下さい。

答 硫黄島を奪つた驕敵は既に沖縄に進寇し、帝都を始め全国の要地には連日の如く執拗な空襲が行はれるといふやうに、戦局は容易ならぬ様相を呈して来ました。
  今こそ一億国民悉くが奮然眦を決して、生活活動の一切を挙げ、物心の総てを捧げて戦力の増強に邁進し、聖慮に対へ奉るの秋が来たのです。
  「一億悉く特攻精神に準へ」とか、「国民は大号令を待つてゐる、勝ち抜くための思ひ切つた施策を決行せよ」とか、「お談議的な生ぬるい国民運動では駄目だ。強力な組織の下に地についた実践運動を展開すべきだ。」といふやうな国民の叫びが湧然と起つてきました。
  そこで政府は、この盛上つた民意を凝集して、大いに皇國護持の精神をいよいよ振起し、国民の総てが各々戦列にある一員たるの自覚の下にその職任を完遂し、皇土の防衛、戦力の増強に努めると共に、戦局の推移により、直ちに欣然として挺身難に赴き以て皇土を死守する国民総蹶起の簡素強力な組織として、国民義勇隊を結成されることになつたのです。
  これこそお説のやうに、今次聖戦完遂