須らく三十棒を加ふべし

 今の世に当り、四恩十善を以て教育主義となさむとするものあり、仏者の迷妄、殆ど済度の縁なきに似たり。父母の恩、可なり、国王の恩も亦更に可なり。三宝衆生の諸恩を説くに至りては、殆ど痴人の夢を説くに類す。日三竿にして目白台上眠り闌(たけなは)なり。須らく三十棒を加ふべし。

(三十一年一月)