二五新聞紙の欠点男爵後藤新平

 多数新聞記者中には、固より有徳有識の士なきにあらず。然も彼等の中には、自己の閲歴に顧みて、他人を論議し、批評するの資格なき者にして、独(な)ほ恬として之を敢てしつゝある者あり。また何ものかに囚はれ、自己が署名の義務なき利便の背後に隠れて、曲筆舞文、是非と事実とを枉ぐる無責任なる言辞を逞しうする者なきにあらず。今や立憲治下の国に於ては、君主は憲法の条章に遵由して統治し、国務大臣は君主の任命に依り、議会の協賛を俟つて国政を調理するを要し、議員は選挙に依りて民意の決選を要し、官吏、医師、弁護士、学校教師は固より、産婆、看護婦の末に至るまで、一定の予習と試験と資格の具備とを要し、且つ何等かの監督の下に

 

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