一七愛国的精神と志士の心理

 屋根なき粗造の囲の中には、白木の机を前にして、怪しき腰掛台に坐せる三人の露国士官。これぞこの日の裁判官にして、そが左右に控へたる二人の士官は、検察官と被告の弁護人となり。傍聴せる者は、見渡す限りたゞ二人のみ。一人はドイツ新聞記者にして、他は余なり。
 被告を呼び出すべしとの穏かにして嗄れたる声は、

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l愛韻的掃紳と志士¢心亀
新聞記者にして、材は針なゎ・
しんぷんき しや       こ
 ナこく、− だ      おだ†   しわが  こゑ  さい拝んち?フ たい書 くちぴる l
粥台を呼び出すべしとの穏かにしで吸れたる牽は、裁判長化る大佐の虐を洩れ
 どぅじ しなじん いで七ち        ほんみ?−な
ぬ0同時に、支野人に扮装せる誘ハの酢ポ舶は郡たり¢本名は名のらす、た芸
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の階級を告げ、
頼いて重要なる審問に答へ普ソ0蹴軒は鮮すことなく一
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草日せ`彼等は寒京よ是れる臥ルの郵ポと割に粁郁を評で晋0その目的は、
けくhつだん                       書こ や 圭   てや
爆裂輝にて郵郡靴野を糾挙するにあタき0鮮軒は紆がにで警の野を樺ぎり」漸く
にしてチ、ハルに達しぬ0されどコサク兵に取押へられてその朗耶あし軒す、四
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舶の朝鮮は漸げ野びたトと、二人の小柄なる黄色人は語り終♭て、少しも己の
ゆうき ほこ いろ   ひとり た′  1へ み  七   言い放んちやうしせん モ、
勇気に誇る色なし〇一人は正しく前を見て、絶えサ裁判長に成線を注ぎたれども、
いさ・ そんだい ふ・フ   d・ ぴとり            ちんし ふけ    言
研かも食大の風なく、狩ほ丈は、、撃て舶刊を晰め、沈思に耽るものゝ如く誉ソ
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 二人の態度は」座の同僚塞き、一軒轡襲郡部銚に那a滋野と
  ふたり  たいと   ぎ  ぎ−じ?フ ひ
一十五日の露囲新開は、日本士官の死刑と題して、
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にち  ろ こ′ヽしんぶん    に ほんしくわん  し けい  だい
 つラしん
この通信を.
ヽ′

とl              渋いしやう とくしや  hが い         いお     けんきりくbん くち と    かお
共に、クワバーキン大浦に特赦を願ひ出づるまでに至れゎ。検察官はロを閉首て譜
     べんこ   にん  あ仁    Lくわん    は・♪てい  にんじ  うつ七  ・ごhり   甘んさう  匂     ほ り▲
らす、持護の任に誉れる士官は、法廷の仁慈に訴へて二人を戦季に於ける捕虜とし
とりちつか    こ   さいはんち?っ Jニく むか  と   さら 、
取扱はんことを請へゎ。裁判長は破普に向ひて岡ひぬ、『更に首ふことなきか』と.
ふたh・  いは    h▲
二人は日く、『無し』と。
 はふてい  き・ヽ・けい    ふん のち ふた・かいてい  よ き 、】と し けい せんこく くだ   ふた
 法廷は、休懲せり。五分の後に再び開廷し、漁期の如く死刑の宣告は下らぬ。ニ
п@ に ほんじん が・) せんりつ               せんこく ほつ   しか しんとうい壱・び せう うか
人の日本人は宅も戦慄することなく、この宣含を欲し、然も虐萌研か微笑の浮ぶを
み      ぐんぷく き ナ           と      とさ     えう       こた        †う、●ん
見た♭∩−『軍服に書換へざるか』と岡はれし時、『その要なし』と答へぬ¢この貴慮な
 †フふんかん お    よ    そ・1しんみプ あ        ここ   せんりつはだ あは しやう    甘んこくぶん
る敷分間に於ける粂は、総身水を浴びたらんが如く、職慄膚に粟を生せり。宣告文
 とくしやせいぐわん でんぶん     写っじ  hうやう             七いし?っ はリ          ヒ かん
と特赦請願の電文とは、同時に速陽なるクワバトキン大将に登せられぬ。一時間を
へ   へんでん     いは   せんこく月ん 、丁こ   し,い しよ
経て返電あ♭、日く、『宣告文の如く、死刑に廃すべし』と。
     と号フ  だ        ビラだん   かhら  き与1ぶ  つらn
 この時打ち出す十二の銃弾は、彼等の胸部を貫け♭。