昭和十七年


 一月二十一日、東條首相は議会再開の劈頭に施政演説し、大要左の如し。

 一、大東亜戦争指導の要諦は、大東亜における戦略拠点を確保すると共に、重要資源地域を我が管制下に収め、独伊と呼応、米
英両国を屈伏せしめるまで戦ひ扱く。二、大東亜共栄圏の根本方針は、各国家各民族をして各々その所を得しめ、帝国を核心とす
る道義に基づく共存共栄の秩序を確立するにある。三、そのため大東亜防衛の拠点は帝国自らこれを把握措置する。印ち香港、マ
レーは帝国領土として確保する。四、比島、ビルマは、帝国の真意を諒解し協力し来る場合には独立を許容する。五、蘭印、濠洲
も抗戦を継続すれば容赦なく撃砕するが、協力するならば帝国はその福祉と発展に援助を与へる。六、重慶政権は徹底的に破砕す
る。七、国内施設の急務は、国家の総力を挙げて専ら武力戦において屈敵の戦果を拡大すると共に、戦争遂行力の強化を促進して
必勝の態勢を確保するにある。そのため生産力の拡充、船舶の急造、国民生活確保、人口増加に努める。

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両院ともに政府の施政方針に質問を打切り、二十二日より直ちに政府提出の諸議案に封する審議に入る。審議合は極
めて快速に進捗し、臨時軍事費其の他追加濠算等四件は、一月二十六日の衆議院濠算委員禽に凱決可決、翌二十九日
の本合議に可決後直ちに貴族院に廻付、貴族院も二十入日、濠算委員禽に即決可決、二十九日の本合議に可決、百人
十億囲に上る臨時軍事費は、政府提出後四増にして成立す。入十六億囲に上る一般合計総務算その他務算各実につき、
衆議院にて二月二日、諜算委員禽、空三日、本合議に原案通り可決、法定審議期間の約手に過ぎぬ十三日にて議了、
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    再開を求め、戦捷第二次の祀賀日の三月十一日、両院とも本合議を開き、東條首相は特に飴彗一口を求め、大東亜戦雫が
    劃期的新段階に達せる横合に、重ねて聖戦完遂に封する帝囲政府の決意を表明すると共に、皇軍進撃の前に横はる豪
     洲及び印度に封し、不動の大方策を宣言す。
     五月二日夜、東條首相は「総選挙を終りて」と超し、今回の総選挙が大東亜戦寧完逐と翼賛譲合確立といふゴ大目
     標を完全に達成し、国内態勢の動揺に一賎の望みを嘱せる敵国に封し、寸竜の除を輿へざる国民の協力を感謝するラ
    ヂオ放迭を行ふ。二十日、翼賛政治合の創立総合は、阿部大将外七十六名の首唱襲起人を始め、各界各層の代表的人
  物を網羅せる九官飴名の襲起人が、東京丸ノ内大東亜禽館に参集、東條首相が来賓として出席す〇五月九日の官報に
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        之を決ぶ。朕は臣民の忠誠勇武に信侍し、速に征哉の目的を達成せむことを期す。
     とあり。之に先んじて二月十三日の閣議に、大東亜建設審議禽なる中央機関を設置し、十七日、首相官邸に第一回線
    禽を開催、東條首相より大東亜戦争完蓮の要諦立に同審議禽設置の意義を明かにする挨拶あり、七月二十三日、第五
     回線禽を以て諮問事萌全部の答申を終る。一般方策と経済方策とに二大別し、一般方策中に最も重税されたるは、大


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東亜建設の基本理念にて、
  大泉亜建設の基本理念は、我が囲膿の本義に淵源し、八紘慮字の大義を治く大東亜に顧現するにあり。これがため、各国及び各
  位民をしてその分に應じ各、\その節を得しめ、道義に立脚する新秩序を確立するを以て褒となす。
とあり、新たに内閣に大東亜省を設置するに決定、十七年九月一日の山閣議に付議、
   大東亜戦争の完遼泣びに大東亜建設の必成を期するため、大東亜地域内の藷外因及び諸地域に関する政務の施行を塘嘗す。
と決定す。十二月二十四日、第入十一帝国譲合召集、提出議案は戦雫遂行に必要なる範固に局限し、法律案は入十九
件と決定、濠算実は九十九億九千五官萬囲の本務算の他、約三十三億囲の追加務算、二宮七十億囲の臨時軍事費、特
別禽計を合せて、歳出総計四官七十四億囲に上る。開院式の勅語に、
  脱が外征の師は騎汎なる地域に亙り萬難を耕して睡魔に敵を撃破し、威武を宇内に宣揚せい0而して友邦との盟約は愈ミ固きを
  加ふ。険深く之を欽ぶ。今や戦局重大なり、宜しく億兆一心益、、国力を増強し、敵国の非望を破砕すべし。険は拳固臣民の忠誠勇
  武に信侍し、速に征戦の目的を達成せむことを期す。

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