大日本育英会の誕生  文部省

今回、政府は多額の国費をもつて自ら大規模な育英事業を行ひ、国民の中に一
人の埋もれた人材もいないやうにし、その能力を最高度に発揮できるやうにして
戦争遂行力を増強し、国運進展の礎とするため、その暫定的措置として財団法
人大日本育英会に、この大事業を行はせることになりました。


  本制度の特色

 本来わが国の育英制度は、我が国独
自の家族制度の本義に則り、その美突風
に立脚すべきものであつて、欧米諸国
にみられるやうな自由主義、個人主義
に基づく社会政策的な育英制度とはそ
の根本の趣旨を異にしてをります。我
が国では、親は子をその才能に応じて
出来るだけ教育し 大君に捧げまつる
責務を有するものですが、この親の責
務に対する協力の意味で、本育英制度
が考へられたわけで、この制度の運営
に当つては、特にこの点が留意されて
をります。
 この育英制度は、以上のやうな根本
精神に立脚するものですが、内容的に
はだいたい次ぎのやうな特色を持つて
をります。
(1) 国家的育英渕舵である木質上、その親
d■模は極めて雄大で、その代炎人員は、寝年
 新たに推礪される瀞は中等蟹横穴千人、
 耳門義一千五盲人、高等学校及び大挙
 預科一千三宮人、大畢一千二苫人、合計
 官に一万人に達し、昭和五十七年度以降
 における貸費頼累計は三億六千万卸を超
、けへ しかも本制度の粁釆は更に坊充蕾民
 の可能性があります。
拗 この育英制度は、優秀な畢托である
                     ●.い
 が程済的な理由で修畢の困難な考キ射
 し●1ノ
 象とするもので、親の茸務に協カナる
 ことを目的とLてゐるものですから、単
 に、いはゆる費餉だけを貸費の條件にほ
 してゐません.
畑 原則として新たに上依撃校に進撃する
 者を封象とすろのですから、在筆者は飢
 外的な封象となるに過ぎません。徒つて
 園民輿丁校鬼童の湛塾Tが重要な間髄となり
 ます.
糾 この事業に要†る貸増資金ほ、すべて
 大硫省預金部から借入れるもので、その
 利子は研摩が補給し、元本の償螢ほ政府
 が倖詑しますが、この借入金累計ほ、鞄
 和五十七年度には茸に二億七千万凹に達
 することになつてゐます.
倒 貸費の過食は無利子で、二十五年間に
 年頃またほ月賦で行ほれるのですが、そ
 の近景山鞘は貸費絶額よわも少額です.
仝0
■■l
 これほ返還金がいはゆる保瞼計算によつ
 て算出され、且つ開化岬から利子の補給が
 あるからで、▲本制度の重要な特質といへ
 ませう。
柑 貸費を受ける撃徒(奨畢生)ほ、貸費返
 還の叢動以外には簡窄な届出義務がある
 だけで、その他何等の義務を負ふもので
 はありません.
  大日本育英▲曾の内容
 財国法人大円本官英魯は、以上のや
うな特色ともつた同家的育英事業を行
ふことを目的として、民法により設立
された財帥法人です。徒つて、その組
椚等は一般の財団法人と大差ありませ
んが、その菜斡は畢資金¢貸輿のほか、
照準生の進畢の補導と監督を主なもの
                    ゐ●レJく
とし、柁月としては文部大臣の委嘱し
た脅長の下に理事、監事及び評議月が
あつて、その逆常に労ることになつて
心竿少、事和朗は現在、文部省内にあ
り、支部は近く都道府願に設覆されま
す.貸沖紫紺は眈に開始され、昨年末
には第二同の鳩ハ畢生の決先を結つて、
侍ハ費金の支給を行ひネ小した。
 財開洗人大日本筍淋ハ分は、前述した
やうに暫定的摺橙として設立されたも
のですが、昭和十九範度には、この制
度に永相性と確・驚性を輿へ、且つ国家
の監督碓を強化するため、特別法によ
ろ特殊法人となる確定です.
  十九年度の費北方法

 昭和十八年度の貸・照潔群は、前述の
やうに昨年末から開始されてゐネニ,
が、昭和十九年度にも▲文部大担の認可
を受けた貸費規掃に基づいて、だいたい
同様のユ万法で音‥施されることになり空
した。
 たゞ昭和十八年度は、年度の途中か
ら始められた関係上、水署だけを封
象としたのに封して、昭利十九年度
は、その主な封象をこの桝月に入牢す
る膚としたこと、貸費金徹の朽耕を増
加したこと等が異つてゐるだけです.
 次ぎに貸費の範由、坪数余糾、手韻
仇等について申しますと、
「貸費を受ける者
  貸費は「帝閥臣民ニシテ中学柁贋以上
 ノ輿丁校二在嬰シ品行方正、畢術憺秀、志
 棉堅蜜、身能頒健ニシテ学資ノ支桝稚払
 卜謁メラルル者」に封して行はれ、中等
 稀†.校は差卜常り内地にあるものに仙睨ら山王
 すが、大挙、廿向等専門…学校についてほ、
 贋く外地、外閥に山師在する畢校であつ
 ても、必孝な場合には州氷ることになつ
 てゐまtT.
  なほ在撃とありますが、原則としてほ
 これから入牢しよちノとする者に封して、
 その入学條件として輿畢生に採用するの
 であつて、例へば閥民撃校の兄尭が中等
 畢校に入学を恵革する場合など斗h、国民
 畢療長の推衝慌によつて貸費を願ご出るこ
 とが川氷ます。従つて、現に在単Tしてゐ
 ろ老に封しても特別の事情のあるとき
 は、侍時、奨豊丁生に援用します。
  次ぎに埠丁宍の支稗が困難かどうかは、
 寸∴づ撃増長が家庭の状況等を調査し、結
 合的に判断して推薦するわけですが、ぎ
 らに育英魯で審査の上、体位の着から爬

り−
 議椚川しTるので、、資椅邸伴わ叫具へてゐて
 も湘九もことがあるのはやわを柑ませ
 ん●
  また、こ▲に「畢賀ノ轟撃といふ
 のほ、桝く桝済的な理由によつて健筆の
 鋼難な増分を指すのであつて、いはゆる
 爵といふだけに軍例へば中流家
 h増でも芽室耶が多ノ\その轟丘蘭
 書轟けさせることが川米ないとい
 ふやう粂も含むのです。
 以上が概励γ生となる資格ですが、
軍、官、冊朴黎の委託教生は脱州とし
て除外されます。たゞ甘、令批、餌志
凄から黎嬰と受けてゐる者でも、
適格新であれば輿単生に糀糾されるこ
とがあります.なは蛾邸蝕の耗川に富
つては、別女、文科、和料等によつて
差別はしない才打です.
ニ、養姦、弁寡聞とモの支給方池
 袋兜汚れる金汲ヘ、邸校の郁斜によ
つて艶ひますが、どれを探るかは、本
                きんし†ヽ
人の盈加や家庭の串磋止宅参酌して
汰施しTまナ.
 ュ 妻びこれ虔の串撥に
9
bq
警常にほ
 月耕 土凰、十五喝二十M凧、二十
    五励または三十卸
 粧門塑丁枚、高等畢枚及びこれと同格
檻の学校に在学する老には
 月村 三十喝三十五阿、四十喝
   四十王雌、五士憫、五十五喝
   六十喝六十五脚または七十
   一風
 火単空叩)及びこれと襲以上0
稗凍に・舵畢する▲常には
 月掛 五十脚、五十五喝ユハ十喝
    六十軍師、志、・七十五.風、
    八十脚、八十五愉捌または九十
    凰
‖等があります.
 従つて、仝健を池じて故低は年糊官
二十桝、般舶は中村千八十風といふこ
とになけますが、平均鰍は中等塀校二
宮桝十仰、繊h等黎校、大戟漆科及び専
門輿L横はパ筍J凰、大山撃砕部八官制で
す●
 富ハ竜山糠月利め蛮校の校長
女…粁て券ハ付するのむ鮮則としてゐます
が、綿別山番偶のあるときは砥凍本人
に交付することもあり、また、この女給
縮は原則としてその月分となつてゐま
すが、特別の事情があれば教ケ月分む
合せて支給します.例へば壌年始や単
期始等には、度柔和の納入とか教科書
新の購入などの鵬係があるので、救ケ
月分む▲曾せて東冷することになりま
す●
 なほ、甘沓ハの増硬の琴即ち鳩へ壌生
であつた激や上級魂L枠に進壊して、さら
に醤生に▲碓川された老に封して性、
毎月の貸費金から前“の畢校の貸費に封
する返還月蹴金を差引いた金槻で交付
されます..例へば中卒校で何年細、毎
月二十阻の貸費を受けてゐた者が、さ
らに一凝門窄校に姓拳して毎月五十凰の
曹受ける域・合は、中纂攻におけ
る草紙舶九召六十阿の超過月し蹴金lニ
▲阿♭も差引いて叫十七去x給されること
忙なるのです●
 しかし、宴または大勢態料か
2ヱ
l■
ら大堺に純料γするものは、これむこ慣
として巧へられ、大域外梨複に∧‖せて
姥lすればょいことになつてゐるの
で、満州珊梯柁または火域仲村における
樺珊ハに封すろ出州仙川榊計・弟引くといふ
ことは拙けません。たゞ、中竹縄‥柁か
ら椚和して代舶ハ小鑑受ける均分、または
耕‖桝柁から心八捲・に池解した猶につい
て代作m桝糾たする」切ム〓にだけ弟引支給
が行はれろのです。柁つて舘照椚拙た
希望する耕は、延道川批公卿を巧拙し
て新鋭の代榊ハ余糾を決托する必塘があ
ります。
三、抹用願出の事績
 甥碑托に托川されたいとズ耶望する者
は、その抒か績H介の水人準する噂校、現
に水域してむらねときは〓身蝉校の校
長に小川で、その指示に碓へばょく、
例へば小畑り州騨校に進まうとする出立の
場合は、一閃戊邸校長に申出ればよいの
です●
 ふ確柁l戊は、帝伊}芽のやから仙川記の要
什に照らして渦格者た山濯び、瑚はばれ
たル小は呼柁から炎榊付和苫用紙を受
け、‥州≠…北山架と八に必淑一節項姦入
し、W¶箭g仰の上、▲将校戊に捉山川しま
す。呼柁火は別に牌パ糾γ性純化調書を作
           一てん ∫
柁し、これた桝杏に添附して捷山川しま
す.沌川は、中部単校の熊祉として箕
郷ハむ受けようとする浴の瑚合には都造
村.冊立畑地、▲高等諸碑校の堆徒として
婚蛾た受けようとする耕の域今には直
接ネ珊叱とします。
 松川川帖は、上級碑校に入壊しその
上拙作・蚊の梯徒として椎柴を受けよう
とすろ満のうち、四パ入接確定の新は
二H∴十‖まで、十月入聯碓定の才は「
七月一口から七月三十一口まで、また
小節川上の単松木革新でその将校の拳、
徒として代攻を受けようとする者は二
月末日まで、といふことになつてゐま
す.なほ、奨拳生となつてゐる者が更
に上級増松に進畢しょうとする時は、
貸溌の消和を欄ひ川ることが和雄ます
が、その手畑桝はだいたい右と吋畑坪で
←メ¢
払、輿鬱生の抹香決定
・準校長から維新された常について叡
山業成▲績、勤怠、偲格、▲家庭の桃況等と
                  は山
容我し、書柵舵委員曾に諮つた
上、青草曾で稀有を決党します.小額
風γ校生徒については、各支部でその推
楷川委員合に鴻川り、選定された常につい
て、さらに官共禽抑概委員合に諮つて
決定、その旨を直ちに椎舵撰校長を総
て本人に沌如します。志望笹揆入笹を
鹿作として焚埴生の決定と受けた老
は、入準を許可されたときに育英魯の
張堆生となるのですが、嘆堆生は血ち
にその■弊枚艮を紋て水仙挙詮明れ習を捉山H
せねばなりません.
五、奨学生の義務
 奨畢生として探川された者は、その
名容にかけて専心興業に摘励すべきは
勿論ですが、特に官輩曾に封しては卒
業後の返還養務のほか、左記のやうな
iは
苑抄を負ふことになりますが、就職笹
について特別の養拷む課せられること
はありません.
 (一) 連帯雫任者と保花人達磐の上、速
  かに青草曾析{疋の山背約審を在嬰畢接長
  を.裡て提出すること。
 っニ) 日己、連帯責任者またほ保讃人の
 身分、住所その他冤要な事項に異動を
  生じたときは、その都度、遅滞なく届
  出ること.
 (三) 在撃中、学年宋に撃業成績表を在
  襲撃埼長を経由して繰出すること。
大、貸費椴績の事績
 炎興生で更に上級拳校に進拳し、引
招き培潜む受けようとする者は、卒業す
べき牛の二月末日(九月宰菜の場合は七
月末日)までに、虚勢壌校長を経て音
茶分宛に炎畢生塘綿願書む托出せねば
なりません.この場合、鹿畢中の蛾鵠
等む参酌して誤審すべからざるものと
認められるときは、直ちに本人に封し
桝紹朗寄む受理しない旨を通合し・ま
す.
 志望壌攻入畢が決定したときは、前
述のやうに、直ちに水畢正明書を畢校
長を経て追付せねばなりません.
 なほ、この坪甥紙繊は卒業後一年む
結過した者に封しても、特別の事情の
ぁる眠り認められますが、この場合の
輿壌生鰯緯桝諮捉山期限は一月末日
(九月卒業の均合は七月末日)です.
七、貸費の鞘退、減額、中止、虜止
 奨畢生は稚串串校長を綻て申請さへ
すれば、何時でもほ増を糾過し、また
は貸堀金鯛を減胡して貰ふことが出水
ます.また兵役、疾梢その他正常の事
由によつて休学するときは、その期間
中、樺甥は中止J亡ル、充記の場合には
伐一甥は臆止され費す。

3 9
4
苧菜成績が不良で成業の見込なきと
立ヾ
操行が不良で柁諜の見込なきとき
沃病、侮桃特により成業の見込なき
とキ」
その他、学徒の本分を超さずと認め
られるとき
  貸費の 返濠
(】)畢資金借用安富の掲出
  奨学生は卒業前、羅終の貸費を受崩し
 たときは、連帯軍任者と保詑人沌一川著の
 上、山迭竜のh万法、金一御、期日等を記入し
 た所定の撃宍金借用謹書を在襲撃横長を
 経て提出せねばなりませんが、高等撃校
 または大奥丁理科を修了する時ほ、その必
 要はありません。
  詑裔用紙は撃校から交付されまナ.な
 ほ、炎学生昭頂傾書を抜出した場合にも
 本他旧用詔勅甘は提出せねばなりません.
(ニ) 退避期間と過鶏金野
  貸費C返竜ほ卒業の月の翌月から始
 り、二十五年間に年拭または月拭で行は
 れるのが原則ですが、希望によつては繰
 上げ返潰が出来ますし、また兵役に服し
 てゐる間はその期間中、疾病その他の事
 由によつて返濠が州難な場合は、事情を
 調査した上で相常の期間、返壌の姶孜が認
 められます。
  いま増血ロを分けて説明しますと、
貸▲

ー中等仙学校、革門蜜揆または大草で貸
lllll
 ⊂ /、


     ノ
   ′ノ ■、
∧り】
頂を受け椚慨続貸鱒ハのない場合は、自己
の班斑邦に封癒する返壇金弼を、その塾丁
稚を卒業後二十五年間に避浸します.
 例へば、中畢杯で月二十岡の袋賀を
受けた瀦は、絶叫九頂六十阿を暗りた
わけですが、卒業後二十五年間、毎年lニ
十六脚、計九習慣を返還すればょい
のです。
 小繋撃校から寄門学校へ睨組貸費を
受けた均合は、その返濠期間は・中等撃
校卒業後二十入年間、即ち軍門襲校在
野中のご山年間は中等弊校における放資
顆に封應する返瑞金桝、専門埠丁校卒業
後二十二年間は、巾等撃校と専門苧故
における貸費稲に封應する返没金頼合
印撹く三年間は∴等門学校における貸費
将に封應する返環金糾を超過します.
一4−
頓に封應する返逮金額合計、その後五
年間ほ廿向等卑丁校と大挙における貴賓常
に封應する返還金納を返涼します。せ向
等輿耗ハ皇たは大野陀科)を桝ずに軍門学校
から大挙畢部に粥撃する場合は、返滋
期間が中等学校卒業後≡十一年となる
ことと、畢部心仕学中ほ専門撃校におけ
る貸費糾を独演することのほかは、高
等撃校から油畢する場合と同様です。
 貸甥キ辞退し、または傲止された賓ほ、
そ勺決定の満一年後から貸費金の金額
を貸費を受けた月数に等しい期間内
に、月味またほ年賦で返還せねばなり
ませんが、個々の事情で謎甘研吏する
こともあります.
 したときは、相■竣人または連樺巽徒者は
 遽灘仰なく戸綿帝抄本を添附Lて、その旨を
 育英禽に届出でなければなりませんが、こ
 の場合、通常賓任済または保詑人の新川
 によつて貸費金またほ返琶未済金の全部
 またほ一蠍叩を亀除することがあります.
  但し返還延滞金があるときは、特別の
 事情のない限り免除するといふことほあ
 りません。
 なほ貸費規程につレて凝間の黙があ
る場合は、育卦ハ倉皇たは都造府願の敢
ふ畢課にお問合せ下さい.
        (文 部 省)
8 中等呼丁校から高等撃校ハ皇たは大坪托糾)
 と大挙へ継績貸費を受けた域合は、その
 返還期間は中等学校卒業後三十年、L即
 も廿何等嬰絞ハ皇たは大坪陀科)と大学学部在
 野巾は▲中等叢における貸費串に封應
 する返還金観、大勢卒業後二十年間は
 中等霞高等撃砕、大挙における貴賓
(≡) 不通濃、または遅延Lた場合
 奨畢生一ざのつた賓が返還しないとき
 ほ、連帯贅任賓が返還し、両者共に返覆
 しないときは、倖詑人がその資に任じま
 す.また正常の理由なくして一年以上混
 在したときほ、日歩二銭の延滞利息を徴
 収することになつてゐます.
(巧) 死亡Lた場合
  環畢生または襲撃生であつた者が死亡
  窯 寅 週
必勝に軍港する
  (第八十汚河痛快議▲牽
守り扱かん南の基地
鏡壁北逢の錦護
陣中謁重
電カを箪笥に廻せ
覆工品も兵器だ
共超へ蝕蝉だょり
蚊甘=月二
鍾十儒定
■■■■■■■■■■−■■■●■■■
望5