第二九四号(昭一七・五・二七)

 翼賛政治会の発足
 小売業整備実施の方針       商 工 省
 ビルマ作戦と重慶        大本営陸軍報道部
 物資営団の買上げ        商 工 省
 本年度の物動と生産拡充計画    企 画 院
 大東亜戦争日誌
 常会の頁            農林省・神祇院
                    大蔵省国民貯蓄奨励局

聖戦下における
 大祓精神の徹底

 来る六月三十日には全国一斉に、大祓の行事が行はれます。この大祓は毎年二 回、六月と十二月の晦日に行はれます。

 大祓の意義

 私共の組先は、日常の生活を営んでゆくのに、常に真正の日本人として清く正しく生きて行くこと、即ち 天皇陛下の臣民として一点の疚しさもない、明るい生活をすることを強く心掛けてをりました。従つて身心の汚(けが)れ殊に精神の汚濁を最も悪むべきものとして、これを洗ひ清めることに努めました。大祓の行事は、かやうな不浄不正を嫌つて、ひたすらに明朗正直を愛する伝統の民族精神にその基礎を有してゐるのであります。殊にその重要な点の一は、単に過去の罪障消滅を期するといふやうな消極的なものでなく、この行事により神力を借りて自己の生命を更新し、強く正しき明日の生活を希求する積極的な部面であり、その二は、それを個人個人としてでなく、全国民一斉に国家の行事として修することであります。

大祓式

 大祓は古来、伝統の行事でありますが、現在もその当日には、官中において、畏くも 天皇陛下の大祓たる節折(よをり)の御儀を執り行はせられ、皇族以下の諸臣にも神嘉殿前庭において大祓を行はしめ給ふ外、伊勢の神宮でも同様大祓の儀が修せられ、全国の各神社また社頭庭上に祓所(はらへど)を設け大祓を厳修(ごんしゆ)するのでありまして、国民全体が必ず参加すべき重要な式であります。

大東亜戦争と大祓

 ことにたゞ今は、皇國が最も重大な時局に直面してゐる時でありまして、かやうな重大な時期に方(あた)つて、緒戦の戦果に安堵して心の弛みを生じたり、長期に亘る生活上の不自由に堪へ兼ねて不平不満を抱いたりして、職域奉公の勤めを聊かでも怠るやうなことがありましては、宣戦の大詔に拝した有難き大御心に背き奉り、皇軍将士にも申訳ない次第であります。この際にこそ、全国民一人残らず大祓を修して、神の大前に聖戦完遂の誓を新たにし、いよ/\御国のために粉骨砕身いたさねばならないのであります。

職場における大祓


 かやうなわけで大祓の当日には、われ/\一億国民の悉くが氏子の一人として、氏神社の大祓式に参列いたしたいのは山々でありますし、またそれが制度の上からいつても当然のことでありますが、この戦時下においては、国家のためにその職場を一時でも離れ難い人達も相当にあるわけですから、これ等の人々のために、官公衙、各種団体、工場場、鉱山等それ/"\の職場においては私の大祓式を執行することが適当であり、且つ咋今では各方面で実行されてをります。
 参考までに職場における大祓式のやり方について式次第と式場の図(上図)を示しておきます。

(神祗院)

式次第

当日適当ナル場所ニ祓所(ハラヘド)ヲ
設ク
正面ニ新薦ヲ舗キ案ヲ立テ
大祓ヲ置ク
次 諸員着席ス
次 祓主(ハラヘヌシ)、祓司(ハラヘツカサ)着席ス
次 祓主、祓詞(ハラヘコトバ)ヲ宣ル
    諸員磬折(ケイセツ)
次 祓司、大麻行事(オホヌサギヤウジ)ヲ行フ
    諸員磬折
次 祓主、祓司退出ス
次 諸員退出ス