第二八二号(昭一七・三・四)
   総選挙に臨む政府の態度     東条内閣総理大臣談
   大東亜戦争完遂翼賛選挙運動について   内 務 省
   海軍落下傘部隊の活躍
   重要物資管理営団法       商 工 省
   食糧管理法の概要        農 林 省
   告知板 −鉄道運賃の改正−
   敗戦に揺ぐ英連邦
   大東亜戦争日誌
   通 風 塔

  総選挙に臨む政府の態度
                      東條内閣総理大臣談 (一七、ニ、一八)


 現任衆議院議員の任期は、四月二十九日を以て満了せんとし、その改選の期は既に目捷の間に迫つた。そも/\衆議院議員総選挙は昨年議員の任期延長の結果、昭和十二年議会解散後の総選挙の行はれてより満五年、支那事変開始以来最初の総選挙である。大東亜戦争下において敢へて今次の総選挙を行はんとする所以は、一は選挙が戦時下国民の総力を集結し、挙国いよ/\決意を固くして戦争目的の完遂に邁進せしむる絶好の機会たると共に、一は今回の選挙を以て、支那事変以来、殊に大東亜戦争開始以来、飛躍的に発展を遂げたる時局の新段階に対応すべき、清新なる議会の成立を期待せんとするにほかならないのである。
 即ち政府は、この選挙が旧套を一掃して、真に公正明朗に行はれ、これによつて大政翼賛の熱意に燃え、大東亜戦争の目的完遂のために、積極的に力を致すべき有為の人材の一人にても多く選出せられんことを熱望するものである。
 かくて国民の胸中に漲る征戦目的完遂の意気と気魄とを披瀝し、 聖業翼賛の赤誠と至情とを吐露し、官民真に一体となつて翼賛政治の本領を発揮せんことを希望する次第である。
 これがために政府は、今次選挙に際し、国民運動の展開を希望するものである。
 特に政府はさきに述べたるが如き積極有為の人材が、従来の因習を破つて現実に選出せらるゝやう、その気運が積極的に醸成せらるゝことを希望し、更にその実現に関して最も適切なる方途について、広く国民一般の工夫と尽力とを期待するものである。今や国家躍進の秋に際会し、こゝに政府は純正なる国民政治意識の昂揚を図り、国内政治の刷新と翼賛議会の確立とによつて、大東亜戦争の大業翼賛に邁進せんことむ期するものである。