第一二五号(昭一四・三・八)
  日露戦争より支那事変へ −支那事変下に再び陸軍記念日を迎へて−  陸軍省情報部
  米国海軍と太平洋(上)       海軍省海軍軍事普及部
  国民健康保険組合の実績      保 険 院
  上海租界について         外務省情報部
  官庁編纂図書だより・文部省推薦図書紹介

 

団民健康保険組合の・宴績
j−−}∨小∧{■}■∪■−、、へ〜■ヽ〜、
    (一)
 同民の他康を保持増進し、開局生活の安定を期すべく、真実
使命を帯びて開民健髄保除法が賓施されたのほ、昨年七月l日
のことである.国民健壌保険制度は国民待望の椰案であつたの
と、且つ呼生省として棚の重要能魯立法であつたので、一般に
非常な期待を似て迎へトれた・この制度のあらましについては
既にしば〈本誌上に課題してきたが、要するに、農山漁村の
厨川者、都市の中小商工業老、その他l舵国民のため傷病の危
      一い・,†’
瞼を仲瞼し、療養の槻脅を輿へ、似て粍済的負澹を擁滅し生活
の☆▲定を糊すろとともにその健康の保持椅進に資せんとするも
           き1′ふ      のつと
のであつて、その事業は相扶共済の柄紳に則り自治的に組合を
約柵せしめ、組合をしてこれを行はしめんとすろものである.
 糾合は通常市町村の高域に俵つて、その地慣内の世帯主によ
り糾…椛されるが(これを普流圃民健髄保険組合といふ)、大都市
特においては同業同職等の職業的園結を基礎として組合を組織
する場合もある(これを特別加凶民健康保瞼組合といふ).また場
合によつては褒粟組合法に依る官標利用組合や漁業法に依る漁
         保   険   焼

栗組合のやぅに、その組A旦のために背環に朋すろ施設を行つ
てゐるものには国民健康保険事業の代行といふことも認められ
てゐる(これを代行法人といふ).
 以下これらの組ム晶びに組合の事業を代行する法人の設立普
及状況及び一般概況を述べてみよう.
    (ニ)
 国民健康保険法の施行された昨年七月普初から的三ケ月間、
すなはち十月ごろまでは、絶入品訊立の準備期間とでもいふべき
時期であつた.
 組合を設立せんとする場合には、まづ地元町村或ひは同業者
園鳩等において辛起人が親約をつくり、組合員たらんと†ろ著
              しん一いし一
の同意を得て組合設立の誕可申請書を地方長官に提州せねばな
らぬ.従つて趣旨の普及や組合設立準備手続に相普の日時を裏
                          方▲■
するわけであつて、この三ケ月間に組ム鳥成の域に達したもの
は極めて僅かであつた.それも山形騒の角川村囲民健痍保瞼組
         −こし ●
合とか、埼玉粍の趨ケ谷順正合同民衛衆保険凛口、その他愛知
                                     与
鞍、熊本椴下の組合の如く、二三年前からL国民健熊保険制蜃套
(2)
 ▲い}
網実に準増して項似の組合を既に緒成してゐたものが大部分で
あつた.
 しかし、十月から後になると続々とその設立を見、かくし
て本年一月末日現在においては、眈に組合の結成を見たもの
官五十二組合、その被保険者敗四十三塔五千人をかぞへるに至
つた.この状勢からみれば、太年度普及の預定枇保険者救五十
落人に湊するの旦間もないことであらう.
一月三十−日現在の邁府特別の組合故は次の通りである.
 △北海蓮 田、△青森ニ、△岩手ハ代)六、△宮姶 三、
 ム秋田へ岱三、△山形一、△礪島 六、△茨城 三、△栃
 木一、筏)一、△群馬ニ、ハ代)ニ、△埼玉ニ、△千糞ハ代)
一、△東京一、ハ苧一、△紳奈川一、(特)「△新潟ニ、
 △石川 四、△宮山(ぴ一、△礪井 田、△山梨五、ハ代)
 l、△長野 四 △岐阜五、筏)一、△辞岡三、へ代)て
 △愛知甲、.ハ代)て△三重甲、△滋賀一、ハぴ一 △京
 都七、(ぴ一、△大阪ニ、(彗一、△兵庫三、△奈良ニ、
 △和秋山一、△岡山 四、△廣島 五、△鳥取 三、△島
 根三、(ぴ−、△山口四、△徳島 「 △香川四、△愛蝮
 〓、△高知 三、△礪河「(岱二、ム長崎一、(岱「
 ム佐賀ニ、筏)〓、△熊本 六、ム大分 ≡、△宮噂 l、
 △鹿鬼島 「 △沖沌 二
 合計 l五〓(普涌組合〓ニニ、特別組合三、代行二大)
 ★青 木女中(特)Lネ.るは特別粥民権庸械挺組合、ハ代)とあろは同氏催康鋪
    瞼馳第五十日蟻に依り軒可な受けた代行故人で、モの他は普確執良能女
     使監▲合であろ●
    (三)

 次に以上の国民健康保瞼組合及び代行法人についてその概洗
を述べてみよう.
                                 一
 国民健雑件瞼組合においては、その地囁内又は同業同職の世
たい                                  さム∫
帝主が組・曾只となる.組合員は組合に封し保険料の納付その他
一切の権利義務を負ふものである.そして爬蒋主が組合員にな
ると、租約に特別の定めなき限り牝荷主及びその家族は全部破
保険者となり組合から種々の保険給付を受けることが川東る.
代行法人については未来の法人の組合員が同じく組合員であ
り、組合員及びその世帯に鹿する者が被保険者になるわけであ
る.以上各組合及び代行法人の組A員欺は最高三千人、最低首
四人、平均五官四十人であり、被保険著赦は最高一革二首七十
五人、最低四盲七十田人、平均二千入管五十六人といふことに
なつてゐる●
 次に組合は平素組合員から料金、即ち保瞼料を衣つて、被保
       ●ムふ       モ与‡い
瞼者に封し穂箋の給付、助髭の給付及び葬祭の給付を行ふもの
であるが、横車の給付ほ沃律上必ず行はねばならぬ給付である
から、いづれの組合も全部これを行つてゐる.助壷の給付は杓
年数の組合においてこれを行ひ、葬祭の給付を行ふものは極め
て稀であろ.
                          L「ルーrえレ一
 倍ほ靖箋の給付をするといつても演常組合が自ら診療所を持
つてゐるのではない.開業官等に∵宅の報酬を支沸ふことを契
                 一さき
約しておいて被保険者の珍療を委乾するのである.この搾師等
く召)

 

一ヽ′ヽJ■〜、、、−−、−−−−ハー■一−■−■−■一−′ヽ′ヽ■
の紹桝は従来その地方で涌浦利付されてゐる一切の診増増娼を
は〜いヽ                            ふ
管し、被保障賓はいづれの博師にでも診てもらへるやうにし
てゐる.これらの野師の範尚は地方長官が各道府糠の閉民触淡
              ◆り■◆・一フ
愕瞼苔ハ禽の意見キ徹して決める.流常将帥魯、噛科野師射、
              ていけつ
確翔帥何等の園鴇と診標契約を締結してゐろものが多い.組合
                 一卜・}
と将帥朗等と既に契約綿結キ了したものも相常あるが、未だ静
                々づしJ,
蝶璃酬糾の決定で糾合と野師何と粥術中の耶も相常あるやうで
あろ.大場l鴫紛桁料金より二割乃ぶ望二割方割引されてゐるや
うであるが、組合が〓氷ると欝横費の支梯は組合がするといふ
ことになるので碓氷のやぅな不梯といふ開超もなくなり、ある
穐庶の刺引ほ常烈のこ上であらう.
 次に粥代瞬老一人常の粥頓費年絹の見積は組合に依つてそれ
ぞれ兆つてゐるが、最高入間五十七銀、最低二園、平均三間四
十餌となつてゐる.各組合ともそれぐ従来その地方で贅され
てゐた阿増車の調塵を行ひ(坪済更生計室樹立町村においては
一應の調査を了つたものが多い)、受診率の向上や診頼報酬の割
引等を加減して計算してゐる.
 悍陀料も各組合の規約の定める所に依つて千弟蕗別である.
たど机・曾只の資力に應じ費富の程度に應じて階級を設けてゐる
ことは各組合を通じた原則となつてゐる.その昭級は十階級乃
至十五階級といふところが一等多く、概ね声紋割の賦課標準を
 l−′∨し†く
食酢して階級を決愛してゐる.保障料の納期の如きも蒋月末と
なつてゐるものが多いが、農沌物の収穫期か狙つてゐるものも
相常あるやうである・また桝糾を認めてゐる組合も多い・
 保瞼料の被作瞼者一人昔年料は組合の事業の種類や次に述べ
            た′1わ
る一部鎖積金や補助金の多寡に依つてさまぐであろが、最高
十同九十七銀、最低五十三銭、平均ナ園入十六銭であろ.一組
人員即ちl世相についてみれば平均九園入十〓銭であつて、地
方によつてほ一戸酋平均の声紋割よりも帯締のところもあるや
モノである●
                           ′’■レ‥し沖しん
一部負頂といふのは、この制度において思考の滞受診む.破め
且つ苧第の保険料負拇を少しでも軽くするために、患者が悍師
にか1るときに多少の負澹を馬すことをいふのであつて、欝藤
費の三剰程度を徴収するものが多い.その他組合に一封しては国
庫より被保瞼老−人沓年綿にして一囲(初年度及び次年度は一
即、三、四年度は七十銘、五年度以降は五十銘)の補助金を交付
することになつてゐるが、なほ邁府喘、市町村等において組合を
助成してゐるものが相富あるやうである.

    ハ凹)

 支那革欒もいよ′\長期建設の新段階に入つた.いまや国力
          ‥レ たい
を絶動員してこの新事態に封鹿せねばならぬ時である.これが
                 わ1J‘い
ためにほ閥民の健験保持樹進を間り旺盛な精神力と強健な硯
カを浦養し、以て兵力の充足に、稟能率の椅湛に、絆又銃
穐萬般の愉へに、萬潰憾なきを期することは極めて肝要であ
る.この意味において、同氏生汚の安安と閥民惰力の向上を目
                               こ・’けん
ぎす国民機頼保瞼組合が、銃後における開力の特筆に買臥†る
                                           ぜ
ところは少くないものがあるであらう.
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