第四二号(昭一二・八・四)
 郎妨事件以後   陸軍省新聞班
 輸出補償制度の改正       貿 易 局
 支那の抗日団体   外務省情報部
 第七十一回帝国議会に於ける国務大臣の演説
  近衛内閣総理大臣演説
  広田外務大臣演説
  賀屋大蔵大臣演説
 最近公布の法令         内閣官房総務課

 賀 屋 大 蔵 大 臣 演 説
                 †・一・中    ●た
  先般内鰍フ成立に依り不常財政蟹理の盈任に臍るこ
 ととなりまして、故に昭和十二年度浪加瀬算故に財政
 経済に附する方針に付き申述べますることは、私の最
 も光柴とする朗であります.
  *識曾に投出致しました昭和十二年度歳入歳出楓沸
 芥浪加第一眈は、今岡の北立寄件忙関するものであ♪
 まして、歳入歳出共に
                九千六盲人十万飴凹
                                            ▲l■●
■ であります.本事件に閲する経兜と致しましては、典

 町取敢へず陸軍省所管の分に付き第二瀧傭金より−千
 十他方河を支出致したのでありますが、今岡更に
   外秒省所管に放て     七十飴方減
   大耗省抑管に放て    四千八十飴方判
    内北東事件仙弟一報備金  四千方風
   陣軍省節管忙放て     四千六首飴方凰
   海軍省研管に放て     九首十万減
    計           九千六盲人十万飴呵
 を温加瀬弊に計上致した次第であります.是が財瀬と
 致しましては、−部固犀剰験金の繰入に依るものの
 外、大部分は新に北東事件公倍を敢行して之に充つる
 ことと致したのであります.
 伶ほ北支事件に紺する経費と致しましては、朝野組
 督府特別合計に放ても
                二十飴方潮
 を閲碓刺飴金を財瀕として温加瀬算に計上致したので
 あります.
 右総数の外、政府は保健敵曾省設現に潤する絶費、
                     1.くしん
 熟練工箋成施設に紺する経費、金増産促進に閲する
 経費、企葺顔役現に伴ひ要する経費、災審に関する経
 費、外圃魚沓管理法施行に伴ふ経費の増加、圃濠傭
 金の増加等に付きましても、之に閑する姐加報算を本
 山琴曾に繰出致す見込であります.
  現下戦時内外の情勢に僻み、固鶏の池泉む翻るが一環
                     ▲▼んえ,
 には、此際積極的な心棒を以て、諸般の緊要なる施設
 の血耳現に卜野むべきものと信ずるのであります.併しな
 がら是等の施設を賓現するが一馬には、井基礎的手段と
 して有ゆる努力を轟し、我固の経済力を充‡磯廃せし
 め且つ之を柵持して行くことが肝要であると考へるの
                        くわく
 でありまして、緒般の施設のせ現は鎗局右に依り錬
 yレ_9
 充せられたる経済力の範囲に限らる1のであります0
而して右の経済力を充‡発展せしめ且つ之を榔拝する
が為には、日満爾圃を議とする見地紘放ち、生産力
の碗充、園際収支の適合、物資需給の開基の三鮎を主
岨とする折鶴的計婁の具健案を樹立し是が‡規を期す
ることが、此際我同音面の同額として最も急を嬰する
断と考へる次第であります.
 申す進もなく緒般の施設を‡施政し士す為には、故
術労力等を零するととも勿胎ではありまするが、結局
多丑の物資を必要とするのであります.馳て是が放牧
の‡現を期する為には、先づ必要なる物資の供給力の
増加を斬らなければならないのでありまするが、我靖
の規秋忙教て物資供給力の増加を祈るが為には、靖内
生産力を横充すると共に、南際収支と改‡して必平な
る物資の輸入カの特大に努力しなければならないので
あります.而して生産力の耗充は大使、書の鞍に放け
る必宰なる称賛の自給、平時申円に放て供給不足なる
物資の生産堵加、穎際収支故‡に箕すべき物資の生産
 増加の三鮎を目棟として、是が計‡を樹立すべきもの
 と息ふのであります.尤も生産力の横充は、それ自建
 多重の資材と資金とを要するものでありますから、資
 材、資金共に普官ならざる我囲の現状に於ては、南際
 収支との閑係を考慮しますれば、今直ちに絶ての物資
 に捗り漫怨と生産力を碗充するの計壬を進むること
                     †べ小・■
 が出来ないのは明かでありまして、共計‡は頻く‡
の魂鮎及び必要の程度を即妙、供給力を増加すべき
 物資の鍾斬、是が生産力瑞充の程度及び時期等に付
き、十分考究の上兵燈的灯之を樹立することを要する
 ものと考へるのであります.
       小は†
 次に我図外固為替相場の水準を保持致しまナること
 は、絆般の国策を逸行し又国民生活の安立と鰊拝する
 が為に、最も肝要なる併であります.今日の如き我国
囲際収支の状況に放きましては、一帝替相場と自然に放
 雀して竜き士す時は、丼相場が低落の傾向と生じ士
 すのは自鵡の筋合でありまして、若し−婁が
低落致し士すれば、現下の冊山野に放きましては、外]再
貿易上却て不利なる冶兵を†仰すのみなら●て、些円物
撫の熊貴を紹木し、巷相場の低落と笹の絆‡とは
互に困とな妙兵となり美辞と増加し、大衆の負荷忙i

大なる慈影替を輿へ、」琴いては国民経済の秩序ある濯
行を坊げ、圃豪の積め必委なる籍般の計葺も井賓現
         ♯モれ
を阻碍せらる1の惧があるのであります.何ほ仮に
鴇替相場の水準を現在より低位に維持したる場合に付
き考へましても、之に依りまして自然に輸出の増加を
呪縛することも開際洩南開係の現状に於て困難であ
り、又之に依り輸入の減少を期待することも必舘品の
海外依存に侯つこと多き戦闘として、是亦困瓢であり
ますのみならず、却て海外沸の魚冶を克誅せしむる等
我固に不利なる結果を招来するものと息ふのでありま
す.之を以て為替相場の現在の水準は之を堅持するこ
 とが必要でありまして、是が名には出来得る限りの努
力を致すべきぺのと信ずるのであります.而して今後
 我が国内生産力の城充せらる1迄の過渡期に於きまし
 ては、相常多丑の物資を海外より輸入するの飴俵なき
 傾向に在りと認められますので、我が焦替相場の水準
 を舵挿しっ1、而も必要なる物資を山水得る限り多盈
                    しん−−・’
 に輸入するが馬には、貿易の振興共他聞際収支改者の
 食め、積極的の施設を詩ずることが緊妥と信ずるので
 あります.併ながら同時に不急不要なる物資の輸入
 井他節約し得べき封外交沸は出来得る限り之を抑制し

 て、共飴カを同家的に必要なる使途に振向くることに・
 付ても、十分努力すべきものと考へるのであります.
 次に物資の渦費は共国内生産力及び海外よりの輸入
 力を限度とするものでありますから、丼需要を右の隈
           てう†い
 虔に適合せしむるやう羽生するにあらぎれば、勢ひ物
                ●ん小▲フ
 偶の昂騰を招来し、圃際収支は均衡を失ひ、延いては
           ▲「、−
 各種の計書の賓行に郁騎を生ぜしむるのみならず「国
 民生活を不安に陥る1こととなりますので、竣め物資
      拍小
 の帝給を量り共適合の方策を詩ずるの必要があるので
 あります.而して是が方策も其根本は生産力の横充、
 旅入力の増加等、積梯的に供給を増加することに重鮎
 を置くべきものでありまするが、必要なる方面に必
 要なる物資が出来得る限り多量に供給せらるゝやう、
 不急なる方面又は必要の程度蒋き方面に於ける消費
 の節約、代用品の使用等に付きましても考慮するの委
・あるものと考ふるのであります.
 以上申述べました生産力の棟充、圃際収支の適合、
 物資需給の調整に付き結合的なる具慣的計書を樹立致
 しますることは政府及び民間を通ずる圃家の仝経済活
 動に計書性を輿ふるものでありまして、政府の財政も
 亦是との閲聯を十分考ふべきものと信ずるのでありま

 す.而して政府は今日の場合右の綜合的計蚕を確立す
 ることが最も必要と信じまするが故に、山来待る眠り
 の努力を以て是が達成を期することとし、目下折角H施
 が具照実の考究を進めつ1ある次第であります.今後
 政府の礁算も、物資の需給の調和を保ち得る範閣内に
 放て自ら定まる虚があるのでありますから、政府は今
 後出来得る限り生産力の碗充、国際収支の改普を嘲
 り、経済力の充官敬庚に努力して共限度の増大に努む
 ると共に、政府の滑費する物資の需給故に一般民間の
 滑替へする物資の裔給の調衣に付き、最尊を姦して之に
 常ることと致したいのであります.
  山河ほ右結合的計婁の賓現に付きましては、岡民一致
 の理解と協力とを必要と致すのであります.右計賽の
 †施忙付き圃民各自の経済活動の分野に属する部分に
             しよ’・
 簿ては、是が賓行の衝に常る図民の自主的活動に侯つ
 て初めて、十一分なる教典を畢げ得るものと信ずるので
 ありまして、政府の一方的報制のみを以て克くする能
 はぎる節であります.随て今後是等に付き法規の制盤
 を一馬す場合がありましても、同氏の大多数が進んで之
 に相席するの意思なくんば、共企囲する析の鹿の目的
 を‥守成†ることは困難なのでありまして、政府と致し

 ましては切に南民全般の協力を希望する次第でありま
 す.
  次に浦洲囲に於ける生産力、国際収支故に物資の需
 給は我国の経済に極めて密接なる閑係を有するもので
 ありますから、前述の具照的計蚕に付きましては、満
 洲圃を我国と一倍とする見地に立ち、綜合的に之を樹
 立し且つ急行致すべきものと考ふるのでありまして、
 今後必宰に應じまして浦洲囲とも硫接なる連絡を保つ・
 て参りたいと思ひます.      わき
  次に我囲の金融界は、最近産業資金の需要が旺盛と
 なりましたので、株式の沸込金故に銀行貸刑金等は著
 しく増加致したのであります..今後に放ても資金の需
 要は伺ほ多額忙上るものと頚想せられますが、之に対
 しては資金の融迅を卸滑ならしめ、叉金利も成べく
 低位に保つ必委がありますので、政府は資金が有用な
 らざる方南に無益に使用せらる1ことなく、圃家的に
 最も能率高く活用せらる1やう、通常なる方策を法町
 じ、丼他金融情勢の推移に應じ青虚数したい考であり
 ます.過般日本銀行は国債梅保割引利率を引下ぐると
 共に、固家的見地よりして緊委なる事業に関する社債
 を保証とする手形割引忙付き新なる蓬用方針七決定致

 したのでありまするが、右は公債政策上よりするも、
 亦一般金融上よりするも、.時宜に適せるものと考ふる
 のであります.
 次に長浜金の偶格は世界的に搬貴致して居るのであ
          だくわん
 りま†るが、現夜食淡銀行券の準備となつて居りま
 する金の許僻忙付きましては、貨幣法の規定に基き純
 金七首五十「ミサグ’ム」を一回として居ります薦め、
                    ヽ●’
 相常多術の金時僻を北開は推して居るのであトまする
 にも拘らず、共幣情を髭示せぎる雄ひがあるのであり
 ます.併ながら現耗紫仙耶法を改正し、所謂や僻の切下
 を行ひますことは、未だ何ほ共時期でないと考へられ
            ■々 ▲▼
 まするので、此際の補償と致しましては、日本銀行の
 金坤僻充常僻格に付てl願の改兜を行ふを通常と考へ
 るのであります.而して之に伴ひまして生ずべき許伎
 鉱埠に依り特別の資金を設忠し、主として名替資金の
 調教の食め使用致したいと考へるのであります.尤も
 R*銀行金準備充常慣格の改定を賓行数しましても、
 政府は之に依り現在の禽替水準を毒も仙彗更する意思は
 ないのでありまして、依然封英l志二片の水準を堅持
 する方針であります.何ほ右の改定と牌聯して朝鮮銀
 行及び基渦銀行の銀行券の仕沸準備となつて居ります
 る食も此際之を日*銀行に集中し、馳て嘉湾銀行の右
 仕沸準備は日本銀行の食換銀行券を以て之に充て得る
 ととと点すを邁常と考へるのであります.叉朝鮮、
 嘉増南銀行に付きましては、井銀行券の保詑脅行の
 限度は大正七年に改定せられた健でありまして、経済
界の現状に叔み低きに過Lるものと認められますの
 で、今岡井隈鹿む瑞張致したいと考へます.此等の籍
 軒に付きましては本態丁曾に之に粥する法律案を捷的す
 るせ仰定であります.
 我国の外国貿易は本年上申期忙放て、内地及び外地
 を合せまして、輸出十六億二官飴方肺、職人二十二億
 四千三首飴方喝、合計三十八億四千五官傲万潮の互額
 に達し、前年同期に此し輸出三億三千入首飴方潮、輸
 入六億六千四首飴万山興、合計十億二宮飴万減の増加を
 示したのでありまするが、稔入の増加が殊に群著であ
・りました結典、輸入組過額は六億四千万態万固とな
 り、汝年井例を見ぎる多感となつたのであります.而
 して右の如き貿易の逆嗣は同乗の盤行に必婁なる物資
 を多丑叱要しまする我固の現状に放きましては、或る
 程度已むを」得ぎる朗と認められまするし、叉一等替相場
 の水準を鰊拝する関係もありまして、政府は本年三月

 以降金の硯迭を行ひ、在外資金の柄充に努めて・参つた
 次第であります.併ながら前途の確たる見透しなく金
 の税政を栂積数しますることは、共規途可能丑の極度
 に蛙しましたる場合、我図の経済に急激なる変化を輿
 へることとなりますので、政府と致しましては、前忙中
 速べました固際収支の故事に付き各種の方策を縛じ共
 通合を蹄り「今後に放ける金の硯迭丑は大憮毎年の新
 残金の限度内に止めたき考であります.而して政府は
 川襲得る限り我閲の蕗金を増加し且つ之を集中する一環
 め、本鵠曾に鹿金に帥する津律案を繰出致す積りであ
 ります.倫ほ一事替管理に付きましても本年七月末日を
以て数カを失ふこととなつて居りました旅人名替管理
 に抑する大著H令を、八月以降も引続き常分の間施行
 することと致し、又裔替の自由取引の範開等に付き若
 干の改正を加へた次第であります.
 我固の物便は昨年十二月の頃より急激に鴇費致して
 居るのでありまして、特に生産資材乃至固際商品の債
 格に放て、共傾向が著しいのであります.而して是が原
閑を探究致しまナる此、同際的原因に基く場合も多い
 のでありまするが、他面固内に原因が存することも少
 くないと息はれるのでありまして、今後愈、物慣騰・費

 の趨勢が激成せられまするならば、財政、産農、貿易、
 園民生活各方面に著しき惑影山響を輿ふるに至ることも
 頬想せられますので、…望外得る眠り物債騰費を抑制す
 る食め適切なる封策を辞ずる婆ありと考へるのであ少
                          川−小
 まして、政府は是が食め臨時物情封策委員曾に諮久
 日下是が鼻碍案を考究しっ1ある次第であります.
  典に第七十岡帝国熊曾に繰出して協賛を符ました臨
 時租税増徴法外四件の法律は去る四月より官報せられ.r
 て居るのでありまするが、政府は何ほ中央及び地方を
 憩ずる佐久的の税制を樹立する考であります.而して
 租税制度の如何は財政、産兼其他飼民生清の全般に影
 辞する斯極めて大なるものがありまして、是が立案に
 常り快重なる調査を要しますることは申すまでもない
 斯でありますので、政府に於きましては、庫く各方面
 の意見を聴き、国民の負措及び経済界の賓情に適した
 農薬を待たいと考へまして、官民より成る程制調査
 曾を乾け、快重に是が調査を進めたいと考へて居る次
 ▲罪であります.
 関税に付きましては、粛七十同帝開講曾檻放て審識
 未了となりました関税率の改正は、多くは緊急差措き
 斯きものであ少まするので、大健前払曾に捷Zせられ

 ましたものと同様の改正虜を本談合に鴇出することに
致しました.何ほ餓に付せましては、井の債格が著し
 く略☆し、圃防上故に産共政策上の見地より緊急封兼
 を綿ずるの婆あるものとして、去る四月公布の緊急勅
 令に依り約一年間共輸入税を免除せらる1こととなつ
 たのでありまするが、餓の輸入税の免除は昭和十四年
 六月まで之を行ふ必斐がありまするので、本譲合に之
 に関する法律案を掟山することと致したのでありま
 す・更に昭和七年法律第四故に依り三割五分附加税の
 適川を受けて居りまする物=仰の中、特に図民生活又は
 蕗黎に盈要なる帥係を有する砂喝鋼共他の物品に付
 きましては、物偶の調亜に資する等の食め、三割五分
 附加税の遽州を除外するを通常と認めましたので、右
 に関する法律案を本鶏曾に捉出することと致しまし
 た.関税の一般改正に閑しましては、今後の情勢に封
 厳し、篤と研究致したいと考へて居る次第でありま
 す.
 何ほ今岡の北支事件勃凌後に放ける我図経済界の情
 勢を軋まするに、之に依り多少の影響を禁つた方南も

 ないではないのでありまするが、一般に冷静なる態度
 を失ふことなく、概ね平穏裡に推移して参つたのであ
 ります.政府は今岡の事件教生以来各方面に封し事件
 の虞相奴に政府の虞窓を伴へて拳固一致の支援を求
 め、経済界に対しては特に惧或に肴廃せられんことを
 煎望致したのでありまするが、前述の如く経済界が平
 穏なる状況を持績して参りましたのは、右の協力が如
                             ●●こと
 ‡に示されたものと考へるのでありまして、.拘に心
 強く感ずる次第であります.政府と致しましては、今
 後共一屠閲民の自重と協力とを求め、情勢の推移に臆
 じ必妥なる槽故を執つて参る積りであります.佃ほ斯
 る場合に於ては動もすれば何人の利金本位の立場より
                    と,●♯もわく
 商品、株式、公使、為替等に封する過常なる投棲息惑
 が行はれ膠ちでありまするが、斯の如きことは閑寂有
 事の今日に於て経済界の秩序を寮り各方面に至大の慈
.影響を輿へまするので、舵に之を城むることと致した
 いと考へるのであります.
 経りに臨み政府提出の磯算案に付きましては何卒速
 忙協賛を輿へられんことを希望致す次第であります.