政治家 贅は翼徳風好し。 関は大なるぺし、 生を用ゐるぺし、 下宿住居にても苦しからざれども、若し借宅せば、玄 壁は少々破れてもよし。取次は兵兄帝、垢染みたる書 尤も無作法者にて構はず。外出には二人引の腕車に乗 り、節太のステツキ一本備ふぺし。人物許は罵晋に限るべく、時務策は 外交恰好なり。居問に火車を姻すと、首を廻さぬとは、其人の嗜好に任 す。 (明治二十四年十月十九日「亜細亜」第一七競)