博士になる法
三四年、外園に徒くぺし、革ぶと遊ぶとは心のま1なり、己むなくば往
たつもり丈にても通るなり。外囲語にて書を著はすぺし、資際は人に助
筆さる1こと尤も妙なり。書中の趣旨は、成るぺく大勢にか1ることが
ょし。細密の事は専門家にトツチメらる1恐あり、且つ官民薫汲に晶負
あるやう見えては、敵を速ぎ易し。辟朝の後、濁り演説など、息ひ切て
宜加滅なことやるべし、方々へ平等にあたりちらせば、是といふ方策な
くとも、蒋衆の挽服すること必定なり。かくすれば成上り伯欝などに知
ノ
遇を得て、天晴官世の名士と立てらるべし。然る後色々な事に手を出し
て、借金をこしらへて困むと香とは、其人の技傾次第たるぺし。
(明治二十四年十月十九日「亜細亜」第一七競)