大業を成すには一大決心を要す
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吾輩は近時勃興したる封政府的反抗運動を以て開園進取の国是を翼賛し、
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到外立国の基礎を定立せんとする国民的大動作たることを確信す、而し
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て此圃是を翼賛し此の基礎を定立するが為めには、内に向ひては責任内
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閣の創立を要し、外に封しては濁立主権の態揮を要す是れ賓に現代国民
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に取りて一大事業なりと謂はざる可からす、即ち是れ我近世史上に焙烙
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す可き第二維新の畢なりと謂はさる可からす。
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眈に是れ第二の維潮を金歯したる一大事業なり、然れは之を成就する上
芯於て多少の難難を冒さ1る可からさるや固より言を待たさるなり、此
際た国民就中国士の第一維新の事業を同想せんことを欲す、抑ミ第一の
維新たるや、其目的は遠大峡廓にして、内治の改善に止まらさりしや言
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を待たすと錐も、其重たる事業は則ち政権統一に在りしや尿ふ可からす、
而して其政権統一の方法如何と顧みれは、暫らく覇府に御委任ありし政
樺を皇室に奉通せしむといふに週きさりしのみ即ち此撃たる釘釘封掛
にして一異議の其間に挿入せらる1を容さゞるものなり、而して幕府は
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如何に之に抗拒したる、積重の威望と執権の勢力とを以て、百方之が排
斥に腐心し、勤王の士即ち革新薫を捕へて或は之を固固に投し、或は之
を絶島に親し、或は之を断頭場に迭り、或は之を銃火に砕きしこと前後
其幾百名なるを知らず、犬れ名正事順なる第一の維新に於て吾人は既に
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級の如き難難を冒すの己むを得ざりしを貰験せり然れば如今吾人の企望
する第二の維新は、如何に理義公明なるも、時の権勢に抗して之を成功
するに至るまでには亦多少の難錐を覚悟せざるを得んや。
尉ぶ心押掛l軒紺野鮮酢卸針∧蒜ザh宗鮮がl督針酔a新が慧が
僚抑で肘都付lが緻都貯h弊肘掛h貯lぼ弊璧掛か野苧暫折
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的精神菊塊は一難を躍る毎に百倍し来る、故に能く其素望を成せり、然
抑ぼ紆中郷が肝が射コか軒新教かが都か射肘対掛かか軒a軒が研が〃
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や。
此際我国民たる者は我未来の国運の為めに古今の世局を通観せんことを
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要す、夫の『勝者は腐敗す』といふ格言はジャタソン賭軍に由りて北米
の新大陸に於て道破せられ、其の眞理は欧洲の番犬陸にて澄明せらる是
れ濁り欧洲の一大陸に於いて澄明せらる1のみならず速く極東の一帝図
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に於ても亦明徹せらる1所なり、彼の平氏は一の勝者に非ずや、雨して
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彼の京師に操るや二十年の朱筆は早く腐敗を救はず、而して彼は語源の
勃起するに官り、英領重の権力を以て能く頼政を宇治に滅し、叉一たび
頼朝を石橋に困めたり、彼れ一たび此歴伏を加へて其地位は如何の場合
に達せしや、具眼の史家は皆以て彼の衰滅を此の度伏の前後に辟するに
非ずや。
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大の徳川氏に硯るも亦漁り、同しく是れ昔年の勝者には非ずや、而しで
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彼が十飴代の盈満は其腐敗を極鮎に達せしめ、積重の威望と権力とは能
く一時志士の口舌を故制し、反抗を歴伏し、雄藩長州を再征して其恭順
を嵐得したりしにも係はらず、其廃倒は此牧制度伏の常時に胚胎せし
は、今日人々の疑はざる所に非らずや、是に由りて観察し来れば今の
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世局を如何となす、新聞に封する態行停止の頻用は善く国民言論の自由
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を検束せらる、集合に対する警官臨場の周到は善く国民集合の自由を槍
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束せらる、議合に対する停合解散の頻行も亦書く藩閥の運命を延長せら
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る、両して是に由りて政府は鎮魔の目的を達し得たるや香や、政府は
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地位の輩固を保ち得たるや香や、吾輩の知らざる所なり、古に云ふ強
琴の未魯網を穿たずと、強驚の未すら且つ然り、若し窮琴の未たらば如
何、三尺の童兄も撫して之を飲むるを得ぺし、今の時琴カの強弱果して
如何、達識なる国士は善く此間の状勢を達観し、一大決心以て肺に来ら
んとする多少の難難に打克つ可し、彼の最後の教驚、又何ほどの事やあ
らん。
(明治二十七年五月十三日「日本」)