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 婦人団体の新発足
      厚生大臣 金 光 庸 夫

 この度、婦人団体統合に関する政府の方針が決定いたしましたので、
その大網について御話申し上げます。
 婦人団体については、従来からその統合が切実に要望せられて居り
ましたが、この問題は、団体相互の間で解決する事が最も適当である
と考へて居つたのであります。然し現下の時局は、一刻も速かに国内
新体制を確立する必要に迫られて居る折柄でもありますので、政府に
於ても、前々から鋭意之が具体的方策について研究中のところ、この
程各省間の意見が一致いたしまして、去る十日の閣議に於て之が統合
の方針が決定されたのであります。統合と申しましても、単に既存の、
愛国、国防、聯合の三婦人団体を一本にすると言ふだけでなく、全く
新しい別個の婦人団体を結成して、婦人界に新体制を齎らさうと考へ
たのであります。この新婦人団体が結成されました暁には、差当り愛
国、国防、聯合の三団体は之を解消して、この新団体に統合し、其の
他の婦人団体も、一般婦人を対象とする団体は、逐次之に統合するこ
とに致したのであります。
 新団体の目的といたしまする所は、婦人をして、物心両面に亙り家
庭婦人としての修練を遂げしむるにあるのでありまして、吾国伝統の
婦道に徹し、身を修め、家を斉へ、進んでは国家社会に貢献し、日本
国民の半数を占める婦人が、如何に時局が永びいても、台所からは絶
対に悲鳴をあげないだけの、心構へと諸般の準備を整へしむるにある
のであります。一口に修養と申しますが、この修養は、不断の生活実
践を通じての修養であらねばならぬのであります。従つて、新団体に
於いては、婦徳の修練、家庭生活の非常準備の確立子女の養育、家族
の保健其の他家庭生活の整備、家庭教育の振興、国防訓練、軍人援護、
隣保相扶等の事業を行ふこととなるのであります。
 新団体は、年齢満二十歳以上の日本婦人の全員をもつて組織するの
でありまして、日本内地は固より、朝鮮、台湾、樺太、南洋群島をも、
その組織範囲といたします。そして、畏れ多いことで御座いますが、
若しお許しを得ますならば、皇族を総裁に奉戴いたしたいと考へてゐ
るのであります。
 この団体は、内地に於いては、東京に中央本部を置き、各府県に地
方本部を、郡及び大都市に支部を、其の他の市町村に分会を設ける事
にいたしました。外地に於いては、夫々朝鮮本部・台湾本部・樺太本
部、南洋群島本部を置きまして、それ以下の下部組織は、概ね内地の
組織に準じてつくる事ヰにいたしたのであります。
 新団体の活動の単位となりますものは分会でありまして、支部、地
方本部、中央本部は、これ等分会の指導統制に当ることになるのであ
ります、従つて、中央地方の本、支、部は
、施設を件ふ事業は行はな
い事にいたしたのであります。分会の行ひます事業の範囲も、奉仕の
趣旨に副ひ且つ該当分会の経費の範囲内に於いて行はしめる事にした
のであります。即ち単に経費を出して事業を経営してゐると言ふだけ
で、会員自身汗を流す事のないやうな事業は、之を認めない方針をと
つたのであります。従つてこの団体では寄附金の募集は致させません
し、会費も、極めて少額に止めることにいたしたのであります。
 大要以上の通りでありますが、政府の定めましたのは極めて大綱に
止まるのでありまして、これを具体的に実現致します暁には、今後尚
研究すべき事項が多々存すると考へるのでありますが、これ等の点は、
婦人自らの手で解決して、新団体を結成して頂き度いと存ずるのであ
ります。仍て今後は、各関係団体の代表者や一般有識婦人をもつて「新
婦人団体結成準備委員会」を作り、大政翼賛会からも之に加はり、大
政翼賛会が斡旋役となつて、同準備委員会で、真に婦人の要望に即し
た新団体結成の運びをする事となつたのであります。
 時局下帰人のなすべき任務は、其の分野も広くなり、重要性も益々
加はつて来た事は、今更申上げる迄もない処であります。未曾有の時
局に際会して、今や全国民挙つて奉公の至誠を捧げねばならぬの秋、
興亜大業の完遂は実に婦人内助の功に俟たねばならぬのであります。
此の際こそ、全国婦人が一丸となつて、時艱克服に当つて頂きたいの
であります。
 かうした国家の要望によつて、日本婦人の凡てが、一心一億、それ
ぞれの職域に御奉公申上げる機構が軈て出来る訳でありまして、この
新なる発足に当り、婦人諸子が、一層の熱意と努力を傾けて、婦人自
らの手で新団体をもり育てる様、全国婦人の奮起を望んでやまない次
第であります。  

                              (六月十三日放送)