注目を惹いたソ聯外相の演説 062-10

 ソヴィエト聯邦のモロトフ外相が、五月三十一日第
三次最高会議で、外交演説を行つたことは周知の通り
であるが、このモロトフ外相の外交演説は、各国の非常
な注目を惹いてゐるので、今回はモロトフ外相の外交
演説を中心に、果してソヴィエト聯邦は、イギりスに対し
てどういふ考へを抱いてゐるか、又ドイツやイタリアに
対する態度はどうであるか、之等の点について述べて
見よう。
 モロトフ外相の第三次最高会議(我国で首へば議会に当るもので
ある)に於ける外交演説は、イギサスとソヴイエト聯邦の間に、
ドイツ包囲を目指す英ソ交渉が続けられてゐる折柄、特に各国
の注目の的となつてゐた。
 モロトフ外相は英ソ交渉については、先づ昨年九月の、ミユ
ソヘソ協定常時から詮きおこし、イギりス、フランス専の民主
主義財の那粥政策の結窄今日の事態に立ち至つたことと準へ
『代主主箆棒は却つてドイツ・イタワアの舵満と、他の方向に
向詣ようとするものであるかも知れないから、芳墨す』
と指摘した・そしでだゾゲイ∵聯邦は、窮忙董こまれ
ないやうに、注意する事が必要であると言つて、英ソ交渉忙就
                   一こ缶
てソゲイエー聯邦が、争樹上速の様な警戒▲笠息つてゐない事を
示し.英ソ交渉に馳する、ゾグイエト聯邦の托解を明かにした0
 然しソゲイエト聯邦は現在何、英ソ交渉に紺し、脛格な相互
援助ホ轟によらなければならないことを主張し、え.ハルチック
滑繹諸拘のラトゲイア、エストこlア、リトアニアの三嫡に封し
て、イギサスとフランスが、安全保停を輿へなければ、ソゲイエ
ト聯邦は中部ヨーPツ.ハと兎部ヲーPツ.ハに封する傑梓を引受
けかねると官つてゐるが、之等のことは英ソ交渉の前途に、未
だ粁和が飴地があることを示してゐるものである・イギyスー
フランスでも英ソ交渉の繍途については、紫概胡な考へ方をし
てゐる模様である.
 次にモPトフ外杓は、ドイツやイクワアに紺しては炎のやう
に述べてゐる¢つまりゾゲイエー聯邦は、、イギサスやフラ・yス
と交渉を柑けてゐても、ドイツやイタリアと油格闘係を桝射す
る必要はないと言つ℃ゐる。このことはソヴイエト聯邦が、ド
           し け>
イツやイタリアを、飴り刺収しないやうにしてゐることを規は
してゐるのであるが、同時にイギリスのチエン.ハレソ首相も、
これと同じ意味のこと牢.さきに譲合で述べてゐるのであつて、
イギりスもソゲイエト聯邦も兆に、英ソ交渉がドイツに及ぼす
はん■や・)
床山琴を、
椚氷る丈少くしようとしてゐることが山欝れる0
更にこれとは別の問題であるが、キロトフ外相はフィンラン
ドのオーランド鳥問題について、フィンランドがスエーヂンと
琴つて従来非拭妓地帯となつてゐたオーランド群鳥の武装に、
着手したことに封して、鮎弧が反対の態度を示した0オーラン
                             やく
下群鳥は一つの群鳥に過ぎないが、フィンランド潜の入口を批
し、赤色海軍の故大根櫨地である、ソヴイエー聯邦のクロソシ
ユクツトの軍港を柳へる地位にあり、賓に.ハルチック梅を刺す
     え・1し▲、フ
る軍事上の要得である。従つてソヴイエー聯邦は、このオーラ
ンド島の武装に鮎献が反封の態度を示したのである。
      =========◇…=…=・===・
 頼いてモPトフ外相は、日ソ関係にふれ、漁共闘題に関する
日ソ協定は、多大の政治的意義を持つものであると述べてゐ
るQそして外蒙古図境の靴弼に関しては、ソヴイエト聯邦は外
蒙盲と、相互扶助條約を結んでゐると述べたが、国境紛争白檀
        ふ
については、何等慣れてゐない。
 以上でモロトフ外相の外交演説について、あらましを述べた
が、問超の英ソ交渉に関しては、ソグイエー政噂は、六月二日
イギヮス、フランス共同実に封する正式回答を、イギりス、フ
ランス朗同大使に手渡したと報ぜられる。之によれば、ソゲイ
                  し●し
エト政府はモローフ外相の外交演説の趣旨をくりかへし、イギ
りス、フランスの粥固がフィンランド、ラトゲイア、エストニ
                        ■や亨■lプ
アの三周に、安全保障を揖大することについても、強調すると
ころがあつたと倖へられる。
 上述の様に、キロトフ外相は五月三十一日の外交流浪に於て、
・ハルチック滑梓諸摘に封し英、俳が安全保障を輿へるようゼ主
                      仏ん■サブ
張したが、このことは.ハルチック沿岸諸掲に非常な反響を及ぼ
し、・ハルチック諸圃は保障は批鮒だといふ態度を示してゐる。
 かやうに英ソ交渉は貯尉剛弼を経てゐるが、この交渉を何と
 l←一                              lもちん
か速め上げたいといふ束縛は、イギリス、フランス例は勿論、
                         せ,L■▲一つ
ソゲイエト聯邦の方にもあるのであつて、析衛の故地は残され
                     ′ヽ
てゐるが、双方に意見の沌ひ速ひがあり、数多の困難な凋薙が
                     † lん 、■ 亨’
横はつてゐるのであつて∵その前途には瑞相酋の波瀾が漁想さ
れてゐる.            (六月三日放送)