五三日本人の自然美観文学博士芳賀矢一

 気候は温和である、山川は秀麗である。花紅葉四季折々の風景は実に美しい。かういふ国土の住民が現生活に執着するのは自然である。四囲の風光の客観的に我等の前に横たはるものは、総て笑つてゐる中に、住民が独り笑はずには居られぬ。さればまた現世を愛し、人生、生活を楽しむ国民が、天地、山川を愛し、自然にあこがれるのも当然である。

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