六、結 語
人が行政的闘争全体を観察する時は、特に不快な方面が典型的標準として目立つ。行政的闘争は殆んど常に一方的に攻撃者に依り遂行されるが、被攻撃者は民族的良心と世界良心に訴へる他に施す可き術はない。此の現象の原因は、実際的防禦は大抵国家に抵触することゝなる為に此の上なく困難な結果を生ずるに至ると云ふ事である。併し民族と国家との間の関係に一の倫理的原理が存するならば、国家の正当な生活主張が主権を傘に着て少数民族に対する底止する所なき恣意的行政に成つて了はぬ様に要求される可きであらう。正しく且心理学的に巧妙に人々の責任感に愬へることは今尚、全く根拠なき殲滅意志よりも多くの利益を招来するものである。