五、行政的闘争に於ける首都の位置

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 行政戦略の特別なる一章を成すものは、最広義に於ける、従つて地方的行政寸心地の位
澄選濁をも含む首都の位置選揮の問題であ告それ性行政戦略的考察に於て廣汎な揚所を
占める0行政の中心鮎は勢力中心即ち政治力の中枢及び放射中心として、国土の統一、国
家生活に於打e外的及び内的勢力の作用−国家を形成してゐる本来の民族に非る少数民族
並びにその他の団民分旺饅の役割と政治的地位等にとサて決定的重要性を有する′。J且地方
   、
の行政中心は勿論のこと、図家の首都の強制的な攣吏や自賛帆な欒吏、都市Z新姪設及び
一時的の移動は、非常に廣よ行はれ重く政治的な通例であるから、此の問題は閑寂相互聞
及び国家と民族との問に於ける園率に於て常に繰返し取扱はれる。
 行政戦略的観念は首都の位置選捲に箇力六つの可能性を考慮に入れる。即ち俸統の位置

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・行政政策的な中心鮎の位置
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国防政策的に安全な位置
人口政策的な蟄畢鮎の位欝丁壌∴†【臣
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感耶政策軋な聞郵灯苧、息衝的な国境位置を中心とし七棒誉れる・速軋札調
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丈しか顧慮せぬ位置避揮は、極めて幼稚な解決であらう.それ故に常に多数の契横が協働
して慮り−此の六.つの可能性が充分町願慮されゝばされる程−其の虞置は其の政治的作用
                                                        ヽ
                               ′
に於て一層最香である.
 偉統の位薗は、行政の中心地を新に選攫するに骨り一の都市或は→の場潮の古い政治的
倦承を宣俸的に強調しそれを商家理念の基調にし心理的に民族の心底に刻み付けんとする
意囲に依り決定され、若しくは古い俸承を破る政治的事件が揚所選揮に影響したり又は快
如せる国家意識の結晶鮎(植民地の姉妹固に往々見られる例である)が出奔て来るにして
       −
も、一の新しい俸統を饅系的に作渇んとする意固に由り決定される.印度の政府所在地が
†九二年カルカ”タからヂリーに適され、可二八七】斡伊太利の政府所准地がフロレン
ズから羅馬に移されたのは、盲い俸統の再喚起と政治的結賓に相應したのである。一の新
しい国家理念を象徴する行為は、一九二三年のイスタンプールからアンカラへの遷都、一
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八六九年の京都から東京への集都、一九三三年の奉天から新京への遷都、一九一三年のカ

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ンペラの新設である。固家内の凡ゆる部分へ出蘇る丈同じ様な距離にある様に行政の中心
                                     も、
位造を設けんとする努力が、アンカラと新京の選揮の揚合にも、一九一八年のレーニング
ラードからモづ−への遷都の場合にも、プラジ芸首都リオ・デ・ヂヤネイ芸ゴヤツ
州の首都礫定地へ顔す合憲法的準備の堤合にも為された。愛称(一九二八年北京」南京)、
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・土耳右、ン聯、ソゲイエヅトウクライナハ一九二四年キエフーカルカオ)の首都を危険な
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固境地背から中心地背へ移した場合には圃防政策的考慮が沸はれてゐたが、デリー、南京
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カンペラーモスコーの選棒に於ては人口政策的重要鮮の位置の見地からも大いに考慮され
た0最後に、一九三四年ウクライナの行政中心地をカルカウからキエフへ移し属した事と
lニージーランドの方に面してゐる地鮎たるカン■ペラを選んだ事は、国境を越えた埠域に
                                  ノ
宜俸的心理的作用を及ぼさんとする為に1前者の場合ではポーランド、ルーマニヤ、チー
チツコスロヴァキヤに封七、後者の歩合では濠洲聯邦に合併する様に刺戟されたる隣接せ
       、
る三−ジーランド自治領に対する−意識的に選ばれたる固境位置の事例である。それ
故に最近キエ」を選んだ事は由時に民族政治的闘争位層の成兵であつて、それは多数の言
                                                                              /

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寄が著れて、ゐ草地方に於て他の音譜を語る住民が多数住んでゐる大きな都市を何等儲
慮せすに地方的行政官靡の所在地として出来る丈多くのチェサコ人の居住せる地を選定す
るチェヅコの方法に似てゐるの
 首都の位置選揮の全貌は愛には只概括的に述べるに止める。最近フリードリヒ・メッツ
の著書「首都」(伯林一九三〇年)に於て理論的に取扱はれてゐるのは、僅少の行政戦略的
問題の一である.
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