七、思想戦の戦術

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  親由の制度と狗自の戦略を作わ出す迄に蟄足した政治的勢力蚤現の形式が、乳濁特の戦
 衛を有するのは勿論のことである。戦術は思想政策に於て決定的役割を演する。それは改
 代の箪串的戦術の如く廣汎な猫自の行動能力と瀧断能力上を要求する。就中」「併人の自ら
                               l
 行ふ宣偉」(pの岩0邑propや苛已息は個々人の巧妙さとイ1;ヤチーヴに戯存し、人別
                                                                           \
 心理の深い知識と非理論的弾力性に依存する。度々引合ひに出される勘が、そこでは璃特
 わ紡動領域を有する。
                                                、
  戦術的見地から見れぼ思想職には種々の方法がある。戦術の席弊と強さに依り一聯の榊
 鹿瑞の虚奄が生する。最も盈嬰なのは潜鹿的方添と舶在的方法との製革である。単なる態
季パZ{厳、α軋離水じ蠍批難断熱か掛称柑轡叫浄租舛塞球磯儀′い瑚憾疎密掛ハ囲家や良好〕〆
                             L
 l雅川を及ぼし得る。英固海軍の存在すると云ふこと丈で、その中に潜在してゐるカが来る
 可凄街衆の防止に十分であると云ふ、英国の現在地小てゐる意見は、潜在的精神要素を常
 七にしてゐることに基く。消極的方法は潜在的方法と鞘緑園係に在る。此の方法は老子の
 「無為の数改」に最も強く具現してゐるが、回数と対立し冬ギリスト数合の倦造戦術に灯
 それと共鳴する研が多く、それは叉英国の思想政策の方法をも色付けたのは疑無き所であ
 る。此の老子の数訟は西洋/の精紳に絶封的に封立する。それは魂今欧米の影響及びポルシ
 エグイズムに対する東亜の本能的防契の基礎である。自己の椅紳の猶自的存在及び恒常性
 に対する信碩は凡ゆる地図の影堵を防禦するものであらねぼな鴨ぬが、日満王道主義邁勤
 の踵念の中にも見られる智畢的根本態度漑他国にも魅力的に作用するパ消極的思想政麗と
 銑(封立するは積極的思想政策の最も償い形態たる煽動領法である。本質的相違は行為を
 盈祓する発闘の使命観「デモクラシーの為に世界を安全にする」と宅子の「自遜の生活」
  との南極瑞に於て最も償く感ぜられるであらう。

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  ▲「大開は下流なり、天下の交なり。天下の牝なり。牝は常に辞を以て痕に勝ち、静を以
 そ下るを為す。故に大国以て小国に下れば、即ち小周を取り、小国以て大開條下れば、
 如ち大開に取らる。故∬或は下つて以て取り、或は下つて而して放らる。大国は人を粂
 ね蓄はんL欲するに過ぎす、小国は入りて人に事へんと欲するに過ぎすト夫れ両者各々
 其の欲する所を得い故に大なる者は宜しく↑るを学べし¢」芸事・大著下肇第六。
                                   ヽ          ヽ
 ・十一)

  此の雨樋瑞の中間を行くものは英国の使命宣俸である。英国は、紳に選ぼれた民族なる
                             ・′
 こと人世界外敬に於ける英圃のせ界使命に▼ついて宣俸し、英樹は猫逸に依り襲撃されたも
 のとし、紳の圃を人類に斎す為に文化の防備督と云ふ竜い任務を引受竹たものであると立
 像した。             ノ
 次に恒久的宜俸方法と暫定的宜俸方法とがある。償久性の原則の上には、支那哲拳の椴
        ■
砥灯見出され訂様に、主として受動的椅紳や作用が依存tて為る。それは、術励泊潅なる
 存在の不変的作用の有する如き強さを常に有し得るものでないと云ふ熟慮から出頚する。
一≡反之、掛久的の動的椅軋影響の古典的範例はがトト仇き卦身丈旬「とにかく余はカ\ルタゴ
 は破壊さるべきものと思ふ」(C蔓u日壱OCgSgC呈訂由iロ賀gニ已袖已旦
 である。それは絶境期間の長さに反比例して刺戯作用は流すると云ふ融合挙的並びに心理
 畢的理論に矛盾するものであるが、要求反復に於て重要な役割を演するものである0此の
 反封は暫定的作用であつて、一回的のものとして漑、海軍の示威或は「国境に於ける軍隊
 集中」が度々用ひられる手段でぁり、反復的或は断続的なものとしては大戦中の英思誹
 整還が様に這瞬間状態を利用する宜俸の如きものが奉げられる0 ′
  第三Y直接的方法と間接的方法がある。思想政策の直接性には種々の梗準がある0ノー
 スクリフ卿の中欧諸国に対する攻彗且偉の如く宣俸が直接対象に向けられるか−迂回せす
 に目ざす心理作用が喚也される精紳分野に向けられるか(多くは人々確信せしめる宝庫に
 於て然るが如く)、或は秘密宜俸に封立する公然L思想政策であるかの何れかである0攻撃
 的精細の目槙と目的収閲し何等の庚ひを持たしめぬ方儀は公然と行はれる方法である0割
 込移住・騒逐等の手段に依り少数民族の融合的同類感情を攻撃破壊するチェッコの方法や−

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 個々の部族の言語及び文字を別々にすることに依りトル′コ民族集囲に封して行はれるポル
 シエゲイズムの分離政策の如き強制的虚筐は、破壊原理に基く厚顔無恥なる思想政策方法
 である。同様に威■嚇方法もこれに属する¢プーアの婦人及び子供に封し設けられた英国の
 政治犯人収容所卜1驚く勿れ三整ハ千三石七十人がその中で死んだ!は、不安と恐怖を
 抱かせることに伐り敵封常に敗竣の印象を輿へ、精神的撹乱を惹起する方経であつた臥勿
 論、、煽動的方法は一般に公然行はれるもので、本質上無政府主義的な「行為による宣偉」∵
 への傾きを有し何物をも願慮する所恕き情執由思想宜俸の方法である。輝軌は秘すること一
 に重き々置かザ、寧ろ凡ゆる精紳的影響手段を以て被宣俸者に立向ふが故に、被宜爆音は
                                                                  が
 何等施す術もな←−無防禦の状態で凡ゆe攻撃に身を曝すのである。何となれぽ、彼には
 反駁する精神的抵抗力を集め形成する時間の飴硲がないからで滴る。煽動は特にボルシエ
 ゲイズムの思想敬の手段である。加之、凡ゆる直壊的攻撃方法が公燃上行はれ福のは、】
 般に賓は一種の汝柑な欺瞞である0即ち公然と宜俸することに依空アール的煽動的思想戦
 を道徳的なものであるかの棟に見せかけんとするのである。昇埠の代表者とし耳の精銅的
 防禦は公然性を開帆影迫徳的必然性とレて恵轟k耶幣`糾い舶鮒那ノ那鮎那郎耶耶舶鮎悩
                                                                     ノ J ▼

 の攻撃収とつては、ごツキーに俵畑督自されたフジア及び欧洲に於けるボルシエゲイズ
 ム的方法の二軍性格が示す様灯−目的の為の手段に過ぎぬ・大戦中雀八困の調整且俸の公
 然憤絹同様に眞理の仮面を被つたものであつた。          ・
 間接的方法は特に昇彿の宣俸に於ては直接的方掛よりも虞汎に用ひちれた・此の間接的
 方法は潜入的刺戦の原理に應じて気付かれぬ様に被宣爆音の心理に影響を輿へんとするも
 のである。英国の詮に依れぼ、一足の心理的作用領域む計賽通り動格せしめるのが宜偉の
} 目的であつて、心理的作用に頓着せす一定の手段に固着するのが目的ではないと云ふので
 ぁる。此の考から虞理の原則に封す・る英国の思想政策の本来的態度が出て来る〇一九ニニ
 年のエンサイクニヂ、ヤ・ブリタニカに臼く↑虞理はそれが教典的である限わ僧侶がある
 に過ぎぬ・十全な虞理は普通飴計なもので殆んど常に人を迷はすものである†喜::。。≡。
 虞埋畑宜俸の政男にとつて必すしも必要でないとしても、宜俸を行ふ者が凡て意識的に不
 道徳であると云ふことにはならぬ。勿論、凡ゆる人工的輿論形成には、何等粁明を重税せ

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 す或は結兵に依り手段を正常化する人々が参加してゐる。愛国主義に伐つてであらうと、
 貪慾に伐つてであらうと、或は自負心や同情に依づてゞあらうと、感情が興奮せしめられy
 ゝぽそれに應じて批判的能力は妨げられる。・=・:・=・・・…:・公然行はれる凡ゆる宜俸が惹起
 する不紆は宜偉効誉減する卜それ故に多くの宜偉業は秘密裡に行はれねぼならぬ」・
 塊曲に宜俸する英国の方法はか1る深慮に基いてゐて、攻撃は本来の作用領域に向けられ
 す忙中問領域に向けられ、そこから更に作用が目棟に及ぶのである。此の路聯呵於て反封
                                                                                                                                                                                                                   ヽ
                                                                      〈
 の方法射ち人が本来逢せんとする事の反封を宜俸することが特に大きな役割を演サる。々
 の意固はト被宜俸者が自蟄的に宜俸目標に到達する様な或る心理的過程を攣生せしめる如
 くし向けるのである。デュアン・絹クワイヤスは此の方位に対する数個の賓例を挙げてゐ
 る。例へぼ英圃の宜俸ビラは、大戦中米圃に於て反戦的気運を作ることを碍躇しなかつ
                                                               ヽ
 た。
 ▼「米隣人が人類愛の精紳から戦争に参加するとは理性的に考へられない0如何なる進路
 が米圃の瀾心或は盛厳に最もよく相應してゐるかに閑し判威することは我芸価ゝ掛る
                                                                                               →
   ベき事柄ではない。諸君は我々よりも轟かによく賛否の情勢判断をなL得る。我々は叉。
  此の偉大なる圃の我々の友人が理解を以て或は熱心に我々の味方になつて呉れるや否や
  に就いてはとやかくと云ふものではない。併し事は既に決定してゐる。光岡は戦争に参
  加するを欲しない∧二ぢの政寅も此の鮎では一致して\ゐる。唯個々の攣止せる人物1
 その中には非常に芙な警ある−が針してゐるに過ぎぬ0余頂論−他の政策に
  導く如き新しい後期されぬ凄件が延り得ることを香定するものではない。併し今迄の所
   では米国人は戦争を為さざ為ことを決心した。」
  此の文句は成る懲人から出たのではなく英因の宜俸本部即ちウユリング†ンハウスから
  出てゐる。スクワイヤズの引用せる他の例には更に一層のカ・ムフラージュが施されてゐ
  る0     /

   「米国は英国人自身より聯合図仝橙に封し緊密な閑係に在る。米圃が此の戦争に於て正
   義の味方であることは事賓である。米国は聯合図が勝利を得ることを虞剣に希望してゐ
   る。併し米図は心の底では、老狩な鞄食せるジョン′プル(講読、英国)が新しい頭皮。

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                                 /
 {諸註、アメリカインデイヤンが殺した敵の頭から剥ぎ取る皮)をそ灯蒐集に加へるこ
  とを好んでゐない。」
 此の立体は計差された思想宣俸と見られない様にする馬瀬自国の政策の信用を落すこと
 をも敢てしてゐる。「英図は米国を此の恐る可き戦率の埠外に在らしめんと欲する。米圃が
 戦争を好まぬことを知&敬灯」英圃は此の負槍を猶少で背負はねぼならぬ。米軋は何れに
 しても正義α味方である。而して英国は正義の為に敬つてゐる。尤もこれと反動の意見を
                                                                 一
 有する若干の米図人がゐるにはゐるが=…=・…‥=…」大びらに遠慮なく云へぼ、英圃は、
                                        一
言姦食掛かはせぬ様に米国の大衆を刺戦せんとす音心なのである0英断の登頂、
                              、
 米囚人の同情心に訴へ徒つて直接に理知的な詮服手段を以て米国の輿論を動かさなかつた
 限・りに於て間接的である。他の間接的方掛は中立国の間に本来の故に対する悪評を喚起
 し、世界輿論に於て感情的にも綺紳的にも敵を嬰皿此せじめた誹誇濱倦である。英固は此
      r
 の思想敬の方法では非常に古い経験を有してゐるが、それ払往々看過される事資である。
 「フリーデリチは欧洲人忙依るアメリカの蟹見及び占領の性格」に射する著書を於て、英
 人は政教軽蔑し誹熟b敵の評判を恵bする方法か既に組繊的灯アメリカイン丼イノeu灯封
 レて用ひ、愛蘭哉率の時から此の方法を米圃に蘭したと云つてゐる。愛蘭人は計董的に「虚
 構と虚妄に依り誹許された」。「英国の公文書に於て愛蘭人は、卑劣漠・無頼漢・大意漠・
 裸攣乞食・ノ野蟹人・野蟹な卑劣苧詐欺師告周・警慮る増し違浪人・森に彗浮浪
 人●蝮蛇●裏切者卜大の裏切者・食人種等の如き名前以外では呼ぽれなかつた0」英国は十
 六世紀以発か▲る誹誘立体の方法を茸行してゐるのでぁるから、数百年後の今日如何、虹そ
 の方法が襲達してゐるかを十分察知することが出来る。兎に角、詳細に英国史を調べて見
 たならば−大戦申の宜俸を検討するよりも造かに驚く可き革質が明かにされるであらシ。
 就中、痛感の方洗は英人によりすぼら七く草津せしめられ、英人は此の方法に償り絶えす
 莫大な成績を挙げてゐる。此の方法は、非難攻撃の憤激口調に依り輿論を最初から迷はす
 為に、抗議者自身が犯した行為を敵になすりつけて誹誘するに在る。大戦中、英国は聯合
                                                                      ●
  囲例の国際法違反事件から輿論の目を反らす篤。に、敵国の圃際法違反を指摘して攻撃した。
 現に此の方漁はアビシニア戦争の時、伊太利人に対する誹誘宜俸に掛ひられた。伊太利軍

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 のデシー爆破に関するローの浸賽は、平和時に英人に依つて行はれたパレスチナのア)才ビ
 ヤ人居住地直全部の爆破を考へると、茸に珍妙無類の宜偉である。
 右の方法と類縁関係にあるのは預防の方法である。その激烈忙して悲しむべき資例は、
一九三二年チェッコ汝府が璃逸圃民政食卓義労働賞の昏ての観民スポーツ聯盟に封して行
 つた事件に見られる。猶逸人側を村護すべき詮擦を挙げることは全然禁止された此の事件
に於て、チュッコの検事及び審問されたプ一つ−グの軍事専門家は、チ土ツコスロヴァキヤ
     甘
に於ける猫逸国民虹禽主義労働寅のスポーツ囲惜はズa−チンドイツ地方の分離を目的と
 する璃逸の秘密の軍隊であると主題した。ハンス・タレプスの正常に立言せる如く、人は此
 の主張を以て終発猫逸に戦率責任を負はしめんとして務め虚構専管を捏造せるもの であ
 る。最後に嘗人は破壊的方法と建設的方法とを直別せねぼならぬ。低い本能の喚起!世
 界観的に人間を・「機械」に造低下することに依り人間の威厳を破壊し、天才も亦「比較的
 大なる機械」の意味を有するにすぎぬ−「をポルシェゲイズムは精緻な科挙性を以て思想
 敬の鰹系に迄高めた。ボルシエゲイズムが種々の政治的方針庄野しで支持を輿へろ方法は
餞郎の日払の鮎が孟方法を選ぼぬがヤグ言−的驚のみ新鶴瀾爛題澗
                                               「ノ
 説明され得ぬ。根本的には、ボルシエゲイズムは人間の情熱を破壊的に煽動することの出
 来る所なら何虞へでも侵入し、叉如何なる名義の下に煽動が行はれょうと閑ふ所ではない。
 何となれぼ、ボルシエゲイズムは凡ゆる積極的な精神的僧値を埋汲せしめ、それに依り自
                                                                  ′
 己の仕事の遂行に有数な様に準備を進めるからである。それ故にボルシエゲイズムは暫定
 的現象ではなく、寧ろそれは現在では常に叉到る虚に人間心理の香定的方面を中央から計
 董的に指導するものである。徒つて人間心理の積極的な力の主張及び発展−凡ゆる建設
 的粛業の如く困難な事業である−は現在人顆の逢行すべき一の原理的課題となつたい若
 し破壊的方法と建設的方法とが、英国の使命宣俸の考へる如く、寧ろ目胡如何の問題に挿
 するならば、今日心理的債倍の相反する南極瑞の問の精紳闘争に於ては、世界観の下に思
 想戦線を厳格払眼界付けることが、人間心理。の創造的積極的債使を安国にする所以であら
 う。併し心理破壊と心理的倍値打増養との聞には妥協の鈴地は無い。建設的思想政策の目
 的の為に手段として破壊的方法を用ひる事自身が、既に破壊的勢力の思ふ竜にはまる事杵

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なるのである。即ち道徳的な良心的苛責を圧迫し眠り込まして破壊手段を用ひることは、既に自己の精神中に於て精神的破壊をなすことになるのである。然るに建設的世界観の思想政策の最高原則は、仮令それが如何に困難な課題であらうとも、精神内の道徳法の命に従ひ絶対的真理を公然と防禦することであらねばならぬ。