六月八日(木)
▽東條総理、敵の北仏上陸に関連してヒトラー独総統に対しドイツ国民激励の電報を発す
▽勤務時間外に防空警報発令があつた場合の非常勤務者並びに防護要員の非常参集に関する件を次官会議に報告決定(防空総本部)
▼独軍、激烈なる市街戦の後バイユーを撤収
六月九日(金)
▽昭和十九年度予算の節約(節約額四億六千万円)に関する件を閣議で決定、情報局より発表
▽昭和十九年産の酒米・種子用米麦の政府買入価格を農商省発表
7.3月
▽南支方面の我が部隊は六月二十七日、重慶第七戦区軍に対し攻勢を開始、粤漢鉄道に沿ひ北進中なる旨、大本営発表
7.4火
▽サイパン島の我が部隊はその後引続き概ねガラパン市街、タポーチョ山、ドンニイの線において優勢なる敵と激戦中なる旨、大本営発表
7.5水
▽サイパンの戦況につき大本営発表---優勢なる敵は飛行機および艦艇爆砲撃の掩護を受けつゝ戦車を伴ひ、逐次同島東北部のわが陣地内に侵入し来り、戦線は彼我錯綜し、諸所に紛戦を惹起しつゝあり。我が部隊は陸海軍一体となり、寡兵よく白兵をもつて勇戦敢闘中なり
▽今次支那における軍事行動の目的に関し帝国政府声明発表
7.6木
▽硫黄島および小笠原諸島に来襲せる敵機動部隊は所在の我が部隊の邀撃に会ひ、七月四日午後遁走、敵に与へたる損害、撃墜七十四機以上、我が方飛行機三十機、船舶五隻を失へる旨、大本営発表
7.8土
▽二時頃敵機十数機大陸基地より九州西部および北部地方に侵入せるも、我が制空部隊は直ちに邀撃、これを撃退
7.9日
7.10月
▽ビルマ方面の我が航空部隊は七月七日悪天候を冐し、ミイトキーナ敵飛行場を奇襲攻撃し、地上にありし戦闘機の全部(二十三機)および輸送機十六機、計三十機を撃破炎上せしめ、我が方全機無事帰還せる旨、大本営発表
7.11火
7.12水
7.13木
7.14金
▽支那方面我が航空部隊は七月十三日早暁桂林を急襲、本攻撃において収めたる戦果、飛行機炎上撃破合計八十九機、地上航空施設爆破炎上八箇所なる旨、大本営発表
7.15土
7.16日
7.17月
7.18火
▽サイパン島の我が部隊は全員壮烈なる戦死を遂げ、在留邦人また概ね将兵と運命を共にせる旨、大本営発表 (本誌前号十頁参照)
東條内閣総辞職
7.19水
7.20木
▽小磯陸軍大将、米内海軍大将に対し、後継内閣組織の大命降下
7.21金
7.22土
▽小磯内閣誕生 (詳細は本号参照)
▽二十一日朝、二箇師団内外の敵は大宮島西岸明石湾および昭和湾の両地区に上陸を開始、所在の我が部隊はこれを邀撃敢闘中

9.21木
▼フィンランド新内閣成立(首相カストレド)
9.22金
▽九月二十一日有力なる米機動部隊比島東方海面に現出し、午前、午後の二回にわたり艦載機延五百機をもつてマニラ周辺地区を空襲。我が部隊の邀撃により敵に与へたる損害中、現在までに判明せるもの=撃墜三十機(うち不確実六機)、撃破六機。我が方未帰還二機ほか、地上および船舶に若干の損害あり
▽比島、午前九時より全域に戒厳令施行
▽南支方面わが部隊は九月上旬以来、西江両側地区および州半島方面より重慶大七戦区軍に対し進攻中のところ、州を攻略
▼フィンランド政府、対日外交領事関係を断絶
9.23土
▽比島共和国、午前十時、米英に対し宣戦布告
9.26火
▽決戦決勝石炭増産運動実施要綱および金属製品家庭等回収実施要綱を閣議決定
9.27水
▽労務供給事業規則を改正(日傭労務の就労統制)公布(十月十日施行)
▼ベルギー新内閣成立(首相ユーベール・ピエルロ)
▽中支方面我が部隊は全県および道県を占領後、湖南方面残存の敵重要拠点慶に対し、九月二十七日払暁攻撃を開始、同日夕完全攻略
9.28木
▽我が航空部隊は九月二十六日南満洲地区に来襲せる敵機B29を要地上空およびそお往復の途次を邀撃すると共に、同夜直ちに成都付近の基地に進攻して、折柄帰着中の敵機を捕捉攻撃。現在までに判明せる綜合戦果…撃墜八機(うち不確実四機)、炎上七機、撃破二十機。我が方の損害、中破一機
▽南支那方面の我が部隊は州および容県占領後、九月二十八日夕、在支米空軍基地丹竹飛行場を占領
9.30土
▽(一)大宮島及びテニヤン島の我が部隊はその後いづれも一兵に至るまで勇戦力闘したる後、遂に九月二十七日までに全員壮烈なる戦死を遂げたるものと認む
同方面の陸軍指揮官は陸軍中将小畑英良にして、大宮島の陸軍部隊指揮官は陸軍中将高品彪、海軍部隊指揮官は海軍大佐杉本豊、テニヤン島の陸軍部隊は陸軍大佐緒方敬志、海軍部隊指揮官は海軍大佐大谷吾一なり
 (二)両島の在住同胞また始終軍の作戦に協力し、全員我が将兵と運命を共にせるものの如し (大本営発表)
▽「決戦下の国民運動要綱」決定
▼ブルガリア政府はイタリア・ファシスト共和国、スロヴァキア、クロアチア三国と国交断絶
10.3火
▽軍人援護強化運動(八日まで)
▼カレー陥落

 

 

12.8(金)

▽帝国陸海軍の最近一年間に敵米英軍に与へたる戦死傷総数発表。米軍二十二万六千、英軍七万八千(うち英人約二万)、これに対し帝国陸海軍の損害、戦死傷約十六万八千名

12.9(土)

▽我が航空部隊は引続き十二月八日、九日両日オルモック湾内の敵艦船を攻撃し、輸送船二隻上陸用舟艇六隻以上を撃沈、敵上陸地点附近五箇所を爆砕炎上
▽陸軍武功徽章令公布

12.10(日)

▽陸軍特別攻撃隊丹心飛行隊の六機はレイテ島東南スリガオ海峡の敵輸送船団に突入、大型輸送船二隻、巡洋艦もしくは大型駆逐艦一隻、大型上陸用舟艇二隻を轟沈、大型輸送船一隻、巡洋艦もしくは大型駆逐艦一隻を撃破炎上
▽南寧および仏印方面よりそれぞれ進撃中の我が部隊は南寧西南約七十キロのにて連を完了

12.11(火)

▽陸軍特別攻撃隊石腸、八紘、丹心飛行隊の各一部はその他の飛行隊と共にレイテ島西岸バイバイ沖の敵輸送船団に突入、輸送船二隻、駆逐艦一隻を轟撃沈、輸送船一隻、駆逐艦一隻を大破炎上
▽午後、県を完全占領

12.13(水)

▽神風特別攻撃隊は十二月十一日並びに同十三日スリガオ水道並びにミンダナオ海において敵輸送船団を攻撃し、駆逐艦一隻を轟沈、巡洋艦二隻を撃破
▽午後、マリアナ諸島のB29八十機内外、各少数機をもつて帝都附近および四国地方に、主力をもつて愛知、静岡県地方に来襲、邀撃戦果、撃墜破十機

12.15(金)

▽朝、有力なる艦隊の輸送船団による約一箇師団の敵はミンドロ島西南端サンホセ附近に上陸を開始。我が航空部隊は連日この輸送船団を攻撃中にして、十二月十三日より十五日に至る三日間に収めたる戦果、撃沈、輸送船四隻、大破炎上、輸送船八隻、戦艦二隻、巡洋艦三隻、巡洋艦または駆逐艦二隻、撃破、艦種不詳六隻

12.16(土)

▽我が航空部隊は十二月十五日夕および十六日払暁、比島ミンドロ島南方の敵艦船を攻撃し、戦艦もしくは大型巡洋艦一隻を轟沈、大型輸送船三隻、中型輸送船一隻を撃沈
▼独軍西部戦線において大規模攻勢を開始

12.18(月)

▽我が航空部隊は引続きミンドロ島サンホセ附近の敵艦船を攻撃中にして、十二月十七、十八両日に収めたる戦果、輸送船、轟沈二隻、撃沈一隻、大破炎上一隻、撃破一隻、巡洋艦もしくは駆逐艦、撃沈一隻
▽午後、マリアナ諸島よりB29約七十機、名古屋付近に来襲。我が邀撃戦果、撃墜十七機、損害を与へたるもの二十機以上

12.19(火)

▽小磯内閣改造(新軍需相吉田茂、新国務相小林)
▽午前、支那方面よりB29三、四十機、主として九州大村市附近に来襲せるも、我が方の損害軽微

12.21(木)

▼ルクセンブルグ、中立放棄の宣言発表

12.22(金)
▽陸軍特別攻撃隊万朶、石腸、旭光、若桜、精華、殉等の各飛行隊は他の航空部隊と共に、連日ミンドロ島サンホセ附近レイテ湾内等の敵艦船を攻撃続行中にして、十二月二十日より同二十二日の三日間に収めたる戦果
サンホセ附近 轟撃沈、輸送船四隻、巡洋艦もしくは駆逐艦二隻、炎上、輸送船四隻、巡洋艦一隻、巡洋艦もしくは駆逐艦一隻、艦種不詳二隻、撃破、輸送船一隻
レイテ湾 撃沈、輸送船一隻、撃破、大型航空母艦一隻、炎上、艦種不詳一隻
スール海 撃沈、輸送船一隻、炎上、輸送船一隻
▽午後、マリアナ諸島よりB29百機内外、主として名古屋附近に来襲、我が邀撃戦果、撃墜二十機、損害を与へたるもの二十機以上
▽空家に関する防空強化対策要綱を閣議決定

12.24(日)

▽朝鮮及び台湾同胞に対する処遇改善要綱発表

12.25(月)

▽夜、我が航空部隊はサイパン島の敵飛行場を急襲、五箇所を炎上、二箇所に大爆発を生ぜしむ。我が方未帰還二機

12.26(火)

▽第八十六回帝国議会開院式
▽夜、我が航空部隊は再びサイパンの敵飛行場を攻撃し八箇所を爆砕炎上
▽(一)夜、我が水上部隊は、ミンドロ島サンホセ沖に突入し泊地附近の敵輸送船四隻並びに魚雷艇数隻等を攻撃、輸送船全部、魚雷艇一隻、小型舟艇二隻を撃沈すると共に、敵飛行場と物資集積所を砲撃 (二)我が航空部隊は右攻撃に協力、敵飛行場を爆撃し数箇所を爆砕炎上、敵魚雷艇四隻を撃沈 (三)我が方の損害、駆逐艦一隻大破
▽ハルマヘラ島にては十一月下旬以来、敵機の来襲熾烈、所在の我が地上部隊の十二月一日より同二十六日に至る邀撃戦果、撃墜七十六機、損害を与へたるもの百四十二機

12.27(水)

▽午後、マリアナ諸島よりB29約五十機、帝都に来襲、我が邀撃戦果、撃墜十四機、損害を与へたるもの二十七機
▽午後、マリアナ諸島よりB29約五十機帝都に来襲、我が邀撃戦果、撃墜十四機(うち不確実五機)、損害を与へたるもの二十七機
▽夜、我が航空部隊はサンホセの敵飛行場を攻撃し、十五箇所を爆砕炎上、ガソリン集積所一箇所に大火災を生ぜしむ

12.28(木)

▽巡洋艦、駆逐艦二十隻に護衛された三十隻より成る敵輸送船団は十二月二十七日夜来スリガオ海峡を経、ミンダナオ海を西進中にして (一)二十八日午前、神風特別攻撃隊は右輸送船団を攻撃し、大型輸送船三隻を撃沈 (二)二十八日夜、我が航空部隊は大型輸送船三隻を撃沈、二隻を撃破
▽夜、我が航空部隊はニューギニア双子島およびマルの敵飛行場を攻撃、二箇所を爆砕

12.29(金)

▽ミンダナオ海西進の敵ミンドロ島増援輸送船団に対
 し、我が航空部隊は十二月二十八日夜より同二十九日
 午後に亘り反復攻撃、輸送船九隻、魚雷艇一隻を撃沈、
 大型輸送船二隻、巡洋艦九隻、駆逐艦一隻を撃破。我
 が方未帰還四機
▽灯火管制強化要綱を閣議決定

12.30(土)

▽台湾総督更迭(新総督安藤利吉大将)

12.31(日)

▽我が特別攻撃隊一誠、鉄心、旭光、進、皇華、各飛行
 隊は戦闘機掩護の下に十二月二十九日以降連続ミンド
 ロ島に対する敵増援輸送船団に突入攻撃、現在までに
 判明せる結果、輸送船撃沈三隻、大破炎上五隻、
 艦轟沈二隻