歌聖としての大帝 御歌所寄人 千葉胤明
一日四十首
明治天皇は、洵に天成の歌聖にあらせられました。御遺し遊ばされた御製も、十万の多きに 達してをります。あの日露戦争の御繁忙を極めさせられた時でさへも、毎日四十首より少く遊 ばされたことはなく、御詠草は、奉書を二つ折にして、一枚に四首づつ拝写したのであります が、これが一日十枚を下つたことがないといふ御熱心でありました。 而もその御製も