第三二一号(昭一七・一二・二)
   大東亜戦争一周年第一特輯
       大東亜の現況
十二月二日発行    第三二一号

目次

   詔  書
   第一章 大東亜戦争の前途と我等の覚悟
   第二章 大東亜建設の現況
      緒言
    一、満州国
    二、支那
    三、香港
    四、フィリピン
    五、ビルマ
    六、マレー、スマトラ
    七、ジャワ
    八、北ボルネオ
    九、セレベスその他
   大東亜戦争日誌抄

大東亜建設の現況

 大東亜戦争は建設戦だといはれる。それはこの戦争が、単に武力戦に
よる破壊のみを目標とせず、破壊の後の建設を究極目標とする、新ら
しい性格をもつた戦争だからである。
 建設といへば、ともすれば経済建設のみを重視し勝ちであるが、大
東亜の建設とは、政治、経済、思想、文化等、あらゆる部面における、新
建設を意味し、単なる経済建設だけでは、新東亜の建設はなし遂げ得ら
れないことを注意せねばならない。
 さらにまた、大東亜戦争の勃発以来、南方における皇軍の輝かしい戦
果に眩惑され、大東亜の建設といへば、南方の建設だけに眼を奪はれる
傾向もないではないが、大東亜建設の基幹は、あくまでも日満支三国の
綜合国力の充実発揮にあることを忘れてはならない。
 満洲建国による北方の護りの盤石と、支那事変による南方への戦略
基地の獲得が、大東亜戦争の遂行を可能ならしめたが、これは単に戦略
上からだけではなく、あらゆる面において同様のことがいへるのであ
る。南方資源の獲得も、日満支三国の綜合国力の基礎の上に獲得した
点に初めて意味があるのである。
 大東亜戦争一周年に当つて大東亜建設の現況を特輯する所以のもの
は、大東亜戦争が建設戦であり、南方占領地域の建設の現況を知りたい
との要望に応へるものに他ならない。

 

 

「一、満州国 」に続く