第二九五号(昭一七・六・三)

 臨時議会と日本の進路
 戦時下の計画造船        海 務 院
 昭和一七年度の国民動員計画について 企 画 院
 蚕糸の価格が改正されました    農林省蚕糸局
 告 知 板
 インドの動き
 冀中、冀南、浙東作戦      大本営陸軍報道部
 南方の陸軍総合戦果
 大東亜戦争日誌
 通 風 塔

 

戦時下の・計童造船
               海   野   院
 昨年十二月八日、大沼の.換故により
大東煎戦争の革が切つて落されて心ら
こ1に佳々牛諺に満たずして、皇軍の
 t小           畑ウニ∨
向ふところ敵なく、敬兆は牲渾な規模
の下に締り接げられ、西はインド沖を
超えてセイPン鳥に及び、南は太平洋
                     くU−
を墜して確洲に達しようとする資に廣
 l川l
次数千沖の水城と、これに包まれる大
小埋多の品々と、そしてまた、これらが
                           † ■
・包耗する稜々の貴重な賓瀕、むち錫、
石油、銀碑石、石次、マンガン、タン
グステy、ボーキサイト、米、ゴム、
†●ニフ践節が我が勢力圏に入るやうに
なつたことは、女ことに力強く、また
 感激の極みであります.
  これ等の奇濾をそれノぐ・・活用して、
 その効用を黎挿させ、また過去蛸首年
                 lつ‘い
 の久しきに五つて米英牌の雀制下に坤
 吟してゐたアジア十億の民族を、その
 Lつ−こ′ヽ
 軽椅から解放して、そのところと得さ
 せ、わが帝囲む中心とし仝東亜共柴
 矧が一丸となつて、この大東亜戦争
 を戦ひ扱くことこそ、現鹿の私蓮に
 くb                  ヽ
 試せられた最も重黎な住持であり皇
 す‘

  ヽI.ノ、J))ヽl′・) − ノ)・−ノ)
 建設戦を左右する始腹
  ′−\(/1\(l′ \((lノt
 わが国の蓬は、組先年衆の靖艮的

                   }r・∫■ソ・●く
 海洋精神と、官民の緊密な協力とに
 ょって明治初年以来、約七十年の間忙
 極めてめぎましい進展を速げ、今日で
 は、保有舵腹真において、船舶の素質
 において、また、これを連沓する海運
              r ∧ツ●l・
 共著と船員の手腕、技偏において、
押しも押されもせね世界一流の大海逆
           11アリ・ヽ
同としての諸費件を完備するに室つて
 をりますが、現下の大東亜戦争下にお
 きましては、何としても軍事上の特別
任妙に所要の舵舶む捷供してゐる一方・
   †iか−
戦争速行に必要な景黎物資の凝遽に多
生の船腹故事することは勿玲のこと
簾大な大衆亜共紫飽の水域を撞へて、

 


各地域糊の甥客の瞭途む確保するた
めには、耶睨は規らあつても十分では
ない拙況であります.この恥簿を恥ひ
抜き、大水拍北ハ於艶を確立するために
は、一千茄頂ガトソの、或ひは二千万
トソの船舶が必姿であるといはれてゐ
女す.
 これらの弊十は海道の伸び行く目
                     じ ちヽ
途、帥ち糊鎚姓奴の段階を示唆してゐ
                     はl一・レ■
るものでありまして、あらゆるユ万淀む
講じ、あらゆる手投む超して、所姿の
救最を碓伏し、大水胡戦争の先達と大
東瀧北敢糊の娘詑に邁進せねばなりま
せん.
 今日における舵も来賓な倦閧ヘ、沌
はや溌瀕の不瓜ではなく、ノむしろ交泡
 ▲′ん ●丁
浦輪の務怖如何にあるのであつて、
柵陀の縄北その他輸儀力の増強こそ
は、恥珊遽村上の絶封婆件として特
に力を川ひねばならぬところでありま
す.
 )ヽ−ノ)\1■′ ヽ−.ノ\、.ノ)
 計責造船の内容
 ′と(′ll\′l\((

 そこで政府では、この具鰻的な方策
として橡てから巡航能率の向上を固
           †トーひい机r
る一方、隣人または傭人によつて外
因船舶の利用に忠を用ひ、また牟挿絵
の利用、沈沌船の引揚げ利用等にも努
力し、相常の効北を収めてゐますが、
これ等はその性符上、自から限度があり
ますので、最も碓賓な船腹の増強方策
               川じい一_ゆl一−
偲、新造胎の嘘拙に全力を傾注するほ
かないことは常然でありまして、従来
も胎舶建造の位進に閥しては特に格別
の努力む沸つて水たのであります.
 即ち糠舶建造の溌材につき愛して
は、本年度物資動員訃音で特別の考鹿
を沸ひ、船舶部門に封しては、あらゆ
る部門に使先してその確保む麒つてむ
ります.そして、この資材を最も有効
 て●一つ
適切に使用し、船舶の大景建造む確保
するために、こ1にいはゆる計書漁船
が繰り上げられたのであります.
 計書法船とは、三ヨロで申しますと政
府の計宴に基づいて、一定の期間内に
同家の必要とする型の船舶を観衆の必
要とする数量だけ建設する方策であり
ます.その大要む申しますと、
 第一に標準船型の決定であります.
政府では昭和十四年四月に披準船型と
         し†うれい
指定し、建造を奨勤して水たのであ
               ひつイ“く
りますが、戦時下に資材等の追迫の折
柄、できるだけ資材の節約を掛ると共
に、造船能率を極度に向上させるた
め、蹄健、機関、部分品等の規格を再
検討した上で、新らしく一般貨物船、
       汐 ヽ=’
珠右舷、油槽船、吏に進んで木造給お
よぴ貯についてもそれJド1樺準舵型む
定めることになつたのであります.し
かし、これは前歓洲大戦常時、外図で
             一い乃▲′
建造されたやうな劣等性能の船舶、即
ち単なる念造船ではなく、性能におい
ても殆んど変化ないといつてもい1程
3


度であります.
 かやうに新らしく定められた規格に
鷹じ、椚牌、槻帥、部分品等の大栄建
辻に付利にけると兆に、客船等の特別
の場介のほかは、棟準船型以外の椚舶
の池辺は認めぬことにすちのでありま
す.
 第二には造船併の分業であります.
今まで池耶朗は各種の船舶を建造して
        けいく山く
ゐたのですが、計立地胎をすることに
なりますと、わが図の生地椚能力を政
論度に粥川できるやうに、各法枇桝灯
封して娘辻すべき舵剤を特定し、専門
的に辿純して拘一種朔の船舶を大景建
造させるのであります.
 第三に船舶の注文についての措煮で
あります.梅鎚の統制が強化され、低物
                −▲▲′‘ん山r,
偶政派に糊魅して、運賃、傭鮒料は釘
附にされてゐる上に、舵舶の逆舶は船
舶沌鰐曾町二九化されてゐますが、他
方、沈船桝椚は輔材、労力等の関係か
    小・71−・’
ら相・常に昂騰しないわけには怜かない
状態で、渾舵方桝から見ますと、新造
糖では、接辞上州難となn可能性があ
りますがハ 政府としては低物債政策
けん ぢ
堅持の建前上、沌緯、傭船料む引上げ
るわけにはゆかないのであります.
 この周難が鮒決されなければ、棟坤
柵型を究めまして、造船所の分業む行
ひましても、船舶の大量建辻は望まれ
ないのであります.
 東伯に造船併の設備と船舶用堆関、
 ▲r lヽl′
犠装品等の製造設備の新設凍充が要請
されるのですが、これまた多党の資材
と多瀦の資本を和紀せねばならない大
事業であります.
 以上に述べました訃音造船の遽行に
伴ふ難鮎を解決するため、政府では去る
                ‥しつ し
五月十二日の閣議で計斉辻胎の章雄確
保に関する根本方針を決定し、国家の
全力た挙げてこれが先途に邁進するこ
とになつたのでありますO L即ち
 「標準型船舶の汁甚蚊竜をT定期喝
内に確保するため、帝常設傭常幽をし
て政府の強力な接助の下に梯準塑船舶
の魂池の縄文ならぴに造船・造機施設
の蛸充の富雄に常らせる」のでありま
す●
 この方針忙基づきまして、今度の着
         け・′l、ん
入十和増議合で協賛を紆まして産業設
備山彗鞠法が改正されたのであります.
 )ヽJ)))\−ノ)).)l\ノ
 蓬栄設備替国との関係
 (((((′t、′L((ノ∫lヽ
 蒸発設備費園は、昨年十二月の粛七
十七譲合を洩過し重した耗菜設備督国
法による特別の法人でありまして、戦時
に際し軍市蒸発、生漆椀充計諜蕗菜そ
の他の閲家紫婆産糞の設備であつて、
             一々 ぐり−
事発音が捜設または維持するのが非常
に困難なものを〔施設し、また、いはゆ
る未動遊休詑偶の活用を因ることを目
的としで設立されたものであります
が、計喜連舷の章雄忙は、この営輿を

 


利榊することになり、これに必婆な産
業設備潜糊法の改佗を行つたわけであ
ります.即ち常園の瀧持として
 (イ) 笹刑塘触、船舶用意叩およぴ犠
  紫晶の製山道の注文
 (P) 右の船舶、船舶糊機関およげ魂鴻
  晶の常潤その他の鹿毯
 へハ) ≠拙船海施設の新設接充およびこ
.れら施設の培付ギ搾その他の鹿増
の事項が新たに加はるわけであります.
 即ち今後は、雅史者が決私したものを
除き、根昨沖折舶の址迭は、すべて粍紫
設耶常糊に】捕‥托文させる方針セとり
             けい●′ヽ
ました.即ち碓氷の出船契約は、池船
研が椚発か′ら柵榊拙速の托文教受けた
後、これに増する資材、横抑、増妓品
等転向ら烈出し、戎ひは外部に注文し
てゐたのでありますが、わが閲の造船、
潰俄、機敏品製造等の能力を波高度に
活用するには、いろ〈な原閃で未だ
江東尭が特定しない場合でも、政府の
計登に基づいて定められた船舶の■埴退
   も ●.い
は、遁池仰なく音行する必導があり、ま
た未だ備附ぐべき船舶が特定しない場
                  はづt●▲J
合でも、糖舶川機関、嘲製品等た蚤汚
し、沸騰と櫻棚とを分離して製遽契約
をすべき壕令も増慣する必賓がありま
すので、・鑓水のやう潅造船所と舵発と
の間の個別的な池拙勧へ約によつては虚
理できないことが明らかでありますか
                         t ′り
ら、通常な拘策的場帥に特殊の摺翠を
執らせる必黎が生じたわけです.
 そこで、政府では席発設備密牌に政
府が樹てた遽舵汁寄に遊づいて棟準型
舵舶の一括托丈をさせ、旭超した船舶
は、原則として料兆発着に賓渡し、ま
た特別の事情で必箪の場合には、常幽
が自ら保有して海道発瀦に貸付けさせ
ること忙し、また一両、造船、辻横輝
  くわ′ヽ‥し●,
設の横充忙も政府が定めた政策忙基
づいて新設拭蒐の管施に廿触り、建設し
た設備は、状況に應じて過般貴君に安
施しまたは貸付けることにし主しセ.
また一旦、驚周で注文したものは、頂
他の建造中とか横粥等の製造中の場合
でも、計賽造船の遽行む絶保すろのに
滴竹…な買主、射ち船舶については賠主
に、甥閥については造船所に脅威から
局代りさせることも考へてをります.
 常輿では、この舵舶を政府で決定す
      ▲F‥レゆ.)
る慣格を基準として政府で決定する
穣先般主に膏渡すのであり会す.この
                  ・♪▲●凸し
際、前述のやうに墟造慣格では船主の
珠算が困難となる場合が多いので、産
菜設備費囲としては頼むして賓渡すこ
上む考へ性ばなりません.この場合忙
蒙る皆凰の損失は、政府で補催するこ
とにし会した.
               ‥しつ し
 また潜園は、以上の兼鋳を章雄する
ために極めて多額の資金と要するわけ
ですが、政府はこの調達には全面的の
 l′∨〓レ一
援助むするために産業設備債券の発行
限度を、今まで桝込賛*金額の五億だ

 


                 ▲▼んゆさ
つたのを十倍とし、また戦時金融金庫
この析川によつて十分の招檻を講ずる
    山l′hソJ−
山等とも考賭してゐますC
 とれらの覆業設備督園の兼務は、い
つれ絹閑家的な重要政策の賓施に関す
            し めい
るもので、本営園の使命はいよく重
きを加へるわけですから、政府では同営
園に射し、その職員を公持崩とする等、・
      し だlフ,
十分に舵督指導を行ふこと忙しまし花.
  ヽ、ノ\−/\lノ))\J\ノヽ\一ノ\1..ノ)
 計責造船達成の諸態勢
    ′ll\ノーl\′ll\′l1.\(、′l、′■l\′ll、・′.1\′′l\

                  ‘んイhく
 次ぎに、床菜設備螢汲ェ沖文した船舶
は、これを海道貴君に賓渡すのですが、
この買受のため、或ひは海道業者の
 て・l一巾        わ1.\汀山
手打溌令の窮迫等を臆りまして、今
発令の協於を経て船杓凍追融資補給及
び損失補倍法皇改正し、いままで船舶
山いんで,′′
姪迭のためにのみ俄利資金の供給の便
が計られてをりましたが、さらに棟準
     小h′▲フ、ド
科舵舶の貫受に要する資余にも供給す
    へ一・り
る冷々拓く等の符州肘が試ぜられZこと
になりました.
 今日、舵舶珠充の重要なことは富む
侯たぬところでありまして、目下、各
般の施策は計書法船に集中されてゐる
状況であります.政府では、咋年末に
海事行政樺梼を慈備強化しまして、中
央に潅抄院、地方に海抒局を設置した
のでありますが、それと共に今まで海
軍艦船の建造と−般商船の建造とが、
必ずしも一億として行はれてむなかつ
          てI‘い
たので、その間の詞峯を行ふために過
般勅令を制定しまして、逓信大臣の権
限に属してゐた船舶建造と修繕のため
の主要資材の需給の調整に関する事
持、およぴ海運管理工場における造船
と船舶修繕に関する監督事祷の樺隈を
海軍大臣に移しました.
 また五月十五日に公布されました囲
家総動員法に基づく改正梅道輯制令で
 「涯信大臣ハ海道関係事共有二封シ
 規格ヲ指定シタ給舶等ノ製遁ヲ命ジ
 什若ハ範常ヲ指定シテ胎槻等ノ修繕ヲ
 命ジ指定シクル規格‥若ハ範囲以外ノ
 賠舶等ノ製造若ハ修繕ヲ制限ツ若ハ
 磨止シ又ハ船舶等ノ製造若ハ修繕二
 伸順位ノ攣吏共ノ他必要ナル事項フ
 命ズルコ十ヲ得」(第七撃
と規定し、計宴造船の法的根複を定め、
また重要度菜園照合に基づき造船統制
曾を設立し、造船事業に関する民間組
椒を整備し愛した.
 そして、こ1にまた産業設備沓虜に
              と,くわつ
ょつて船舶尊の建造注文を統括する
等の稽食む請じ、計葺造船に朗する組
結態勢が整つたわけで息ります.
 大東正教率は輝く戦果を以て進展影
続けてをります.計賽造船忙よる大量
        ‖_つ し
船腹の建造の章雄確保こそは、虜にこ
の聯利を決定的忙し、この大東亜を皇
国を盟主とするアジア十億の民族の慮
に倍線すべき任家とする根基であると
声桁.じます.