第二九四号(昭一七・五・二七)

 翼賛政治会の発足
 小売業整備実施の方針       商 工 省
 ビルマ作戦と重慶        大本営陸軍報道部
 物資営団の買上げ        商 工 省
 本年度の物動と生産拡充計画    企 画 院
 大東亜戦争日誌
 常会の頁            農林省・神祇院・大蔵省国民貯蓄奨励局

翼賛政治会の発足
 
 大東亜戦争の赫々たる戦果に応へ、内に翼賛議会を確立し、挙国的政治力を結集しようとの熾烈な輿望は、この度の翼賛選挙における一億国民の熱意によつて表明され、次いで五月二十日、翼賛政治会の結成となつて実を結び、いまや力強き発足をなすに至つたのであります。
 この新らしい翼賛政治会の使命、性格並びに運営方針等は、会の網領、宣言等によつて明らかでありますが、まづ第一に挙図的翼賛政治組織体であることを知らねばなりません。即ち会の使命とするところは、一億国民が渾然一体となり、肇國の大理想を世界に顕揚し、皇國の真姿顕現のために、翼賛の大道を全うせんことを期するにあり、そのために、国民の総力を凝集し、これを政治力に動員する仕組みを必要としてこの政事結社、翼賛政治会が生れたのでありますが、それは今まであつた政党や欧米諸国にみるいはゆる政権争ひの政治団体でもなければ、また政策の対立抗争を事とするといつたものでもありません。また一国一党のやうな一方的独裁政治を実現しようといふものでもなく、他国に比類をみないわが国独特の、独自の政治団体なのであります。
 従つて会の運営についてもまた新たな工夫構想を要することは当然であります。綱領にも「憲法条章に恪遵し翼賛議会の確立を期す」とありますやうに、議会の運営に大きな使命を担ふことはいふまでもありません。帝国議会はそも/\大政翼賛の府であります。帝国議会は臣民翼賛本分に従つて、国民が日頃考へてゐること、或ひは国家のためかくあるべきであると希望してゐることを政府に伝へ、相協力し、表裏一体となつて大政を翼賛し奉り、公議公論の府たる実を挙げるところでありますから、かゝる翼翼賛議会本来の面目を発揮するためにも、本会成立に課せられるところの責任は重く、また期待されるところも大きいのであります。
 次ぎに大政翼賛会との関係について特別の考慮が払はれることになつてゐるのであります。抑々政治翼賛の大業を完成するためには、国民が正しい政治翼賛の本義を弁へそれ/"\、日常において各職域を通じ、政治翼賛のために組織的な協力をなすことが必要ことはいふまでもありません。そこで、翼賛政治会は、大政翼賛会と緊密な関係を保ち、自己の政治の実践と大政翼賛会の国民運動推進の実践とを渾然一体ならしめ、その基礎の上に翼賛政治体制を確立しようとしてゐるのであります。そのために、大政翼賛会については、万民翼賛、臣道実践の国民運動の推進中核体としてその活動の分野を明らかにし、その機能を刷新し、創立の理想達成に邁進することになつたのであります。
 要するに、かゝる翼賛体制の確立は、皇威を中外に発揚し、大東亜戦争の完遂と大東亜共栄圏建設の方途を促進せしめ、世界新秩序の樹立に対するわが国の指導性の確立を期するための国家的要請に外ならないのでありまして、こゝに発足した翼賛政治会が、翼賛政治新体制確立に挺身し、常にその網領、宣言の趣旨に則り、強力なる活動をなし、大政翼賛会と相ともに、政府に協心戮力、大東亜戦争完遂、翼賛政治体制の確立に邁進されんことを期待すると共に、広く一般国民も、この機会に、従来の政治観に強き反省を加へ、政治翼賛の本義に徹して、これを広く日常生活の中に具現して大政翼賛の誠を效していたゞきたいのであります。