第二八二号(昭一七・三・四)
総選挙に臨む政府の態度 東条内閣総理大臣談
大東亜戦争完遂翼賛選挙運動について 内 務 省
海軍落下傘部隊の活躍
重要物資管理営団法 商 工 省
食糧管理法の概要 農 林 省
告知板 −鉄道運賃の改正−
敗戦に揺ぐ英連邦
大東亜戦争日誌
通 風 塔
海軍落下傘部隊の活躍
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】月十l日のセレベス鳥メナドの攻略戦に、〓月十四白スマトラ鳥バレンパン
の寺銭作戦に、突如としてわが陸海の落下食前隊が事を現はし、初杵ながらいプ
れも鈷々たる戦果を歩げた.王にまた二月二十日のティモール亀作戦に海‡落下
食前隊が再び典峯を現はし、クーバン村泣の毒性下に成功した.こゝに落下食
降下の#l挿を央つた海‡落下令都件の活挫について述べることにしよう.
メナド攻撃に初登場
落下傘部隊の訓練は、ソ聯では早く
から新手し、ドイツでは今次験洲戦に
小く1・・・I
應川して、赫々たる馳兆をあげてゐる
のであるが、わが国においても今次大
東沌恥率に初めてこれ泰雄し、その
ム 山ん
偉力を逝憾なく敬探するに禿り、落下
傘部隊は今や辻代戦忙おける特殊な袈
索として、その地歩を確保することと
なつた.
ところで、メナγ攻鍵に初茸均した
わが海軍落下傘部隊は、初陣であつた
一r●一−
にか1はらず目兜しい礼典をあげた.
世榊ではや1もすれば、ミース映韮
において、降下申或ひは新陸鹿後の地
上馳剛の瑚和が少いため忙、敵兵のゐ
ない地糾に然々と降下したのではある
tl′′ヽl
まいか、と想像し肪ちであるが、落下
傘部隊のあるものは−つの落下傘に、
入十川孜の敵和を受けたといふ審か
らしても、敵が如何に決兆の防徹忙箇
つてゐたか、如何に降下が困難であり
たかゞ判ると息ふ.
」汀▲′▲い
ことに、メナド方何の防縮に常つて
ゐたのは、射撃のうまいことで世界に
知られてゐるオラソダ兵だつたのであ
る.従つて降下中はもとより、着陸し
たのちも、敵の弾丸は櫨めて低く、落
小′〃と
下傘部隊只の中には、餓兜の繰で、大
地に穴を触り、敵の狂射を防いだもの
さへあつた杜である.
しかるに、わが方の犠牲は勧めて僅ア
血
かであつた.飛行堆から飛び降りて着
陸するまでには一人の戦兆者もなかつ
た.射弊自慢のオラソダ兵の眼の前
に、一人の犠牲者もなく降下に成功し
たといふことは、わが落下傘部隊が、
既に純朴力において敵を艶倒してゐた
ことを物語るものといへょう。爽然轟か
ら昨つて水た火脚梯まる奇態攻撃に敵
d,Jい
は川瀬映れしたに退ひない.敵は締紳
†ノ∫
力においてすでに収れてゐたのである.
旺盛な攻撃精紳
落下傘部隊が、大腑沈着であるとと
▲化く
もに、捉ましい恥…脚純朴に払えてゐるこ
とが必磐であることはいふまでもある
まい。印地を‥梢へて待ち受けてゐる敵
lヽイ‖▲_
の粥上へ、狙撃の好日棟となりながら
身惟をた1きつけ、しかも敵帖の只申
ナみ●
において、泣かに攻撃挽鮮を確保し
なければならぬからである.
メナr攻略の時のことであるが、わ
」 「
が重からの奇態攻撃が始まるや敵トー
チカは狩烈に火を吐き仙川した.その只
中にそこかしこに講い陛した落下傘部隊
は ムく
貝は、落下傘をかなぐり紛てるや桐触
にくはく
して敵帖へ拘兆してゆく。やがて味方
てl、だんと▲,
の桝畔何の昭丸が、・トーチカ附近で沸
きJl八つ
然炸裂すると見るや、それに呼臆して
攻撃が奉行され、駅州lトーチカは額取
された.これむきつかけに次ぎくに
つひ
敵帖は洗え去つた.
そこへカカス方南から一義の装甲自
劉申が硯はれ、狩烈な掃射をあぴせか
けて逸滋した.わが部隊は、小破な奴
と、更に榊進に移つたのであるが、途
∫′ヽぢヤ▲′ ●●
中の牧場の尿ん中で一部騒が.ハツタ
Xさき溌の妓叩∩刑叫に迫過した.二
名の落†傘部隊〓は、たちまち道路の
杭に柑縄榊銃を舶ゑて、法り〓利率へ
て▲フ‘ん
酔然と挑戦した.班叩叫も柁射を始
め、二人の袈は批和のあげる紗蛇で見
えなくなつた。だが、二人は一歩も温
かず、粥力な蚊叩叫と堂々射ち合つ
た。やがて批が射ち魚けて徐々に後逸
すると見るや、二人はがばとはね起
き、逃げ出さんとする装岬申に飛びつ
ナ
き、素斗く拭瑞してゐた節舵妖を、そ
の上に梯したのである。
抑梢と娘叩印の聯爪は、耶倒的な落
下傘部隊貝のたくましい攻弊柑抑によ
阜
つてわがユ万に凱歌があがつたのである.
▲汀くきlフ
見渡すかぎり練の牧革の上に軍船排が
高く榊つたことは、落下傘部隊貝の一男
気を筍供せしめ、カカスの術も、勿ち
わが手忙郎した.かくてわが落下傘部
隊収、軍市城鮎を砕保するとともに、
●↓つ・花
附近一冊の揃瀕を完うし、翌十二日に
は新鋭落下傘部隊の材攻があり、メナ
ド忙敵綿上陸した性戦陳との捉手も成
り、乙1にわが園最初の落下傘作戦は、
劉糊的な域功ををさめたのである.
落下傘部除の沿革
一健、落下傘はどんな簡捷の過柁を
た′、
池つて爽たかといふに、これが着想さ
れたのは古いことで、十六世紀明すで
に■驚施され七ゐる巾 フランス人プラン
シサールは、輪気球に落下傘を出航す
ることに思ひつき、一七八五年彼は落
小r
下傘∠初めて作り、それに屯をつけ、
その中に犬を入れて安全忙降下せしめ
ることに沌功、一七九三年忙は、彼自
身がこれを賛助したが、この時は落下
は†
傘の構造に映略があり、あまりに速く
くぢ
地上に降下したため、足を挫いてゐる.
その後一七九七年には、ジャック・ガル
ネルが柁窺拭から落下傘で飛び降♪、
見事成功して賓川に池する川具である
ことを立許した.これに刺械されてイ
ギXス、アメリカ、ポーラソド等でも
落下傘に譜旨するに至つた.
しかし落下傘を柵山賊に應川せんとし
たのは、ソ聯が北も叩く、ゾ聯では第
一次世鼎大戦末捌の閥内革命の頃から
荷想してゐるが、一九二七年、耗大佐
は室恥の冬季大拭門小に、敵戦線の背
筏にサボタージュ行岱を起して、敵を
不安に陥れることを思ひつき、入名の
、いたん
工兵を大弛飛行機に来せ、敵の兵姑部
況ぐに押下せしめ、敵の越中路や橋梁
を破壊し、確定的な効兆をあげた.ソ
聯では、この引から落下傘の賓馳應用が
具健的に研究され出した.その後落下
傘部隊の抗城を見るに至つセが、常時
の落下傘部隊の任抒は「政戦線後方に
侵入」といふ耶純なものであつた.
ところが、一九三五年のウクライナ
大演習において、ソ聯瀬各岡武官の目
の前で、「舵察歩兵」二千名を初め、填
銃首五十挺、砲十入門を大発的に降下
さすといふ荻川下傘部隊の繁恥的前躍と
示し、アッといはせた.翌三六年のミ
ソスク大演習においてもこれを行ひ、
各国はいよく落下傘部隊の必嬰を痛
感、これが研究を進めるに至つた。も
とより第一次世外大戦の末期には、小
規模の落下傘降下が試験的に行はれ、
フラソス峯軍のエプラール少作の如き、
一名の将校とともに落下傘でドイツ敬
▲f.打
線の背後に降下して、小規模ながら敵
の後方を不安に陥れたといふ例はあつ
た.
今次欧洲戦勃敢とともに、レよく
▲9
\\
落下傘部隊は、近代戦忙おける盟婆な
●〜▲′ ●ヽ
要素としての偉力を賓許するに至つ
た.すなはち、γイツ欝は、′−ル
ウエー、ベルギー、フラソスの各地線
忙荻川下傘部隊を仇什下させて、赫々たる
恥兆をあげたが、ことに一九四〇年五
月二十日から開始されたクレータ島政
略批忙、大規模の落下傘部隊を迭♪、
し▲く▲ツ◆l
兵月、武桝、食櫨等を大先に降下t、
批烈な立槻戦術を展開して、つひに同
払む政略したことは、世人の謂憶に新
たなところである.
一
一方ゾ聯革も、一九三九年末ポーき
ソド戦線に落下傘部隊む迭つてゐる
が、フィソラソド戦線における、ベツア
モ他攻略は、−主として落下傘部隊の活
翔によるものといはれてゐる.
・Lのやうに、落下傘は妃代戦におけ
る布力な武神上なつた.「轟から人の
舶が降る」といふことは、今ではもう
ノ.\.− /
多度のである.
\
\
わが国狗特の落下傘部険
しかしこ1で注馨しておかねばなら
ないのは、淋零落下傘部隊は、決して諸
外国の椎倣でないことである.すなは
ち海軍落下傘部隊は、わが海罪璃特の
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訓練と、組絞と、盤傭をもつてゐるの
である.
ニ慣落下傘で着陸外計時にはハちや
うど充つてゐる自動串から、とぴ降少
しトー,′−1
たやうな衝動をうけるのであるが、
▲−し
それだけ忙腰や脚を▲茶天にする必妥が
ある.このためにも褐特の訓練が施さ
れるのであるが、日本人はもとく膝
が強い.これは子供の時から坐ること
▲I
に慣れてゐるためで、椅子で育つた外
ひ
人の比ではない.これが弧い落下傘部
隊を造り上げるのに非常忙役立つてゐ
る.その上、落下牟部隊の弟土建は、日
●た
噴から柔道、剣虜によ.つて鍛へられて
ゐるので、わが固礪挿の武道は、こ▲
■、lけ・_
でもまた非常な箕献としてゐるのであ
】る●
また、落下傘の綿は、わが団塵の車
座を占める生糸であることも忘れては
ならない.世界各国の落下傘は、わが
】園の生糸と、イクワアの廿ハ‖萌でつくら
れてゐるのであるが、アメXカのナイ
●ん一い
ロソの如き不均勢な科挙製品は、今の
ところ絶健忙落下牟には使用できない
のである.
かつてわが国の生糸は、オラソダ、
ベルギー等の欺洲戦線忙華々しい活用
をしたのであるが、今やわが串戚のは斉
ほ▲I
】繰に出動、本木の使命を力強く槍つ
てゐる.このやうに落下傘部隊こ−く、
わが国礪特のものとして沖々たる脾#
を約束されてゐるのであつて、メナr
への初陣と、ティモール鳥への神登場‘
ょる赫々たる戦典は、その輝かし小舟
● ■允い
釆への期待を「、十分に僻億づけたも0
といへよう.
ル
噂