第二六二号(昭一六・一〇・一五)
  防空時の食糧問題         農 林 省
  翼賛壮年団の発足         大政翼賛会
  鉄道の七〇年           鉄 道 省
  最近の大陸戦況          大本営陸軍報道部
  支那方面艦隊戦況(九月中)     大本営海軍報道部
  告知板 
    臨時郵便取締令の実施、
    北支方面の振替業務開始、
    国民学校生徒冬服の配給、
    鉄製品の製造禁止
  モスクワ三国会談とその成果
  生活必需品読本(九)炭      農 林 省
  週報発刊五周年に際して
  読者ページ「通風塔」新設

週報発刊五周年に際して

 「政府の行はうとする政策の内容
や意図を広く一般国民に伝へてその
正しい理解を求め、公平な輿論の声を
聞き、また法令の趣旨や内容の普及
を図り、その他政府の各種機関によ
つて得られる内外の情勢、経済学術
技芸等に関する資料を公表して、政
府と一般国民との接触を緊密にし
公明な政治の遂行に寄与しようとす
るものである。」
 かういふ刊行の趣旨の下に、緑の
「週報」が発刊されたのは、丁度五年
前の昭和十一年十月十四日でした。
当初は「官報附録週報」として、時
の情報委員会で編輯され、内閣印刷
局から発行されたもの
でしたが、間もなく独
立し、こゝに満五年、
号数も二百六十二号を数へるに至り
ました。
 発行部数も、当初の十万余から現在
の七十数万部に飛躍し、特輯号の如き
は、「新体制早わかり」の百入十万部、
次いで、最近の「家庭防空の手引」な
どは二百万部の新記録を作りました
が、なほ一般の要望に応へることが
出来ない位でした。これは時局のせ
いもありませうが、読者諸賢の御支
援の賜ものでもあると考へます。
 この間、編輯の衝()しように当つてをりま
す情報委員会は、内閣情報部に、更
に昨年十二月六日には旧帝劇に移つ
て情報局に発展し、内外情勢の緊迫
化と共に、この「週報」の使命もい
よいよ重且つ大となつて来ました。
 私どもは、この「週報」によりよき
内容を盛り、広く国民の間に普及さ
せ、国家の向はんとするところを国
民の間に浸透させて、時艱克服の原
動力たらしめんこと願つて、絶え
ざる努カをつゞけてゐるわけであり
ますが、この五周年に際して、更に
一段の前進を期さうとしてゐます。
 「過報」は単に読まれるだけではな
く、その内容が理解され、生かされ
て、国民生活における国家的活動の
原動カにならねばならないと思ひま
す。その意味で、週報が時局の指針
として活用され、文字通り「民一億
の回覧板」としての役割を果したい
と思ひます。
 五周年を期して、縞輯上にも一段
の工夫をとこらす一方、読者欄ともい
ふべき「通風塔」、政府からの「告知
板」等を新設し、政府と国民との紐帯
を強めようとしてをります。読者諸
賢におかれましても、「週報」並びに
姉妹誌「写真週報」に対して、今後一
段の御鞭撻と御協力とを切にお願ひ
致します。

読者頁新設

「通風塔」に皆さんの
寄稿をお願ひします

 週報創刊五周年を迎へ、さらに皆さん
方との結び付きを緊密にするため、次号
を期してあらたに「通風塔」を新設するこ
とになりました。広く読者諸君の御協力
を願ひます。
 寄稿は政治、経済、文化その他あらゆ
る問題についての意見、感想等何でも結
好ですが、たゞ、真面目なものを希望し
ます。要するに、真剣な「一億の声」を寄
せて下さい。問題によつては、こちらか
らお答へもしたいと思つてをります。
 なほ、限られた誌面で掲載し切れない
場合も多いと思ひますから、その点は予じ
め御含みおき下さい。しかし掲載しない
分でも、政府その他に対する真面目な希
望などは、それ/"\関係方面へ通達して、
今後の施政、施策に参考とするやうに取
計らひたいと考へてをります。

投稿規定
一、長さは、四百字以内
一、特別に〆切期日は設けません、到着の分から適宜掲載します
一、原稿は一切返却致しません
一、誌上の匿名は随意ですが、原稿には必ず住所氏名を記して下さい
一、送り先、東京市麹町区丸ノ内情報局週報編輯室「通風塔」掛