第二四四号(昭一六・六・一一)
   国民優生法解説           厚 生 省
   ゴミとゴミ箱の話         厚生省衛生局
   第一回中央協力会議について    大政翼賛会
   海軍作戦の戦果          大本営海軍報道部
   好季来る!海鷲猛威を揮ふ
   国民政府の清郷工作

 

国民政府の清郷工作

     汪主席の決意


 国民政府主席汪精衛氏は新国民政府成立以来、常に治安
の確立と経済生活の改革に意を用ひてゐたが、これを積極
的に推進するために今回『清郷(地方の不安一層の意)委員
会』を新設した。同委員会の設立及びその工作上における
意義について、汪主席は委員の顔触れが発表された当日、
すなはち五月十一日、次ぎのやうな重要談話を発表した。

  治安の確立、経済生活の改善は、国民政府の最近における
 施設上の二大方針である。余は今年元旦の論文及び国民政府一
 周年記念の放送中に、切実にこれに言及しておいた。この二者
 は相互に因果関係をもつのであつて、経済生活が改善されれば、
 人民は安居楽業が出来、治安はおのづから維持される。また治
 安が確立すれば、経済建設は自然に進められる。清郷委員会の
 主要な職務はもとより治安を確立して経済生活を改善するにあ
 るのであつて、その責任は非常に大きく、使命は非常に重い。
 従来の清郷は政治上の力と軍事上の力とが助け合つて行くこと
 が必須であつて、かくして初めて土匪徒や共産党を一掃し、生
 命の危険が除かれたのであつた。国民政府はこれに鑑みて、軍
 事委員会及び行政院関係長官を集めて構成分子となし、清郷委
 員会を特設したが、これは独立の権能をもつと共に聯絡の効能
 兼ねるのであつて、政治上の力と軍事上の力とを集中して積
 極的に従事し、農村に安堵を得させ耕地の整理を可能にし、
 またこれによつて交通を回復させ、実業の振興を期待してゐ
 る。
工作の開始に当つては規模の大を求めないが、しかし着
 実にやつて順次歩を進める積りである。蓋し、一地方におい
 てまづ平和が確立されることが必要で、それが出来ればその
 他の地方にも平和を推進させることが出来るからである。こ
 のやうにやつて行けば、単に全面的平和が促進されるばかりで
 なく、自治の訓練・憲政実施もまたその基礎が築かれる。余は
 心力を尽して諸同人及び諸同胞と共に不断に継続してその成果
 を収めようとする者である。

     平和への陣容成る

 右によつて同委員会に対する汪主席の期待が如何に大き
いかが察せられるが、汪派の諸新聞はいづれもこれに関す
る記事を大きく取扱ふと同時に、社説を掲げてこれにより
平和陣営の前途に大きな光明が認められる理由を指摘解説
した。委員には左記のやうに、部長すなはち我が国でいへ
ば大臣級の大物を網羅してゐる。

委員長    汪 精 衛(軍事委員長)
副委員長  陳 公 博(軍事委員会政治訓練部長)
        周 仏 海(行政院副院長)
秘書長    李 士 群(警政、警政部長の略、以下これに倣ふ)
副秘書長  汪 曼 雲(農礦次長)
委 員 汪精衛、陳公博、周仏海、陳群(内政)、梅思平(浙江
     主席)、楊揆一(軍車委員会参謀本部々長 −我が国の参
     謀総長に該当する)、鮑文越(軍政)、任援道(海軍)、趙
     正平(教育)、李聖五(司法行政)、林柏生(宣伝)、丁黙
     村(社会)、李土群、趙_松(艮破)、羅君強(辺疆委員
     長)、_徳廣(振務委員長)、陳春圃(行政院秘書長)、
     高冠吾(中央政治委員)

 この委員会は五月二十二日に至り正式に成立し、この旨
を二十六日附で南京馬台街二十二号の事務所から中央及び
地方の各官庁長官宛に通知した。本委員会の機構・権限・所
管事項その他に関しては五月十六日公布された『清郷委員
会臨時組織大綱』に次ぎのやうに規定されてゐる。

 清郷委員会臨時大綱

 第一条 国民政府は各省市清郷事項を積極的に処理するため
   に、清郷委員会を特設して最高指導機関となす。
 第二条 国民政府は清郷委員会に、清郷区内の軍事政治事項に、
   関し、直接に法規を制定し委員会令を公布し或ひは行政院及
   び軍事委員会に通知協議してこれを執行する権限を授く。
 第三条 清郷委員会に委員長一人を置き、軍事委員会委員長
   これを兼任する。副委員長二人は軍事委員会常務委員一人及
   び行政院剤院長妨・Jれせ余任する。奉貫十人乃至十六人は♯
 頻軍・政各部曾長官及び音譜地省政府主席がこれ毒世すち。
 弗四悌 木曾の虚理事項及び嘉事項は左の如し。
 一、蒼軍・政法泉制宏に粥する蓑。
 ニ、清郷施設上各方面との聯終に槻する責。
  三、滞神南竣の胡先に娼する事顎。
  四、清郷憲上平・警部除の竃に糊すろ義。
  五、帝順働普に賭する事項。
  宍、宰・軍隊の給輿に崩する事項。
  七、保安陳替家隊の軌〜笹及び保甲(幹租自書の頼)#成に斗
   する事項。
  入、滞郷直内の特硬軟育及び民衆訓練に哺する事項。
     ▲て・’】は
  九、粥坐(極めて鯨畢な防築設備を有する見張益)建築に埠丁
   る事項。
  †1交通・通信・浅輸に崩する事研。
 ・T一、匪匠封鎖に閲すろ事項。
 十ニ、滞郷薗内の軽済統制及び軽済嬢凝に蛸する卒項。
 士弓滞郷軍・政槻係人寄調整に崩する‡項。。層l克上の耗
  甘憤時壷の稔Z及び破算決萎に消する責「
 十五、兵券弾薬器材糧抹の補給及び工事耕地専に拍する●
  項。
 十大、委員長交付の義毒。
♯五♯ 滞郷宮内の政務を執行し及び保安筆除蓋
 ナるために、直域を分つて清郷督葦公農毒し、これ
 を金野慈しむることを得。著公軋の簸は別にこ
 れ是む。
♯大♯・滞神域内の軍隠の指揮汝辻に耕する責む点理するた
 めに軍事蓋を乾けてこれに普らしむることを樽、
 軍事雪曾轟輿の租槻は別にこれを定む。
第七せ 木曾に秘事長一人を僅き、賓長の命、考査負長¢銀
 軋を受けて、曾内の革新を虎理せしめ、副秘事長一人轟い
 てこれを輔佐せしむ。
井入條本官e左記の各鹿を設く・第一嘩碧に嘩Tる妾
 の鹿理・琴夷政教に脚する軒項の成増孝一】巧車冴に
 附する事項の鹿塵。第四嘩輩増刊に媚する事項の虎埋。
 各鹿の組繊は別にこれを定む。
嘗九伐 木曾は必宰に應じて各鷹委員曾姦することを樽。
井十棟 木大網ほ公布の日上りこれを施行す。

  なほ、この大綱は粛五回の共産軍討伐の際の根本方針と
 政策む多く取入れ、政治的活動に重鮎むおいてゐる。
  本委員曾はまだ本部が出来上つたはかりで、現地におい
           とくl・つ
 て資持を虚理する督察串貝公著や参謀図が設壇組織されて
 ゐないので、今のところは単に準備に着手したに過ぎない
                ね・■ ●
 が、ての委員合設檻の狐ひどころは、人民の驚際生活盈安
             は ▲−く
 奉にして民心を把掘し、新中央政権の政治力盈強化して全
 市和平への目的を達成し、さらに賓玉新秩序連投の大任盈
 分簿しようとするものであつて、近きより遽きへの常道む
          一tん▲花●
 とつた観めて穏首な券紫だと見るべきであらう。それで
              れ}一えん
 は、その前途は一見遼遠のやうに思はれるかも知れない
 が、南京政府の事故と重度政稚の無謀な抗戦による幾意味
   y・一い
 な犠牲とが比較考慮jれるこ上によ少、一般人民は重度側
         一ひ1‘】丁
 のデマ宜停に引用られた誤つた民族意識、すなはち統戦
      ♯い hV
 建固の迷夢から覚醒して立直り、仝面和平以外忙中団及び
。申開閲兵の進むべき道なきを知るに室町情勢が根本的に
 故事される可能性をもち、最も時宜に潰した思慮深い計室
  といはなければならない。

   まづ鮎と線から全面的和平爽へ

  本委員倉秘曹長李士群氏が五月二十六口小火織部におい
 て『清郷工作から漕手』と概して講演した中に『床に革命駒
 管嗣的棟紳畳もつで従事するところの最も偉大にして最も
 小んよ−ん
 敷難な工作』といつてゐるくらゐで、偉大と批雑の絹両む
                   一花力一l
 探く認識してゐる鮎は全く絨蠍⊥い。岡代はまた『仝棚卸半
 は何故に迅速に資現出衆ないかトこれにはもとより非常に
 多く、非常に棋瓢な原凶と理由があるが、しかし私は吾人
 の和平鹿飼在勤はまだ局部の地方で「‡せ上に示す」こと
 をやつてゐないのが、多分救大の原田と郡山であらうと思
 ふ』といひ、単に理想を鵠書正論を唱へただけでは、多く
 且つ複雑な事情に妨げられて民心の把掘に不便だから、ど
           一
 ぅしても安虐襲実の天地麦法りあげて、せ生活を池じて卓
 民皇引つける以外に方法はない、としてゐるやうだ。
 李氏はさらにその紳演の中で『固辞的住持計負つて起つ
 人には、どうしてむ純潔にして熱烈な脊年の同志が必要で
 ぁる。故に、この清郷魚貝曾の幹部には出水るだけ多く青年
 有為の人材を収容するつもりである。』といつてゐる。これ
                 L▼▲▼こ▲′
 も注目に催する−鮎で、首肯すべき主張である。最後の】
 節に『要するに津糊工作は和平荘勅上における理想的な手
 形と現金との引換ヘ工作である。清郷エ作が若し良い皐
 立状な横範む造りあげたならば、日華基本保約の埼和も全
                       てつべい
 た賓現することが出発る。すなはち日本の撤兵、中開の政
   tん●▲,               や,くわん
 治猫立尊重の如きは、日華基本條約の中に皆明白な條款
 が規定されてゐる。吾人の清郷工作が若し成功して治安が
 確立され、経済生活が改著されれば、日本の撤兵は必ず資
 現し、政治の猫立も達成されるであらう廿音人はその時に
 五つて初めて日本と来電新秩序の嬢設の安佐分椿を語るこ
 とが出奉るのである。。現在規定されてゐる清郷直域は決
                     一−んしん
 して廉くはないが、これは順序を立て漸進的にやらうとい
 ふ意味であつて、和牛窪動は今のところまだ粘と線とに過
 ぎないが、吾人の南郷エ儒この鮎と線から着手して、
  し
 孜々として倦まずに粘と線とを結びりけて行けば、攻粛に
                   くわ′ヽとく
 各面に推進して、やがては鼻面息獲得し得るのである。
 ;・和平渾勤が今日の段階に到達した以上、眈[これが図
 家居族の唯一の明るい出口であることは不泣出外ず、そし
 て今清郷工作に藩手すれば必ず明る小事が姓少あげら
            ▲bくくbん
 れる。』と苦労の後の祭敬を祝いた。

          ×         ×

 秘曹長季士群氏のいふ『非常に多く、非常忙税雑な』和平
 の障事忙ついては具鴇的な詮明はなされてゐないが、藩
 政横と共産幾とが各自の勢力碗張の典忙供する目的をもつ
 て多年紋日道勅を繊け、間遽つた民族姦む棉孝して禿た
           しん’●く
ため、日本は中国女傑略しょうとしてゐるかに挽解して
 ゐる中国民が少くない。その同席を封手忙和平救凶暴く
                ▲Iん い
 のと政戦建幽と詮くのとの難易は常弛ある批にも察せら
 れる。この鮎が和平救閥湛勅の詣ではあるが、空耳は時
 の経過忙よつて詮明され、わが褐の鹿波む正解した人A
                        ●ヽん●一
 の主張が漸次勢力を得て、茄鹿政稚の叔柚地にさへ和牛飴
 を唱へる者が次粛に埠加してきた有様であるから、今由の
 清郷運動は扶助淡のヂマ立体昼顔と並行して朗刈の日的を
       ひつ′’●}
 達すべきは必定である。