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阿部内閣総理大臣談 (一四・八・三〇)

 今回不肖揣らずも大命を拝し、寔に恐懼感激の至りに禁へませぬ。たゞ此の上は一意専心赤誠を捧げて補弼の重任を完う致したい所存であります。
 今や世界の情勢は多事多難にして、時局は極めて重大であります。然かも東亜新秩序の確立は我が国不動の国策であり、之が為に必要なる国際環境の調節亦現下の喫緊事であります。複雑多変を極めつゝある国際現情に対しては、帝国独自の立場を厳持し、自主的所信の遂行に邁進せんとするものであります。此の間帝国の立場を理解し協力を吝まざる国に対しては、我が友邦として共に世界の進運に協力すべく、又然らざる国に対しては断乎たる決意を以て之に対処する覚悟であります。之と同時に内に於ては、国内機構を刷新して国防国家の新体制を強化し、軍備の充実、生産の拡充、輸出の振興、経済統制の合理的促進等を断行し、銃後対策の徹底を図り、以て時艱の克服に邁進するものであります。
 現事変に対する帝国の方針は、既に確定不動のものがありまして、政府は挙国一致此の方針を実践して、光輝ある段階の実現に邁進する考へであります。
 之を要するに政府は明朗闊達の精神を以て百般の政務を遂行し、国民思想の正導、国民能力の高度的発揮を期するものであります。冀くは国民諸君も亦協心戮力以て帝国既定の国策の達成に精進せられん事を望んで止みません。