第七四号(昭一三・三・一六)
  簡易保険金額制限の引上      保 険 院
  海軍陸戦隊の話  (付)戦況       海軍省海軍軍事普及部 
  国民とステープル・ファイバー  一般使用者のために       商 工 省
  国民とステープル・ファイバー  国民精神総動員の立場から   文 部 省
  北支五省を悉く掌握す      陸軍省新聞班
  討匪すすむ満州国        陸軍省新聞班
  広東の近況          外務省情報部

▼囲民とステーブル・ファイバー
一般使用者の允めに  商 工 省
  「ステーブル・ファイバーとは何か
               Hしん一ん
 ステーブル・フ丁イ.ハー(人楓)は.ハルナを原料として
              灯−一●
これに化拳的虚理を施して紡繊に適するやうに迭つた
人延焼純雑である:ハルプを原料とする人造繊緋であ
る鮎も叉その製造方法も人法相耕と大同小異である.
併し人造相耕が生糸に近い製品を得るため長い連繊的
のものであるのに封し、ステーブル・フ丁イバーは棉花
又は羊毛に近い響叩を得る必要から塩く切断した繊鮮
である鮎が雨音の相違鮎である.叉人造綿赫は一節の
 ばlし■つ
析出口(ノズル)から約三十本位紡出されるが、ステー
ブル・フ丁イ.Tは】つの紡出畑から】虔忙千五官*
も析出されるから能率も上く値段も人遽絹耗に此べて
 安くなるわけである.その上忙ステーブル・フ丁イバl
 は棉花と混じて紡概して銘を法ることも出来れば羊毛
  ▼ヽんげl
 と混紡して瑞とすることも出準その他色々な天然絨
 株と混紡交雑が可能であること、むち多角的應用の範
 南が庫いといふこと、言葉を換へれば非常に可紡性に
                        lTぐ
 官んで悟るといふことが人造絹耗上り座れた今一つの
 長所となつてわるのである.

  〓、特 報

 @ 太ミ長さ、光輝及び偶感と自由白金托すること
   が出来る
 例へば棉に混紡する場合には太さ丁五デー丁−ル、
長さ→吋牛(三二八糎)、毛に混紡する場合には太さ三デ
ーーール、長さ三吋ハ七⊥ハ糎)、綿に混紡する場合忙は太
さ∵五ヂ】】−ル、長さ八吋二一〇エニ糎)といふエ合に混
紡に最も通するものを自由に製造することが出来る.
また他繊維によくなじむ性質を持つてゐるから棉に混
紡すれば袖仰そつくりになり、毛に混紡すれば毛にそつ
くりなものになる.発揮や鱗感も息ふやうに調節出来
ることも大きな特徴である.
A 債格が安定性を持つてゐる
 ステーブル・ファイバーは季節的に生産される棉花
                  ほ・’1_●,
などに此ベエ仙業生産品であるから嬰凶の差が少く又生
産費中原料費の占める割合が綿などより秒いから原料
頒格の高低に依る便格の挙動が秒い.
B 均斉度が高い
                        ■ん‘いど
 人エで製通するため他の天然繊雑に比べて均斉東が
耗く、従つて‡際瀦になつたものを比較しても仝ス
テーブル・フ▼イバー淋は綿蘇や毛耕に此し不同率が
少い.
 C 急が喰はない
  仝ステーブル・フ丁イ.ハー製品は保存忙ナフタyy
 の如き防晶剤を必要としない.
 D 賓用に充分な強力及び伸度を有す
  強度は平均毎ヂ占−ルニュニ瓦で、これだけあれば練
 糠としての強力は充分である.又その伸度は拳毛より
 は小さいが棉花、麻よりは大きいのが普通で、伸度の
 大なることは織布上有利でステーブル・フ丁イバーの
 やうに大鹿一五%の‥伸度を有してゐればこれだけで織
 布上先づ充分とされてゐる.
   けム」lつ
 E 爽雑物を・曾まぬ
  羊毛又牲棉花は種々の不純物を含み、これを除くに
 相普の手数を婁するがステーブル・ファイバー忙はこ
 の手数が全然不要である.
 F 相曹の保温性が為る
  ステーブル・フ▼イバー耗は紡錬工程で特殊の構成
 となり耗に庖繰教具を有する稼紬な婁聞を有するので
 相普な保沈性がある.

  /

人絹のやうな冷感計輿へず保温怯も轟かにこれに貯
つてゐる.殊に最近中事物が刑発たから保温性に就い
ては論洋の故地がなくなつた.
G 保健性に富む
 紫外線透過卒が多いから健舵上も非常に良い.
@
 ≡、−舷の誤解に答ふ

 弱くない
ステーブル・ファイバーが入るといかにも弱くなるや
 又ステーブル・フ▼イ.ハーが入ると冷えると云ふ人が
あるが、勲の倖導度は棉と殆ど同じであるから別忙冷
                      ・一п|】ぐ ▲▼ひ
いとは息はれない.寧ろ保温性は瑞の撚具合、織物の
組絨、転宅の精度、浄さ等級物の客気む保つてゐる程
度如何に依つて決定されるものであるから、これ等の
鮎に注意して作つた繊物なら保温の税政に於て心配す
るほどのことはない.殊に棉に三剰、毛にこ割符度のス
テーブル・フ丁イバーを混用したものなら大丈夫であ
】る●
うに云ふ人があるが、棉に三割位のステーブル・ファイ
バーを混紡した製品なら商工省繊維エ菜試験桝最近の
             つ
試験の結果に依ると水忙浸けても強力に放て〇・七%
乃至〇・九%減ずる稗度であるから沈滞にも耐へ充分
使用し得るものと認められる.叉毛にこ剖乃至二割ス
テーブル・フ丁イ.ハーを混用したものは乾いてゐると
きは純毛品よりかへつて鋭く浪潤時に放てもあまり強
力忙J葬りはない.
A 冷えない
B
 安くなる
ステーブル・ファイ.ハーが入ると安くなるかとよく云

2
つ一
′\
はれるが、毛に三割混紡したものは純毛品に比べて−
剰稗舷安くなり、仝ステーブル・ファイバーのものなら
ば純毛のものに此して轟かに安く純毛品の約牛値で出
来ると息ふ.棉との混紡に於ては昨年米柵の異常な豊
作の結典非常に綿が安頓になつたことと、ステーブル・
フ丁イバーの原料たる.ハルナが割高のため目下ステー
ブル・フ丁イバーの方が珠分稀花上り高くつくが、.ハル
プが均内で自給出来るやうになれば米棉と同程度又は
それょり安い織物が出来ると息ふ.
C ょれ〈になつたのは普のこと
 ステーブル・フ丁イバーが入るとよれくになるやう
に云ふ人がある.それはステーブル・フ丁イバーの研究
時代ハニ、三年餌)に出来たモスリン等にはあつたかも
知れないが、現森山氷るものは非常に改良されて強力
も〓アエール常り一・五瓦位のものが三瓦経度にも達
して居り、その上紡績枚術放びに織布技術も進歩した
のでよれくになる心配はない.
D 洗濯もきく
 洗濯がきかぬと云ふ人もあるが、棉にステーブル・
フγイバーを三割混紡したものなら純綿のものと同様
に何同もの沈滞に充分耐へ叉羊毛にステーブル・フ丁イ
バーをこ割乃責三割混紡したものなら純毛のものと取
扱ひ上少しも蒙りはない.仝ステーブル・フ丁イバーの
繊物も最紀は非常に良くなり、可なりの洗濯に耐へる.
唯ステーブル・フ丁イバ!キスyyの如きものの洗港
忙は遊離アルカリの少い石瞼(例へばマルセール石鹸)
を用ひてなるべくブタッシュ洗ひ忙し、観い日光を避
けて乾燥するといつた注意をすれはょい稗度である.
E 衛生上も安全
 なほステーブル・フ丁イバー製品は衛生上意いやう
に云ふ者もあるが、保温力も綿布と同様であり殊に柵
にステーブル・フ丁イ.ハーを三割混用したものなら吸
損得産も純綿布と同様で、肌著忙しても何等心配はい
              ■▲U つ
らない.なほ子供の肌著や横線にしても皮膚に寄をな
†ことは絶封にない.アメyカでは仝ステーブル・フ丁
イ.ハーをガーゼ、晩脂綿等に使用してをるが少しも支
呼はないくらゐで心配には及はない.これを委するに
棉に三剖、羊毛に二剖乃一至二判程度のステーブル・ファ
イ.ハーを混用したものなら純線、純毛のものと利用価
値に於て繁りはないから何等心配なく使用し得るので
ある.

】ノ
2
′.ヽ