第五四号（昭一二・一〇・二七）
　列強陸軍兵器の趨勢　　　　　　　　　陸軍省新聞班
　歩一歩圧迫す　　　　　　　　　　　　海軍省海軍軍事普及部
　戦機黄河に動く　　　　　　　　　　　陸軍省新聞班
　支那事変に関する連盟会議と九国条約会議　外務省情報部　
　最近公布の法令　　　　　　　　　　　内閣官房総務課

支那事変に関する聯盟会議と九国条約会議
　　　　　　　　　　　　　　　　　外務省情報部

　　一　支那聯盟に提訴す

　支那事変以来、切りに列国を動かして日本を牽制し
ようと狂奔して居る南京政府は、予ねて国際聯盟に提
訴するであらうと謂はれて居たが、果して九月十二
日、聯盟首席代表絨鈎から手持組長宛の生見を以て
　埋訴した．共の書簡の内容は、日本の侵略は聯盟規約
　の第十億及第十一億に相箇するもので、聯盟金牌の利
　普に閑ナるものであり、日本の聯盟に封する地位址忙
　支郷に放ける行動に経み、規約第十七億の適用を以
　て、理事曾が事態に慮ずる必要な手段を執らんことむ
　ll一い
　要謝したものであつた．倫、鴇訴の基確である具憤的
　の事資に付ては、貪る八月三十日南京政府が塀盟靖
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　しlん
　及−九三三年の組合の決講によつて設定された格闘垂
点曾に封して、参考の為に繰出した日真岡庵に閲する
池報、及九月十二日捷訴と同時に上記の洩報の補足と
して黎表したところの日本側の暴状を叙逃したステト
ーメツーに依る旨を記して居る．
　斯くて聯盟は、十四日の坤書の非公朋嘉に放て
支郷の措辞を取り上げて鶏額とすることを決し、翌十
五日の純音に放て願支那代表は日本の武力侵略によつ
て作り指された極東の重大時局に付き注意を喚起する
と前塊して、非戦闘員の被専状況、．病院事故の破壊、
外婦人の被官等を基幹的に並べ、事件の経過に付き支
部−流の稔明を加へた後、事件は日下理事曾に捷起せ
られたのであるから、理事曾が白から姦し且つ行動
するか、・着くは聞穎を鹿甘忙移すか、又は−九三三年

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　・■ん●▲’
〓月二十四日の組合忙依つて設置された日支払拳に仙甲
する諮問委負曾に附舵すろかは、・今や理事曾の決定す
　べき研であると結んだ」
　更に十六日の理事曾非公開曾鵠忙・放て、支那の提案
を藤譲する手続に帥して紆譲ぬ結果、上記の諮問委員
曾（所謂滴洲事襲に関する二十三国委員曾）に附託さ
れ、同委員曾は規約第三條革二項に操つて行動するこ
とに決定されセ．ょって十七日、事務総長は米国政府
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　一，一い
　忙封して籍同委員曾に代表を流速するやうに招請し、
　米圃政府は清洲事奨の時と同じやうに、討議には参加
　するが投票には加はらないといふ條件で、ハyソソ公
　使を出席せしめる旨・整一十日に同答した．
　斯くて格闘革具甘は二十一日に曾合して、先づヲト
　ゲイヤのムソテルス代表を訊長に推し、日本、東郷、
　瀾逸及濠洲四囲を招辞することを決愛し、事秒級長は
　帝国政府に封しても藷の電報を寄せて爽たのである
　が、帝国は去る略和∧年聯盟舵温以来、非聯盟噂とし
　て文化的平和的事幾には協力するがハ政治的活動には
　l切開係しないといふ方針であるから、・今度の招請も
鹿務すべき筋合ひでないといふ態度に決し、二十五日
井の官を岡谷した．

　　ニ　措尚葬具曾の程温

　拝聞葬具曾は、支那及濠洲が参加し、礪逸は参加せ
ず、また伊太利は映席といふことでl一十七日から執事
　に入つた．恰もこれに先つて二十四日、支那側は九月
　十二日の池報の続報として、南京、蘇州、廣東等の爆
　　　　　　　　　　　　　　　　し●
　革の模様を洩報する等、切りに策動を訳みて居たこと
　　　　　　　　　　　　　　　　　　、●と・9
・とて、二十七日の曾訊忙放て、努頭願支那代表の演詮
・に次いで、クヲソボy英図代表は英図政府は無防備都
　市重態に封する恐怖の念を表明し、委員曾が跡刻之を
　非難せんことを希望すると述べ、ヂルポス（併）、サー
　ゲイノフハ蘇）、サyドヲI（瑞典）等各囲代表がこれに
　賛成し、
　　『諮問委員曾は日本峯事の女難無防備都市爆撃同
　　　　　　　●ん●・か
　頓につき緊急検討を加へたる結典、これ等爆撃が多
　　　　　　　　　　　　　　−V lヽ
　教の癖女子を含む無事の人民に死傷を惹起せる事資
　　に封し沈き感動を表明するものなり．仝世界に封し
　　畏怖と義崎の念とを招来せるか1る行動に封しては
　　何等輯明の飴地存せず．依つて委員曾はか1る行動
　　々俄敢に非難す．』
　といふ決犠が扶持された．伶、諮問委員曾に代表を出
　して居ない国々にも、この決議に参加させるため忙之
　を鴇曾に親したのであるが、維曾は二十入日の曾合に
　放て仝合一敦を以てこの決議を抹捧した．
　次いで二十九日の諮問委員合は更に小委員曾を乾く
　ることを決議し、十月一日の曾講に放て、英国、俳固、
　蘇聯邦、支那、自耳義、汲蘭、璃典、和瀬、ヲドゲイ
　ャ、濠洲、新西蘭及エクアドルの十ニケ固を重点と
　し、光岡を諮問委員曾に於けると同様の資格を以て参
　加させること1した小委員倉が出来た．
　斯くて小事鼻音は真野事筆に翔する報骨曹の作成に
　取り掛り、五旦一つの報骨曹が格闘委員曾に繰出され
　た．帯同委員合性直ちに七め報葺を姦した後、こ
れを托持したが（報号音の内容に付ては次項に並べ
　る）、瀾捷に際して璃西代表は政府に緒訓の飴裕がな
　いとて間栃の本質に頼る1ととなく棄権し、加奈陀伏
　表も政府の訓令が到著する造留保し、コマルー「ツキー
　渡瀬代表は『この報普は法律上から見ればい郁くも紛争
　の存凄するときは、之を虚理する籍には、之がため明ら
　かに定められたる規約の條項に凍るべきで、其の樺晩
′は理事曾に属する．然るに是等の條丈を引用すること
　なく漠然たる第三條に操り、更に叉他の行動に出でん
�a↑るが如き払手頃上も前例がない・且つ合議は聯苧
　主宰の下に開催されて居る関係上、或る】部の囲に委
　任を輿ふるが如き感があるが、之に脾輿し養い囲が右
曾熊のために瀬見し待ない何等≠の義準を負ふが如き
　ことも認め待ない．まして曾講掛討の政治的教典に付
　て比倫吏舞岡がある．』との理由を以て留保をした．
　然し投票の結兵は以上の三珂の稟穂を除いて珠拝さ
れた．嘩この報骨曹と併せて左の如き決擁案が池過
　し搬曾に造られること1なつた．
　　粛簑曾は日東紛争に紺⊥持同委員曾よ少繰出
　されたる普昏を総合自身の報号音として珠捜し、
　報普の筐叩に含まれたる捷案を乗組し左の如く決放
　す．

　一、組合訊長に封し丸岡倹約加盟国たる聯盟図の
　　倉持を招集する実につき必要なる行動を執るこ
　　　とを要請す．
　　〓、組合は支那に封し道徳的支持を表明す．
　　三、組合は各聯盟囲に封し支郷の抵抗力を窮め以
　　　て現在の欝忙放ける東郷の困難を増大する如
　　　き行動を悼むべきを掛合す．
　　四、組合は各聯盟図に封し各と支那を援助し得る
　　　稗度を考破すべきことを拗音す．
　　五、総合は今次総合を閉合せぎることに決し鵠長
　　　　　　　　　し　▲ヽん
　　　に封し路問委月倉の嬰締ある場合は何時にても
　　　組合を招集するの横阻を賦興す．』．
　この絡同委員曾忙引続き同日夜総官が開かれ、上記
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　、▲●と，
　のこ報骨書及決訊案が村議されたが、努粥遁縫代表
　は、同国が掛率常事図蟹方と親拳闘係にあることを並
　べ、政府に締訓の暇なしとて菜種毛宜写したが、沈潜
　舵衷も小委員曾に放けると同様の主旨を以て留偵を
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　小▲7小ん
　残し、措成代表も、斯の如き重大なる決定を清翰な報
　骨を配布した後、直ちに投票に閏ふが如きは熊事乎綬


上全く不曾であるとし、これまた請訓の吸がないとの
理由で真横する官を並べ、甫阿代表もこの故に賛成し
たので、途に托決は六日に持ち放され、同日の曾熊に
於て結局披蘭及一撃撤の二固は薬楷し、共の他の南の
賛成によつて、二二つの報骨書故に決難業は原案の漁少
可決された．

　　三　文郷事単軌音字の内容

　小委員曾に於て作成された報肯‡は二つあり、共の
第lは四部から成り、弟−部は事襲の耗綽で、事件の教
職に関する日支南開の官ひ分を引用し、北文及上海方．
　南忙於ける我軍の活動、海軍の支那椴舶舵行禁止及姦
軍の活動の状況を記し、日本が大軍を支部に晩鐘して
　居る旨を並べ、第二郡は法律関係に閑する解樺で、北
　清事変決定考丸岡倹約及不戦條約のlニつにづいて解
　給し、其の他日東官憲の間に地方的に締結せられた協
　定は、何れも以上の三つの條約の規定を変更或は数カ
　を失はしむることは出来ないと祝して居る．
　草ll郡は事契そのもの1解樺で、日本軍が戦闘を行
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　■
　って居るのは、支那の主確及領土の保全を食重する義
　粉故に支部との紛争は共の性質及短慮の如何を間は
　ず、共の解決は平和手段によつてのみ行ふといふ義秒
　　　▲ていし一く
　に砥堀するものであるが、唯犬れが自衛上必要な手
　段であることが狩明された場合は美文へないといふ前
　線・で、先づ支那側の七月十七日附蒋介市費明中の事件
　解決に関する四條件、王外交部長が七月十九日日本大
　使館に事変せる登書きを引和し、攻に日本側として七
・月十四日の識曾に於ける泣衛首相の答辞、九月十五日
　の情報部長費明を引川して・事奨常初に於ける開園の態
　度を赦し、更に日本側の主張として七月十一日附の内
　閣鞋明、七月二十七日の近衛首相の滑詑及九月五日の
　鹿田外相の演詮を引糾し、これに封して支那の熊度は
　不華であつたとて七月三十日の隼明を引用し、伶、日
　本政府は第三国の介入を拒絶するの決意を表明したと
　七月二十九日の竣昇級曾に放ける庚田外相の答辞故に
　研盟の拍締に封する岡谷を引用し、また支那の熊度に
　押しては級曾及責曾に放ける支那代表の黎明を参照
　して、支郵政府は七月十九月附発音め方針を今何掛算

　して居ないと結んで居る．
　弟四部は結論で、日立雨固が紛争の叔墳及最初の敵
　封行璃の勃発を導ける事件に紳して、甚だし（井の見
　解を異にすることは明白であるとし、日本軍の支那侯
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　・′1フlI
　入、北立地方の軍事的舵輔、支那港岸の封銀、棟弊に
　付ては耗ふの飴地なしと断じ、委員曾は事‡を検討し
　た上、日本が支部に封して陸上、海上及杢中より加へ
　っゝある軍事行動は本紛争を惹起せしめたる事件と
　けん山，
　櫛衛を失することであり、斯る行動は到底日本の政治
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　い▲′▼
　家が其の政許の目的であると碑官した南南開の友絶的
協調を容易ならしめ若くは促進する析以でな〜右は
現存する法律文盲又は自衛権の何れによるも是認せら
　るゝを待ないものや、一九ニニ年二月六日の九飼俵約
　及一九二∧年八月二十七日の巴鼻協定に基く日本の義
抄に速反するものであるとの意見を表明せぎろを待な
　いと結論して居る．
　第二租魯‡は、聯盟は規約及條約に基きて現存す息
轟持に従ひ、東常に掛ける速かなる平和の克復と訳み
　るべき棟利及轟秒を有すと笹し、r今次の私学は日本

　の條約義務蓬反を匂曾するもので、之を以て本来日東
　南囲政府間の真の方法により解決せらるべきものと
　為すことを符ない．之に度し事態の全般は、之を最も
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　“レ●ん▲−一
　考慮に入れ、規約、圃際法及現存緒條約の規定に適確し
　て中和を再建せしむべき通常なる一切の手段を捻射せ
　ざるべからずと述べ、聯盟は常事閲の一方が塀盟図で
　なく聯盟との協力を明由に超絶したる事賓を看過する
　ことを持ずとなし、徒て聯兇絶食の摺るべき第一の
　措敬として丸岡倹約の締約糊たる諸岡を招誇して右
　の協識を開始せしむることにあり、更に協兜により掛
　率を終止せしむる手段を講ずるため、東亜に特殊な利
　事関係を有する諸閲を之に協力せしめることを帝望す
　る旨を並べ、最後に支那に対して共の構紳的支持を衣
　明し、支那の抵統力を朗からしめ依つて本紛率に放け
　る同国の困難を増大させる惧れのある一切の行動を塞
　栓ふべきこと、及聯盟各圃が個別的に東郷に封して輿
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　くわんし●l
　ふることが出来る援助に関して考慮せんことを勒共
　せんことを要辞すと結んである．


　　可　九靖條約輿†悌の準備

　以上の如き報骨書及決放棄が聯盟組合に於て討講さ
　れて居る折から、米臍シカゴ市に於て口−ズヴェルー
　大統領が碓氷の中立政策から列臍協調義義への坤換む
　意味するが如き演詮を行ひ、更に重ねて翌六日には、日
　本の行動を以て丸岡條約及不戦條約に速反するもの
　であると認める旨の囲粍省孝明が発表され、聯盟の日
　本非議の態度を支持し客演するといふ情勢に立ち至つ
　た．共に於て帝国政府は十月九日、外沌省孝明を以
　て、聯盟故に米国路省が、今次事攣の賓怖及帝珂の虜意
　を釈解せぎることを甚だ遽憾とする旨を発表した．
　然しながら、聯盟は決党に従て準備を進め六日の
　組合払了後、直ちに鵠長から日米を除く英、俳、伊、自、
　蘭、葡及支那の丸岡條約締約固（南阿聯邦、薮洲聯邦、
　　　　　　i▲−”rI’ン】F
　加奈陀、新西南及印度を含む）及共の後加入した
　l▲−′ン　′ルケエー　　　　　　　　　　ノ●シ　〕
　璃典、諾戚、丁辣「ボyゲイヤ、及晶西苛を加へて
　合計十七ケ囲に封して藷炊が築造された由である．
　然し九観使約加盟観音譲は、井の開催地、時期及、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　■
　昭逸、萄聯邦等の招持参加岡頓に翔して種々な同額が
　ぁり、結局英米の肝煎りで白耳轟のプーフッセル市に放
　て開催されること1なつた．この間の滑息について
　自蓑の新朔は『自繍政府としては招謝状を頚逢する
　帝に、曾熊を成功させる櫻曾の最小限庇を確保しやう
　として居るのであるが、日」伊粥団弗に気乗り薄であ
　り、若しも日＊が拒絶し、伊太利が礪逸の紹甜がない
　のを口耳として賓和すること1なれば、白何故府とし
　てはプヲッセルに放て合議を開催することを希望しな
　いやうになるであらう』と侍へて居たが、井の後各方
　面との綜僻も椚準曾鶏成功の見込みもついたもの
　か、自嘲政府は十五日夜『自国政府は米団の萱同を待
　たる英国の懲術を完成せんがために丸岡條約著名囲に
封し、極東に放ける形勢を捻紆する目的にて」本月ブ
　タ，セルに舎熊を開くこせを埠秩するに決した』とい
ふコyミニ；を韓凄tた」均整十六月、早くも米
囲南秒省は、九囲條約翔係閑曾陽に押する自国政府の

　招謝状を受領せる軍及同曾講の代表としてノルマ
　y・ヂゲイス大使を、また顧問としてスタソレー●ホl
　yベ，ク及ジヰイ・．ハイレyポyト・モフ；トハ固辞
　省欧洲部虜）の両氏を任命する旨を韓表した・又、二
　十言H、駐日白闘犬使を泡じて帝財政府にも正式招請
　が到達したのであるが、その口上曹の中に『同條約粛
　七億佗基き東更に於ける事態を捻討し1且緑地域に行・
　はるゝ遭憾なる紛争の経緯を促進すべき友好的手段を
　攻究するため』と曹かれてある．
　斯やうな鍵締で愈尤埼條約加盟拷の合議が十月三
　十日に関宮先づ極東の情勢を一應捻紆した上で、俵
　約著名頼以外の囲むも招緒すべきかを決定し、共の後
一瀬体合し、十〓月払入つてから曾払せ再開して肘執
　を進めることになるであらうと謂はれて居る．果して
　曾訊の成行は何うなるであらうか、日本としては珠玉
　審議の上封乗を決しなければならね．