第四三号(昭一二・八・一一)
 事変第二特集号
 平津地方の掃蕩          陸軍省新聞班
 事変と帝国海軍          海軍省海軍軍事普及部
 在支邦人の保護          外務省情報部
 銃後の後援            社 会 局
 国家総動員の構へ         資 源 局
 暴利取締令の改正         商 工 省

事変と帝国海軍   海軍省海軍軍事普及部

 今次事変発生以来、我が陸軍は北支の野で華々しく活動して居るが、帝国海軍は一体何所で何をし
て居るのであらうか。
 帝国海軍の行動は、作戦の要求上から秘密にしてあるが、実際に於ては事変勃発以来黙々として所要の準備を進め、機到らば疾風迅雷的の行動を起し得る様既に諸準備を完了して、大部分は満を持
して待機し、一部は現に北支に於ける陸軍の作戦行動に対応して活動して居のである。
 而して今次事変み於ける陸軍としての役割は、大体次の様である。
(一) 陸軍の北支に於ける作戦行動に直接的に協同すること。
(二) 支那各地就中山東、中南支に於ける在留邦人や生命財産の保護、竝に帝国の権益擁護の為に警備任務に従事すること。
(三) 帝国の事変不拡大方針に拘らず、事態拡大せらるゝ如き場合、之に対処即応するに遺憾なからしむること。
(四) 第三国の謂はれなき干渉を未然に抑圧すること。

   一   陸軍の北支に於ける作戦行動に対する協同

 陸軍の北支方面に於ける行動に封して、海軍とし
ては極力之に協力して最善の努力を払ひつゝある
が、其の主なる任務は海上の制圧と警衛とである。
 支那の海軍は現在巡洋艦九隻、砲艦二八隻、河用
砲艦二三隻、其の他を併せて全体で各計一〇六隻、
約七万噸を有し、中には寧海(ニンハイ)、平海(ピンハイ)等の新鋭の巡洋
艦もある。又海軍航蛮虜には水上飛井浪君千を有
し、上梅の斬朝鮎郡郎では飛行耗の製作も可能で参
るが、何れにしても安郷の海軍航察勢カは大し陀こ

とは夜い。而して帝同港罫はこれ等支郷海軍に封
し、安郵窒懐些瓦り完書る耶野敵伽して居
る。されば我が陸軍は何等の不安なく海を渡り、内
地との舶削邦那に付<少しの心配もなく、北安に於

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†ん一んしかしむ小lモは▲▼らいげくはつ
て思ふ存分の朽動が出水る謬で参る。乍併、上海事轡常時、耳艦出雲の側で支耶側の機笛が爆韓した
様なこともあり、又支那罪飛行横が海上に飛び出して本ることも有り得るから、海零としては萌仝を
きrいだんや′ヽヽやうlつゆモう●モ1せんたいコl√
期する為、陸耳の部除及器材、呼稟、糧耗等の港上輸迭に封して、直接或は間接に輪迭船隊の護街に
’l’■一,
常り、又釆要なる港滞、水路の安仝確保に任じて居る。去る七月二十九日、三十日の大肪に於ける我
にんむ†ゐかIベイホウ’ンシン†ゐろ
が崩逐隊の砲鞍は、この任務超行の一瑞で為る。白河は天津に直接通ずる水路で、釆要なる交漁線で
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あるが、其の河口の大肪に占墟してゐ陀支那軍は、我ほ敵封行為を執り、白河の安仝が脅威ぜられる
ばくけ・†あひl寺lた与−
に至つ陀ので、陸耳と協同之を砲鞍し、陸翠飛行横の爆畢と相侯つて同地に居つ陀支那兵を挿藩、白
河の水賂を確保し陀ものである。
でかたばんゐ
何南京政僻のH方如何に依りて、今後北支郡の事態更に惑化し、耳事行動範飼一屠燐大ぜらるゝに
車らば、陸渾の行動に聴じ我が海軍の協同範囲も之に伴うて按大するのは必怨で参るが、之に封する
じ巾んぴげんたんく∩んせいち}こ
海軍の準備萬瑞は悉く完盤し、我が賄兵は卒拘たる費悟を以て賓カの浦を持し、士気極め七旺感で参
る〇
二支那各地の∬警備
く■レんけい▲入い
安耶に於ける帝圃の経済括動は、満洲閑に於けるものと弗に赦十年に亙る我々日本人の昔心経沓に
ちせあ月ちこくきい−−・}Lや′ヽh●
依る汗と膏との綽晶で参つイ、これが我固の開際牧支に重要なる役割を為して居るととは今更申越べ
け、・r√くいつどうなはげはい
る迄もない。一方現在の世界は、各圃央々其の経済活動の純張りを舷重にして殆と他囲が之に道入り
もんこかいはうきくい、・きんとうけ√rいくいつど’
込めない楼にして居るが、狗り支郷は門声閑放、横曾均等の主義の下に、各闘が自由に経済活動を虜
Lけんほうふばくだい
し得る只一つの自由市場であるのみならず、岡内は資沖柴宵で参り又支郷の桝億の民の椚費は英大な
るものとなり得る。従つて支郵は我闘にとつて現在は勿論耕凍とも最もよい仰場で参つて、今日日本
ぢはんも
が支郡に有して居る経瞬活動の地盤は、日支共存共祭を根本方針として之を守り立てゝ行かねばなら
?フ丁こう〜うゐきじやうじ
ない。即ち帝閥梅畢はこの見地に立つて、支郷治岸、稗子江流域に常時艦舶を配し、帝開領頚官窓と
けん入きよlごLん†んくhんけいぞうLん⊂レ
共に在留邦人の保護、帝閲の有する各種梯益の擁護に任じ、更に日支親審陥係の檜遊に努カして居る
もので参るが現▲在配備中のものは、


第三艦隊(司令長官長谷川申牌)
旗順要港部(司合官前田少渚)
馬公妻港部ハ司合官和田少渚)
駈浦海畢部(司令官月此野中牌)
の艦艇で参つて其の数約三十隻で甚る。
右の内、郎湘淋耶触の鮎掛齢耶眺僻賦帥剛叡蹴は、北浦の固項河川黒龍江及松花江流域に普ノ、旗
こく。’こ,せ・’かこ・’
ぽつかいhんひ◆
咽要港部艦船は拗梅輝附近に、第三艦隊の中、下村少渚の卒ゐる一部は富を中心に1第三艦隊司令長
官直率の軍舵出雲は上海を中心に、谷本少耕の卒ゐる一部は揚子江流域に、更に大熊少渚の卒ゐる一部


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及数州封濫聴舶は絹究一神ほ衣りて響備に従串して居る。本年七月下旬現耗の管備舵船の配備は左
ふ′ヽrつ
求の沌りであるが、耗倒邦人救最も多く、且各種封外開係袖鶴なる上海には、新式機械化ぜる我が沖
許陸師隊駐屯し、何井の一部を漠口に介沢し、舵船と協力厳丑なる甘僻姦し<居る。
支邪椚躇各地響僻艦船
地名一替備艦及陸畑除苛名替備艦及陸教除
拍箔餅、ニ長沙砲、一
芝繋騨、一宜員砲、ニ
守島巡、ニ笠慶砲、一
上海巡一、砲ニ、防ニ、陸鞄除裔州餅、ニ
南求砲、一庇門巡、一
耗湖砲、一池研巧二
九・、江砲、一庚東併、一
沃口巡一、砲ニ、陸叫除
三支那の反日
南凍政府は年水反日政柴を執り、之を開内統】の一の具として居ることは周知の組りで参るが、斌
はいにちはんにちか’にち∫にちあなと
本は排日、反臼より杭日、倖日(臼本を悍る)と進み、最近に於てはこれ等各棟の紛率は港軍の響備囁
た●■
域に閑係参るもの丈でも次に示す如く殆ど絶え開なく起って居る。
−ノ(1・d
山上海中山事件
昭和十年十一月九8上海特別陸戦隊一等水兵中山季雄射穀ぜらる。
似池萌事件
時和十一年一月二十一白角田弘査出勤の汝中狙鍵せら≠郎死す。
桝上港萱生串件
七月十日笹ゼられ死亡す。
叫長沙車件
八竺首郵人樫曹の蒜伶ハ都甲睦董曹H浪嘗玉突驚爆警投e誉もの参牡茸壷
\\
其の他を破壊し邦人一名負傷す。†
刷成都事件
八月二十凹8大毎記者渡遽洗三郎、上海尋日記者粍川経ニ、浦蛾上海事務所貝田中武央、
弁湊口商人瀬戸何は成都暗滞在中暴漁に普せられ渡逸、溌川の南者は死亡、田中、瀬声は
葛、何れも朗持口拳瑞奪せられね少。
喧k海事件
九月三臼中野順三、艮衆に依り穀沓せらる。
川漢口串件「1d

\\
「d

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九月十九臼日本租桑界線に於<勤務中の曹岡弘査は白室狙弊せられ帥死チ9
件繩C田港串件
九月二十三日午後八時二十介↓海共同租界円を散歩中忽串零衆組水兵三名は轟人の為後
方より狙撃せられ一等水兵田港朝光は即死、一等水兵入蹄良胤及二等水兵拍利薬鼓已は塞傷
を負ひたり。
桝湘濱事件
九月二十七H日河汽粉串務朗及倉辟に放火を企てねるものあ汐。
件纃`高瀬串件
十一月十一日笠置丸鮨貝高瀬安次狙撃せられ帥死す。
仙山末省海岸漁船胡留串件
昭和十二年三月十一盲荒天の項山駕角附紀に凝泊中の我が漁埠衰を不浅抑留す。
倹蝸梵ツ山巡査事件
昭和十二年五月二十二日糾朗帝固領串館骨山巡査は支那響察局貝の褒、象宅度入不法拘引
の上、拘留せられ暴行を受く。
竃u海潜漁船不法射故事件
昭和十二年五月二士音日本漁糖第一長州丸、第七島声丸は白河河口に出漁中、女郷祝鵬
J.\\
盈観船の浪跡射隼を受け第一長州丸触長負傷す。
ば,〆いあサはくつ‡ゆ
而してこれ等の事件には臼貸排斥等我が正常なる粒憐析動の妨磐健泊は附物となつて居るが、臼本
。んじんあいご争や’
在使の支郷人が如何なる場合にも我が官態の保誰を受け、隣人の変維に依りて安仝桝朗なる生活を享
ちくさらLん〆い
熊しっゝ参るに拘らヂ、我が在支同胞が生命の危瞼に塊され、攻が樺益の使磐ゼられるのは萱こと
ゐかんいつやせいはつき
に浪械に堪へない、然るにも拘らヂ、我が在女同爬が、何時野性を凝揮ずるか知れぬ支郷人の中に伍
L●入いくlTしとゐ
して、孜々沓々とし<開衆報展の最前線に所椛しっゝ参る男鶴は拘ほ偉とゼざるを待ない朗で歩る。
あは
而して今次事埠凝生するや、南京政府は反H宜樽に狂奔して岡内の杭臼熱を焔り、鹿衣敢及典轟篤
▲すや1フは・’げlん
等は相呼鷹して杭日に晴碓しっ1参るので、支郷金土には今や狂暴なる拭H概鎚潮漫し、各地在留邦
るつ一ほ
人は賄ほ反日の甜桐中にあるものと謂はねばならZバ
四隙忍の梗楷響備任静1\確
野如き邦人釜川誹し、晰糾顔戯ほ雪てト蟄響怠びつ1豊鳥、朗
女薗事官意と協カ、苧廠然たる無言の武鼠針以て、我が在朝邦人の保逢に萌金を期する或が艦糖の
こんlすゆiき′ヽぐhいLやとlノてい婁
替備の寄心と、日常起居の飼窮とは、局外審の到底想像し難き朗で参る。
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8高ほ紛争が生じた場合、在ちほ賓カを行位するのであつ池ならば、我々武人として執るべき虜
ちかんわいちよくさいむこお▲ぱさr
直は簡明直故であるが、箕力行使の頼果、無事の良民ほ髄事を及七陀少「或は臼文開に深い沸を作

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。きもくLんけい入い甘けんむ●
サ、又は耗留邦人が仝部引掲げねばなら瓜様になつては、教十年本菩心経螢の地盤は一朝にして無に蹄
おモhゐLん●づウLよ●なみ
するに至る虞がある0掛那なことになら瓜械に而も帝駒の威信を傷け瓜様に虞理して行くことは泣
たいていかた
大抵の昔心ではない。今次事噂勃費以凍、帝岡海軍は不蝶大の方針を堅く守つて北昇以外の各地に
ば17小あち血るいLき
邸墳の汲及しない械に凡材努カを頼けて鳳るので参るが、濃械乍ら前越の如く反日杭日意誠は益{
Lんこ′ヽくhふLや,
滞剥北し<今日の情勢に於<は何時何朗で不群事件が突凝するか介ら瓜造に立到つて居る。一度何朗
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かで不群串件が起らんか、揖ちにこれは粂支に和如して、支郵金鰻は晰の尉首っ・い咋様になる虞が
多分にみる0期の如き邸態に立到るtとは文郷自身の鳥に決し<利益でなく、又日本としても萱こと
に繋萱しからざるところであるが、支郵側が自ら求めてこの成な跡か鮎耶く以音本とし音致し方
いんにんじちようけんとつ◎
がない、隙弘自亜にも限皮が参る。現耗の惰勢で湛み、支郷側が盈モ固に轟って水るならば、在留
書ち
邦人の生命朋売は勿論、我が構麓も彼等の悸審に塊され、帝閑の威侶も傷けらる、に至るであらう。
今後弗帝閑海黎は弘べる丈は弘び耐へられる丈は耐へるが、苗一右の如きに立到らば帝閑海軍は断乎
として干戎を執つて立たねばなら瓜。而して之に封する鮮軒入郵僻は批に成つて居る0
かんくhと
五結び
竺輩の就からb毒墳に付違べ宗、今歪礎に於け最軍の任番が掛欝鮎批で雲
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<、如何に昔心を要するかは大憫了解出凍たと息ふが、更に考へねばなら瓜貪要なことが何一つあ
lL邑針.蔓蔓
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けん人●寺くモ,い与lウてい々†い▼lかし甘丁′
る。印ち、支郷ほ於ては列固の樺益が措掠して居る上、麦邪は以夷制夷の政兼に基き列粥の干渉
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を企陶することは常然あり得ることで、第三岡の不曹なる干渉、麿池を受くるに室る庚が多介に参
る0之に封しては帝圃の耶和椚耶は勿論、帝同仝領として行動を従水沌厳重公正ならしむることが枚
げん官●’こ●’せい
くhウ†くユ†たい.ばんわん
本要件で為ることは言ふ迄もないが、これと共に外交方南の活鹿に期待する反南に於て、帝尚潅軍
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が其の成カを以で西太平洋の護に毒未の不安なからしむることは最も必要で甚る。海軍としてはこの
方南にも郎卦郁なき横、椚蹴を砕いて居る。
斯L野レ凍れば、今次の事襲は支郷に付てのみ考へても鵬る機飯にして拘難なる岡堰が為り、壷に
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・}−一−いて●ヰちんヰ1rlばl†・†いさり
岡際的にも裁多の汲瀾を包耗して居る。されば帝同としてはこの際よく此を据ゑて、事態を椅察し、
†いへいLんき−,ふ†んゝ
押平、僕重事に臨み、今次事鍵の光輝甚る頼未を見る如く、孝何一敦、大地に足皇塔みしめて書鹿
すべきで為る0