第二四号(昭一二・三・三一)
紀元二千六百年に就て
内閣紀元二千六百年祝典事務局
国防上より見たる米穀の問題 陸軍省新聞班
我国に於ける犯罪現象 内閣統計局
永代借地権の撤廃成る 外務省情報部
最近公布の法令
内閣官房総務課
団防上よれノ見女る米穀の問題
陸軍省新聞班
一緒言
云ふまでもなく米敷は、日本人として一日も秋く乙との出衆ない主項食糧であると共に、岡民の過
牛を占むる盤民の最も霊要な生箆品で為り、岡防上より見れば軍隊及銃後開民の給養を碓保し又その
個格を温じて粥接間接固民生活の安定に影伽簡ずる朗極めて大なるものがある。帥ち固防の見地よりす
れば、戦時の食粗として米は数盈的に十分常要を充足するに足る豊宮なる生産があるか、君くは代用
賓源にょつて之を補ひ得るの途が為り、出征耳と開民の生活とを確保し得るに参らざれば、徹底ぜる
†ゐかl。い
用兵作戦は超行し得ないので参つて、戦略戦術に秀でた、かの大戦骨時の狗逸に参つても食糧映乏が
苛lつしつ
耳隊の職闘カの減退と、固民の戦意の喪失を凍し、慈に致命的な敗因となつた乙とは眈に周知の事箕
である。乙ゝに於て固防の見地より米の岡鴇を考慮するときは具宮なる生産、邁切なる供給の調節、
入’せい′
合理的なる消費等に閲する施発の貿現が要靖ゼられるので参る。
ニ生塵の維持檜加
ノ
最斌に於ける米の生産は、内轟を通じて著しく檜加ぜられ、又睾にして大なる凶作の裳凍も無い
ため、平時常要数盈としては不足を威ヂる乙ともなく、唯債格の間壇が残ってゐるのみで参る0然し
ゐ
一朝天災に遭はんか極埼な減収を水ず乙とも参るべく、或は戦時を穐想する時は」兵食としての集輿
的使用、漁備盈の捧置等によつて常要が檜加ずる外、戦時券カの減少、資本の韓用にょる生産カの滅
少は免れ搬い朗で、ために今日の生鹿景を以て常に満足すべきものとは謂ひ難い0欧洲大戦の例に依
ると参戦列強の盤鹿物減牧は二割乃至糊割にも及んでゐる。
さればとて、勒時の帝要を頼準に平時不用なる米の生産を計る乙とは、元衆無理な要求で参るが故
に、戦時に於ける調節は別に考慮ぜらるべきである0併し乍ら、債格の調節のみの見地より時に米の
生売制限、朗謂減反間題が提唱ゼられる乙とが参るも、圃防上より見れば天候気温の鞠係上自然に生
く卜ん▲す
ヂる米の蒜的檜牧に封しては、貯蕨、新親用漁の閑拓、購男力補足にょる常要の喚起等にょつて
乙れを解決すべく、人為を以て俄に土地の利用を輯化し、又は減産を強制ぜんとずるが如きは極力避
けたきもので為る。
然らば米は牢戦南時に於ける固民の主要食樋として、多々琴群ヂる見地より一概に檜加を計るべ
きかといふに、それには土質、気象の制約多き盤作物としては自ら限界生産粘参るべく、従つて無毯
なる生窪塊働を馬す乙とは普でない。但し戦時絶封裔要敷量の埠加に封しては、線動月上の綜合観
モうがふ
察にょつて檜産の計室ゼらるゝ乙と参るは言を要しないで参をノ0
07
】別い
三供給の調節
米は土址の生売物として反骨り収最には限皮が参り、工菜生産物の如く生産敷量を穎期間に任意に
棉加ずる乙との焚難で為る乙とは前述の如くで参るが、一方天條気温により紫凶を支配ゼらるゝ結
兆、供給の調節は収穫後の現物に耽て乙れを行ふより外は軋い0そ乙で、考へらるゝ供紛調節方法は
長期貯減で雪て止轟老個人、止轟老の糊鰯、又は政肘パ於‡官該年皮秒渦刺米姦欝ずる乙とが
救も繋慧しい。乙れは大鰯現耗行はれてゐる朗で参るが、貯減の施詑及貯減方法の技術的部分に耽て
はなほ研究を要するものがあると思はれる。それは、☆米が食味を漸次喪失ずjため長期貯減品は飯
米としてその憫偶が著しく低下し、伺格の引下を飴俵なくされ貯減老の負桁が檜加ずるを免れないか
らで参る0乃ち貯減開に於ける食味及輿養分の喪失防止、或は乙れが補備法又は飯米以外として台吋/
ほし9▲J
の史生利用の方払を徹底的に研究賓現ずる乙と及貯蕨の施設その他に封し或稗皮の補倍の途姦じ
貯減を容易ならしむる乙と等で参る。
固防上の見地から貯減盈を考察するに、固軍の閑戦初期に於竹る英大なる常要を急速に充足する乙
はrかひ1す
とが作戦上最も重要で参つて、慣に乙れが補境期に浦遇するとゼば甚だしく危瞼なるが故に、米の貯
減は桝李を漁じ常に固防上の所要量が保持ぜられる乙とが最も望ましい。而して乙の米は貯蕨者の如
何を間はず固民仝般のための備荒貯薔と、有事の際の大量急遽な常要に充常ずるため、固家に於て統
制して管理利用ゼらるべきもので為る。
現制の水穀統制法に因る政府保管米、自治管理に属する貯寂米の如きも、必要に際しては遽時囲防
上の用途に供ゼらるゝ乙と為るを預期ゼねばならない。但し乙れがため個人々々に封し特別な負婚を
祝すべきでない乙と勿論で考る。
四沿賓の弾方性
米の銀耗は前述の如く額年必ずしも玲想池りの籍兵を禅難い、又供給の調節にも自ら限度が参つ
l亀んくhつ
て、甚だ岡難で為るため虹に甫要に押力性を材ゼしめて裔給を糾鰍ネらしむる乙とが必要となつて
水る。それは水の渦刺参る場合に於ては主食以外特に工菜的利用にょつて椚北を計り、又不足の場合
は米の位用制阻、米代用として、パン、鶴穀、甘藷、馬鈴薯等の利用、又は化畢的合戌酒の普及等に
ょる節約が恍時過切に行はれ村る乙と及卒時より乙れが容易に行はれ禅る如く訓練し置く乙とが常給
調節上権めて肝要で孝る。
戦時に於ける氷の供給不足甫要増加に封する方策は、平時鱗饉に於ける封策とその趣を同じくする
もので弟つて食横の特化、節約の励行等を機に臨み賓行して限参る供給に調和ぜしむべきで孝り、か
かる施設に付ての訓株例へば米撫しデI、酒無しデー、亥米飯週間、節食週開の如きは現下時局に於
て締ヂべき封策の一である。
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ゝ
空陀消費者個々の食規貯務も常要に河カを有ぜしむる上に有カな方法で参る、特に交洩の発達、配
給組織の完備にょつて、調押が飴りに便利に過ぎ個人々々に穐備貯減の鞄念の一般に牧乏ゼる今日に
かり
於ては、一朝串参る場合、傾に一時にもゼょ、運輪交滝の支障等にょつて供給の杜絶する乙とを預想
するときは悌然たるものが参る。恐るべき察染の額達は何時如何なる脅威を水さ瓜とも知れない時代
に於ては個々の家庭に非常準備の米の備へを設くる如きは最も望慧しい。
五消費の合理化
米の滑費合理化に閑する要盟は一、ニに止まらないが、その最も切貿具鰻的なる串項は次のこ項日
である。
トhl了nてい
(一)無砂鴇梢の励行
米の混秒拘構は鴻椅時開を若干鰻締し、出水上り梓米の外見を少しく良くするのみで参つて、食
いたづち†ゐはん
品としての侶偶を増加するものでなく、徒に貴重な養分を擦滑し、炊飯のためには時に入念水洗
の手数を要し之がため養分粒子の流出を水す等乙れ程無駄在ヱとはない。軍事上より乙れを見る
ときは、軍陳は炊事のための時間は極力節減するを要し且又その行動地域は必ずしも水を得る革容
易ならざるため、洩常水洗せずんて炊飯するを原則として訓辣してゐる。乙れがため混砂米では軍
用に供するに不連官で参る。乙の乙とは一般圃民常要品に鷹用しても亦通切で参つて米の有する有
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用な要素を刺す朗なく吸牧し、水洗による粒子又は養分の流出を防ぐ等滑費の租本原理に合するも
のであるのみならデ、軍民食棲の一敦は軍事上必宰の場合に於ける常要を確保する朗以で参つて、
無砂鴇梢米不洗炊飯は米の滑費合理北の第一要件で参る。
特に朗謂化粧紛として石紛を拘持後態モ附著せしむる習慣の如きは食糧として砂を写♪に等しく
無駄の甚だしいものと謂はねばならの。
又無砂鴇梓は乙れが結果生ずる糠が各種北拳工業の原料となり、食用としても又伺料としても々
の用途は浪砂糠の此でなく僧億の甚ガ大なるを考へれば混砂鴇梓は無意義といは人より畢ろ有尊と
いふべきで参る。
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(ニ)鴇棉軽度なる米、特に胚芽魂布米の利用
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米粒は元水玄米として食用する乙とが最も柴養豊宮なので参るが、玄米は嗜好に邁せデ、滑他吸
牧も十介ならざる場合為り且炊飯も困難で参るため或程度の構白は必要で参る。然しその限度は
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努めて軽く、粂養に必要な養索は成るべく多く存置ゼしめねばならない。朗謂五介掲七分璃が従凍
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ょり准輿ゼられて居り、又水の胚芽には貴重の養素を含有しでゐる乙とは眈に一般に知らるゝ朗
で甚るに拘らデ、乙れが普及ゼざる朗以のものは未だ嗜好に適する製品の出凍ざるか、又は食はデ
嫌ひにょるもので参L首ノ。そkで祭養景宮にして且嗜好に通する構米の璃精捜術の普及泣に乙れを
けいも・’
好んで使用ゼしむる如く滑費者の砕蒙を計る乙とが滑費改書の欝この要件で参る。
09
障軍に於ては夙に触砂鴇不洗胚芽米を採用してゐるので参るが、未だ民間に生産滋に需要が普及
ゼざるため、灸鯛各地に於て自由に取柑する能はず全軍が常に使用し符ないノ耽態ほ参る乙とは邁械
軍椀である。乙の乙とが一般に普及し閥民食として顔く賓現さるゝに至れば、やがて固民の礪位の
こ・}→りん
向上ほも貰戯すると乙ろ大なるものが弟らう。
ぷとミヽヽつ
欺洲大戦閃各閑に於ては小変粉の歩留率を法律で定めて、小歩の滑費を規正した例の如く、戦時
に参りては祭港上のみならず敷景調節の必要からも、米の璃梢度に閥し制限を附する乙とは橡想し
●■
樽られるのであるが、経済的に又祭キ的に過常な乙とは、強制を倹っまでもなく平時より生活改善
の要件として積梯的に行はるべきではなからうか。
六結語
サと
乙れを要するに、米穀の間題は、各闘民にとつて均しく生存上の重大間埴で参り、固民給養の確保は
固防の先決妥仲で参る。水は、生蔑より椚費に充る蟄で、どの部分にも械性或は摩擦を生ヂる乙とな
勾モれ
く、又供給に封し脅成を受くる虞なく、所要盈が充足ぜられるて上を主眼とし、而も米の生鹿は天然の
丈配を受くる乙と大なる特性を考慮して、完仝なる貯減保仝の策を諦じ、何時如何なる事態に立到る乙
かんが
と参るも、主食たる米に不昇なからtむる乙とを期ぜねばならないので参つて、現下諸般の情勢に鑑み
かゝる施設の速かなる賓現を固り、固防カの充足と図民生活の安定に遺械なからしめねばならない。