第一〇号(昭11・12・16)
  国際観光事業の一般趨勢   国際観光局
  羊毛工業の現在と将来   商工省工務局
  対支文化事業の動向   外務省情報部
  最近公布の法令   内閣官房総務課

 

    対支文化事業の動向
                            外務省情報部

  日支両国は相隣して居り、互に相離るべからざる関係にある事は今更贅言を要せぬ所である。古来三千年両国民は相交通し、両国々民生活は精神的にも、物質的にも、謂はゞ其の凡ゆる方面に於て意識
的に又無意識的に相互に影響し合って来たのである。日支両国乃至日支両国民は斯の如く相互に密接
な関係にあるのであるが、世界の大勢を視るとき日支両国は東亜に地を占むる邦として、相提携すべき
地位にある事が一層痛感せられる。我等の先覚者も、新支那の創建者孫文も、均しく両国提携の緊要
を諒得して居つた。両国は更に経済的方面より考察するも共存共栄の関係にある。然るに拘らず両国
間に時に紛議を見るは、一には両国が相隣し国民の往来交渉等が頻繁で事端を生ずる機会も自然と多
いからで、已むを得ぬことであるかも知れぬが、大局より見るとき、日支両国及両国民は相離るべから
ざる隣人であり、共存の為共栄の為相提携して行くべき友邦であり、友人たる宿命を負ふものである。
 今から十数年前帝国政府が対支文化事業に乗り出し、外務省に文化事業部が設けられたのも日支両
国民の接触の所産である東方文化を組織的に研究し、之を発揚し、以て世界の文運に寄与すると共に、
日支両国民の精神的聯繋を新たにし両国民の相互理解を進むるを根基とせるもので、支那に於ける教
育、学芸、衛生、救恤其の他文化の助長に資する事業の助成、留日支那学生の勉学援助等を行ひ、
日支典農の一途たらしむるに甚つた。爾来右椅紳に基き支那に於ける大中畢及拳骨等に審籍、器械類

共の他の教育費料を塘贈し、又支那人学生及支那に於て活臥すべき邦人キ成の挙柁を緩衝ずる光朗同
文付の新米を按助し、更に支那に於て博横路民の人造的精糾を以て僻院を鰍騎ずる同仁令の舶来に祁
助をなし、又留日支那畢生の勉準の岱諸種の按助をなし衆った。昭和六年定梯子江流域水溶の・危災沓
地域柑身の潮畢生中、辟氷を絶たれ勝率辟例の飴俵なきに吏つた者に射し乍、臨時に畢盤を祁給し托
のも苅の一昔例で為る。更に針支榊図にとり材益夜襲者の研究の助成にも努めて凍た。
 一昨年頃より北支那に於ける出村は水審、串勉、現銀の都合集中等の名著しく疲弊し之が救済の急
務なる乙とが叫ばれ托。支那常何に於ても胡態を濱親し、農村の救済及更生に熱心に努めて府るが、
 我閑としても共存北条の立場より隣邦の此の都態に対しては重大な陶心を材ずる次第で、文化串菜部
 は非の設笹の将帥に錐み、天性地方及山東朝内に戯串続騰場を新設して、最立教達して凍池口本の盤
 米科挙及技術を應用して諸種禁物の改良及椅箆の蟹脇を行ひ以て支那側農村更生に射し挙術的披鶴
 的方南よ町按助をずる乙とゝなつた。支郷に於ても後家欧米人技術家を確したりなとして馨改良に
 野め<居るやうであるが、支那は日本と同成兆約的な農耕を行って居るので、欧米殊に水団式盤法の
 舵接採用打可否が最近支那盤発技術家の開でも疑問観されて水たとのととで、日本虚栄技術毅耗沓の
紫郎試戯場瓢設の企イは誠に時党に過し陀ものであると云へよう。新設盤節拭戯場は紫郎指導員の黎
 成にも常り、又続騰場附並の出比の挙って質問ずる者あれば、欣んで手を収つて数へる等、支那浪揖
 との砧一夜融合の班現を共の使命として居り、支那側購求技術毅との密接な連絡は固より之に努めて
屑るのである0今岡の試みは物的に、延いては梢榊的に如a直接に日文典儀を具現して行かうとずる







 もので、律らなる口頭蹄とは異なる力強い仕事であり、支晋局者も其の指導的精神に対しては金銀
異存ない許りでなく欣んで迎へる乙とゝ信ずづ。
 支那磯村の更生は隣邦の治安の安定ほ資し、共の招魂す又癖男カの増加は日支所開閉貿易伸張の一助
となるが‥、殊に綿花切改良増産の如長文郵政府簸盲夙担奨励しす慮る朗で、棉花栽培は盤民の収益
 の均加を粛らすと弗に日本の紡績拳者の裔要に應ずる所以で日支の共粂の例之より明瞭なものはない。
 本邦内に北支那の棉花栽培を塊励ずべしとの論をなず者多きを見て、隣閑人土中には例の疑心曙鬼か
ら、日本は棉花侵略を企イ慮ると唱へて居る者が参るとの乙とであるが謬見之より甚だしきはない。山東
省では今より十数年前本邦棉花鴻和順藤が米棉種子を農民に配給し、最並では日支稀藷及紡績紫者よ
り成る山東棉花改良協曾が蒋年米柵種子を無償で配布して居るが、本年秋同省奥地の棉花栽培敗況を観
察に行つ陀者の談に依れば、盤民から「之は日本の発音から貰つた種子で出水た棉だ、乙んなに樺山とれ
とと云才炊いに救誉れたとaとで挙る0盤蒜戯場で働く技術豪は内地豊丁界町長演算の
准禿で、各方風の新進の人材を以王ハ礪陣容婆ひ、設位の構榊を虚しっゝ凍年の.播種期より大いに柄動
する背で為甘が、育種、土攣肥料、希亀腕除、栽培法改良等各専門について研究賓脇を進める帝で参る0
 盤串改良は盤村解済の改善を野らし、延いては一般鹿鱗の戟展ほ資するものであるが、経済閑鞍の
諸事因の其碓的調杏も亦忽ゼにすべからざるものである乙と申す迄もない。文他事東部に於ては上記
農事試戯場設澄と併行して準北能発料率研究朗を設け農菜を中心として之に閲聯ある譜部門の♯門家
をして諸種の調充を桁常せしむる乙とゝした。眈に半宅、欺疫等に付ては構成参る専門家が貸地踏査

に従沸して居るが、従雑よく見ると乙ろの蛾鵡沖線のみに限られた様な皮相的観察は偽造之を排する
枇前で、凡ゆる不便を弘び、奥地迄分け入り資地に隣邦の人民に、其の生清に、共の土地に接して、奥
の姦を払へると云ふ態庇で胡餐して放る。地域的には狭小なりとも、精密な且資際に偶れ陀調査を得
るのを目的上し之を段々と他地域へ進め行く考である。一人でも支那戯民の異例婁を知り、之を理解・
する著が増えるLと丈でも此久調査は意我が参る。掛疫調査者なとは血清を携へて行き、病務を見れ
ば鵡んで治療してやると云ふ成なやり方である。蹴疫の問題を取り上げるのは」見偏して居る械で酋
るが、支那盤作は家畜を使用するを常として潜る⊥、単宅の問題にしても草の病疫防止を除外祀ずるを
・科ないのである。羊毛は月本のエ兼の原料で参り、日支共柴の一例叱るべきもので■参るが、支那羊毛坤
統ちに月本に於七日本草電工発に利用し徹ると云ふ部分は甚だ少いので、共の改良、故に在凍宅の如何
なかものを如何にゼば利用し得て、共粂の賓を奉げ得るかのこ鮎を併ゼ研究すべきものとし先プ第二
郵に付き諷査を進めて居る。共の外虚栄改良に必要軋水利や土質や或は農業の経済、農村機構の間堪
等其の他諷査すべき事項は山程あるので参るが、磨費の制限が参るので漸を迷う<進むの外ない。
 報北窪菜料率研究所の耗費は本年度以降三年間、年度割で約二十飴常固で、此の中には創設閑係の
常数用をも含んで居頂角串発費は充分でないが、成るべく事栗本位に経脅する方針で、研究室及事務
 笠も弟常り青島の元同仁轡院使用の建物に手入れして之を使用する乙とゝした。閲係官鹿及諸機関と
 は緊密に連絡し人的に物的に助力を得て能率を奉げ七行く方針で参る。研究所は革創の際で陣容故に
卒業の内容は大儀のと乙ろが決つた租度で参るが、日安座餅提携の具餞仕切度合に應じ、研究所の事








 菜も促進せらる〜乙とになるであらう。唯今は農業方南の譜研究、調香及新設農事洗顔場の続報に骨
 るべき盛栄部と共の他の鹿済部門の調査を朗管する経済調査部とのこに分れて居る。研究朗の事業は
 地域的に‥払北費郵各般を封象として居るが、差骨りは河北、山東に集中ずる。蓋し南省の経済教展は
最も適せ畝せらるゝと認められ、絶つて日支救粂も先プ雨省との掬係を沫むるに出費すべきものヱ考
 へらづゝからで為る。研究所の事業は要するに北支の経済教展の基礎を築くに貢威すると云ふ梓紳と、
お経済尊慮に依り日支南開民が屠一層切貸に相結んで行くのに香典するとの精銅に基くもので参る0
付文仕事発部より助成を受けて、支那に汲キる自然料率的研究に従耕して居る上海の自然倒澄研究所
 は、華北産兼科挙研究所の事業に射し其の所員、磯城、設備等を以て出水得る限り、助力ずる乙とを
 文仕事東部へ申出て居る。・又舵手に本年度新設を見た日本立代科挙周審飴も主としで、月然科挙及技
術に閑する日本の畢者の畢術的著述及寄門弟誌等を備へ、支那の畢生純音切陶兇に供し以て支那の経
済閑教に対する一助たらん乙と針共の使命として居る。
 斯の如く文化事業部は日支南国及両国民の典祭を如資に戚移し符且之を具現ずる方南に今後益モカ
 を注ぐ乙とゝなつた。之は封支文他事発に於ける一大進展だと云ふ馨を朗くが、文他事菜部としては
纏始一菜溺に囲を樹つる如として日支の非祭提携を斌現強化する外せ指他誌叩御として凍たので、
偶モ北文の情勢に應じて其の粁紳の具伐化を計つたに過ぎないので参る。今後は一両に於七飯餅方面
旬報……悶閑粥…紺弼糾=約…粥…b絶…g